「制度廃止の日まで」闘う、裁判員制度いらない全国集会
10月2日、「裁判員制度はやっぱりいらない! 10・2全国集会」が東京・四谷区民センターで開催された。「裁判員制度はいらない!大運動」の主催で450人の労働者・市民・学生が全国から集まり、「制度廃止の日まで、国会に、政府に、最高裁に、そして権力翼賛の日弁連執行部に、私たちの怒りをたたきつけましょう!」と集会宣言を発した。
集会では、裁判員裁判の実態が暴露され、ますます盛り上がる全国各地、各層の裁判員制度廃止の闘いが報告された。
藤田正人弁護士は裁判員裁判の実態について、「『市民参加』という名の刑事裁判ショー。そして、簡易・迅速・重罰の『お白州』だった」と言い表した。「お白州」とは江戸時代の奉行所などに置かれた法廷のこと。裁判員裁判では、裁判員や被害者の参加によって、検察側と弁護側が対等に主張・立証を行い裁判官が第3者として冷静に判断するという「当事者主義の原則」は投げ捨てられ、被告人の裁判を受ける権利は完全に踏みにじられていると指摘した。さらに司法への「市民参加」なる偽装についても暴露。最高裁による「高い出席率」の演出とは、呼出対象者から呼出状発送段階で拒否した人々を含めないで計算した数値であり、実際の出席率は東京47%、高松29%など拒否者続出だという。藤田弁護士は、この制度の目的は結局、「市民・国民に治安維持を担わせ、権力の思想に染めることだ」と批判した。
弁護士、町内会、市民運動、労働運動の各層が登壇したパネルディスカッションは、制動廃止の運動がますます強固となって広がっていることを実感させた。愛知の弁護士は9月に東海3県の弁護士ら約200人が制度廃止の声明を発表したと報告、弁護士会でも廃止決議をあげたいと意気込んだ。町内会でも会長自ら運動の先頭に立ち地域を組織している。市民運動でも絶対廃止以外にないとますます確信を深めている。労働運動ではス労自主の棚橋竹三郎副委員長が登壇した。
また各地の報告では、福岡、岡山、大阪、東海、神奈川、埼玉、千葉のどの各運動体も裁判員裁判実施に絶対反対の抗議の声をたたきつけ大きな反響を生み、地域の結集軸になっていることが報告された。実施されてからもなお、運動はますます大きく広がっているのだ。
まとめのあいさつに立った「大運動」の呼びかけ人の高山俊吉弁護士は、「裁判員裁判の実施はこの国の政治権力の危機を示している。支持なく始めるざるを得なかった。途方もない矛盾をかかえている。われわれの勝利の証だ」と確認し、「修正は違う。廃止以外にない。われわれが制度廃止の旗を掲げているから「いやだ」というたくさんの人がいる。さらにその旗を高くかかげよう」と呼びかけた。方針は「各地の学習会を運動の拠点にし全国で連携していく」ことだ。「大運動」は各地の裁判員裁判の真実を知らせるための「裁判員いらない全国情報」を発行していくという。
11月以降さらに裁判員裁判の件数ひと月200件ほどに激増し矛盾も拡大していく。制度廃止の旗を高々とかかげ、いよいよ廃止に追い込もう!(東京 KN)
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