水戸地裁前で裁判員制度廃止を訴え
11月25日、茨城県で初めての裁判員裁判が開かれた。「裁判員制度はいらない大運動!茨城実行委員会」の11名は、雨の中、早朝から水戸地裁前に登場、横断幕とのぼりを掲げ、裁判所前を制圧した。通勤の労働者、裁判所や報道機関で働く労働者が圧倒的に注目する中で、百万人署名運動や労組交流センター女性部の仲間が次々とマイクを握り裁判員制度の廃止を訴えた。さらに、出頭を強制された裁判員にチラシを手渡し「憲法違反の裁判員になることを拒否しよう」と呼びかけた。
水戸地裁は、制度開始から半年も経ってからの第1号裁判を、殺人罪などの重大事件を避けて、被告がすべて認めて被害者との示談も済んでいる「強制わいせつ致傷罪」をとりあげ、何と2日間、実質審理は6時間で判決を下そうとした。マスコミを通じて、「新しい時代の裁判員裁判」が順調に進んでいるかのように見せたいのだ。しかしながら、今回の第1号裁判においても裁判員候補者68人を呼び出し、事前に25人が拒否、当日5人が連絡なく欠席、1人が電話で拒否し、出頭したのは37人、さらにその内5人が辞退した。なんと53%が拒否したのだ。すでにこの時点で裁判員制度の破綻は明白だ。当日出頭した裁判員からは「制度への反対の声がある中での参加は複雑」(40才・パート労働者・女性)「こんなにたくさんの候補者を呼んでおいて、8人しか選ばれないなんて、お金の無駄だ」(50才・労働者・男性)という声が上がっている。
実行委員会は、今回の行動に先だって、21日に「やっぱりいらない!裁判員制度・茨城集会」を開催し、初参加者を含め25名が参加した。定期大会を翌日に控えた動労水戸からは代表が駆けつけ、5波のストライキの息吹を持ち込んだ。大運動事務局次長・川村理弁護士の「裁判員裁判の恐るべき実態」と題した講演に、会場から質問や意見が相次いだ。裁判員通知を受けとった男性は「5日前に最高裁から通知が来た。封も開けずに突っ返すつもりだ!」との怒りを表明した。この集会に参加した労働者の何人もが25日の水戸地裁抗議行動に年休をとって参加した。茨城県内でも裁判員を拒否し、制度を廃止しようという声が高まっている。(茨城・UT)
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