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バルト諸国のリトアニアとラトビアで政権揺さぶる暴動

 北欧・バルト諸国のリトアニア(人口340万)で1月16日、労働組合の主催により全土5カ所で総計2万人の集会とデモがおこなわれた。政府による付加価値税(日本の消費税にあたる)の19%への引き上げと、公務員賃金の15%引き下げ、薬価や暖房への助成金の切り下げなどに抗議し、撤回を求めるものだ。首都ヴィリニュスには7000人が結集したが、デモ隊の一部が国会突入をはかったため、警察との市街戦となった(写真。下は警察)。「この十年間で最悪の事態」と地元紙は報道している。


 その2日前の1月13日、やはりバルト諸国のラトビア(人口220万)で同様の闘いが闘われた。ここでは首都リガで1万人の労働者人民が集会とデモを開催し、デモ隊の一部と機動隊との間で数時間の市街戦となり、数十人が負傷し、150人以上が逮捕された。ラトビアは現在、世界恐慌の影響でEU加盟27諸国のうち最悪の経済危機に陥っており、政府は厳しい条件を飲んでIMFの支援を受けようとしているが、それに対して労働者階級人民の怒りが爆発した。
 このような状況はバルト諸国ばかりではない。かつてスターリン主義が支配した中東欧諸国のすべてで、多かれ少なかれ同様の危機が吹き荒れている。資本主義化の破産はあまりにも明らかだ。とくにインフレの高騰、実体経済の収縮による解雇と失業の大量発生、貧困の蔓延、極寒の中での住居の喪失などが大きな問題となっている。
 しかも重大なことは、これまで西欧諸国がこれらの国々を「低賃金地帯」として生産基地化し、経済・金融的に深々と関わってきたことだ。とくにドイツ・フランス・イタリア・オーストリア・スウェーデンなどは関係が深い。すでに9・15リーマン・ショックの直後にアイスランドやアイルランドなどは一気に国家的破産の危機に突入してしまったが、さらに中東欧諸国の1つでもこのような破滅的危機に突入すれば、それはすぐさまはね返って西欧諸国をガタガタに揺さぶる。『ファイナンシャル・タイムズ』ドイツ版はこの間、「次は東欧が危ない!」「西欧の銀行にとって最大の危機はここから来る」などと大々的にかき立てた。今や世界大恐慌はヨーロッパ大的規模で深化し、世界革命情勢をますます成熟させるものとなっている。(ひ)

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