コンビニ関連ユニオン結成 敵は本部 総団結し7・11ストへ
6月9日午前、待望のコンビニ関連ユニオンが産声を上げた。東京・上野で開かれた結成大会には、多数のマスコミが駆けつけ注目が集まる中、会場をいっぱいにするコンビニ労働者、合同・一般労組全国協の仲間、支援の労組らが参加し、「生きさせろ!」の戦闘宣言が発せられた。
関連ユニオンは、コンビニ各社の垣根と、本部社員、加盟店オーナー、店舗従業員、配送ドライバー、弁当工場の労働者などの職種をこえて、全コンビニ関連労働者が加盟できる労働組合だ。河野正史委員長(セブン本部社員)のもと、副委員長に永尾潤さん(セブン加盟店オーナー)、尾形さん(セブン店舗従業員)、書記長に鎌倉玲司さん(千曲ユニオン書記長)、書記次長に清水彰二さん(群馬合同労組委員長)が就任した。
河野委員長は「人が倒れていく現場を見るのはもうたくさんだ。私たちは24時間営業義務化廃止を訴えている。『8時間は労働を、8時間は睡眠を、8時間は自分の時間を』――人が人として生きていける社会にするために組合を結成した。敵は一つ。本部に対し総団結して闘いぬく。何も言えない社員、お店が一番苦しんでいる。声を上げられない人たちにこそ寄り添っていきたい」と決意を表明した。
関連ユニオン結成の経緯と情勢について鎌倉書記長が報告した。
「コンビニビジネスモデルは新自由主義三十数年のいきついた姿だ。規制緩和で30㍍以内に店舗がひしめき、24時間365日働くことが当たり前の社会になった。規制緩和は資本の独占を強めただけた」と切り出した。
巨大独占と闘う
「独占支配のもとでセブン本部が全部を決めてきたにもかかわらず、オーナーや配送ドライバーが過労死しようが、弁当工場の労働者が機械に挟まれ死のうが本部は何の責任もとらない。外注化によって使用者責任から逃れている」と指摘。さらに「独占価格で商品も高く一般消費者からも収奪している」と明らかにし、「だからコンビニのビジネスモデルを変えるには関連労働者が総団結して闘う以外にない」「永尾副委員長らが取り組んできた独占禁止法を活用する闘いは必然的だ」と、独占支配との闘いを射程に入れた。
これを受けて河野委員長が方針を提起し、7・11時短ストを呼びかけた。時短営業、本部への送金を止める「送金スト」、発注ストなど戦術は柔軟だ。また、本部の優先的地位濫用に対する公正取引委員会への集団申告闘争や、6月にセブン本社での団交と永松文彦社長との面談を要求することも確認された。
永尾副委員長は「本部は加盟店オーナーに経営努力が足りないと言うが、本部直営店の利益は出ない。初めから利益が出る仕組みになっていない。詐欺だ」とセブン本部を告発した。
非正規職撤廃へ
組合員からは「店舗従業員を全員正社員にしたいが、事業が成り立たない。社会保険の本部負担を要求したい」と非正規職撤廃への思いが語られた。
大会では時短営業を実力で続ける東大阪のオーナーの電話での激励や、東京中部ユニオンからの檄布贈呈など終始熱気にあふれた。
新自由主義社会で一大産業と化したコンビニ資本の足元から、労働者の団結した反乱がついに始まった。
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