全学連国賠 警察の襲撃、暴行あらわに 作部さん、野地川さんが証言
6月6日、東京地裁民事第31部(金澤秀樹裁判長)で警視庁公安部による2016年9月の全学連大会襲撃事件の国家賠償請求訴訟第10回口頭弁論が行われました。今回初めて原告の証人尋問が行われました。ついに国賠訴訟は公安警察を追い詰める重要な山場に突入しました。
最初に作部羊平君が証人尋問に立ちました。学生側の花澤俊之弁護士の質問を通じて当時の状況が明らかにされていきます。
作部君は、花澤弁護士の質問に、はっきりとした口調で、全学連大会会場前でタクシーから出るやいなや「数人の公安警察官に囲まれ」「サングラス、マスク、ヤッケを無理やり外され」「後ろから羽交い締め」にされたことを暴露・証言しました。
花澤弁護士も地図や写真などで証言を補足し、事実を一つ一つ確定させながら、警察権力の襲撃、暴力が逃れられない事実であることを鮮明にさせました。
警察権力は、書面では「指名手配者……を対象とした捜査」として「捜査は合法」と言い、むしろ学生側から暴力を受けたとしていますが、作部君の証言は国家権力のうそを粉砕し、権力犯罪を暴きました。
東京都と警視庁公安部の代理人による反対尋問でも、事件に関する質問はほとんどできませんでした。
続いて、野地川泰介君の証人尋問です。野地川君は、全学連大会の防衛隊・会場案内係を行っていました。作部君と京大生がタクシーから降りる際に、公安警察官の山本清仁と西澤雄によって植木のある場所まで突き飛ばされたことが大きな焦点になりました。
野地川君は、井堀哲弁護士の質問に答えながら、写真で山本や西澤を人定し、突き飛ばされた事実を詳細に明らかにしました。メガネの破損や「全身に3週間の痛み」など、権力の暴行の激しさを伝える生々しい証言で、本当に怒りなしには聞けない内容でした。
反対尋問では、野地川君が京大生を守るために警察との間に割って入ったことについて、姑息(こそく)にも「有形力の行使はなかったか?」という質問をしてきました。野地川君は「仲間を守るために割って入った。警察官の体に触ることになっても当然。暴力は振るっていない」と堂々と言い返しました。力強い発言に裁判官もうなずくしかありませんでした。
最後に野地川君は、「裁判官は、これが公安警察のやる仕事なのか、公正公平な立場で判断してほしい」と訴えました。2人の証言は完全に法廷を制圧して大成功でした。
次回は、9月30日(月)午後1時30分。今回の証人尋問で人定された公安警察官の山本と西澤の証人尋問です。安倍政権の暴力装置として学生や労働者を弾圧・不当逮捕してきた国家権力を断罪する証人尋問にしよう! 国賠闘争の爆発と一体で元全学連委員長・斎藤郁真君の奪還を勝ち取ろう! 全国から裁判・傍聴闘争への大結集をお願いします。(全学連国賠原告・仲井祐二)
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