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アイルランドで12万の労働者が政府の経済政策に抗議してデモ

 

 アイルランドの首都ダブリンで2月21日、労働者約12万人が政府の賃金カット攻撃などに抗議して街を埋め尽くす大規模なデモに立ち上がった。アイルランドの人口は424万人であり、首都の街頭デモに12万人の参加というのは、70年代末・80年代初め以来のできごとだ。きっかけは、政府が世界金融大恐慌のなかで急速に経済的危機に陥り、公務員や公営企業で働く35万人の労働者を対象に、年金保険料10%増(7%の賃下げにあたる)を計画しているからだ。労組のナショナルセンター(アイルランド労組会議)はさらに2月末、3月30日のゼネストを呼びかけた。

 

 アイルランドは80年代に外資導入で急速な経済成長をとげ、ヨーロッパにおける「アジアの4頭の龍」(韓国・台湾・シンガポール・香港)のような存在という意味で、「ケルトの虎」などと呼ばれてきた。しかし今では、世界の中でも金融大恐慌の影響を最も強烈に受けている国の一つとなっている。GDPは公式発表でも08年で前年比3%減、今年はさらに6%減るだろうと言われている。失業者は1月で32万7000人(67年に統計を取り始めて以降最悪)で、それが急速に50万人(労働人口の25%)まで行くだろうと言われている。この失業率25%という数字は、30年代アメリカ大不況時のボトムの数字だ。そのようななかで現政権の支持率も16%にまで下落している。
 問題は、労組ナショナルセンター(アイルランド労組会議)の姿勢だ。同ナショナルセンターは、20年以上にわたって政労資の「社会連帯協定」を結んできた(それがこの1月、年金保険料問題でいったん決裂してしまった)。アイルランド労組会議は、それをなんとか元のさやにおさめようと、いわば「ストを背景に交渉を構える」という戦術をとっているのだ。だから、2月末にバスや公共部門など傘下の組合がストに突入することにたいしても必死に抑え込みをはかった。
 しかし、ランク&ファイル組合員の怒りはきわめて激しい。それを背景にして、2月21日のデモには一般兵士が多数参加した。そして、その代表が「ストに際して兵士がスト破りをするようなことはしない」と言明したのである。アイスランドでは1月末、労働者階級人民が政府を実力で打倒した。アイルランドの状況は、まさにそのような状況に刻一刻と近づいている。(う)

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