動労千葉鉄建公団訴訟控訴審 ”証人採用・弁論再開を”解雇撤回署名6千筆を提出
動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の弁論再開を求めて8月22日、東京高裁第12民事部(難波孝一裁判長)に対する要請と、「解雇撤回・JR復帰」を求める10万筆署名の第3次提出行動が意気高く闘い抜かれた。
まだまだ残暑が厳しい午後2時過ぎ、裁判所前に動労千葉組合員と弁護団、支援が結集し集会を開いた。「不当解雇の張本人である葛西敬之(現JR東海会長)を調べずに、どんな判決が書けるのか」。動労千葉の田中康宏委員長や代理人弁護士、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長、動労水戸の石井真一委員長らが次々とマイクを取り訴えた。動労千葉争議団長の高石正博さんは「ついに不当解雇の真実が明らかになりつつあるのに、1人も証人を調べずに裁判を終わりにするなんて話はありえない。われわれを解雇した張本人に、どういうつもりでこういう目にあわせたのかはっきりさせてもらいたい」と述べ、中村仁さんも「東京高裁に弁論を再開させ、真実を明らかにして解雇撤回・JR復帰をかちとる」と固い決意を述べた。
午後3時、原告と代理人弁護士を先頭に参加者全員で庁舎16階にある東京高裁第12民事部に向かった。代理人が弁論再開申立書と証人採用を求める書面を提出し、難波裁判長との面会を求めた。申立書は、証拠として提出した『国鉄改革前後の労務政策の内幕』で明らかになった新事実を突きつけ、葛西敬之(当時、国鉄職員局次長。現JR東海会長)、国鉄改革法案作成の中心となった江見弘武(当時、最高裁から国鉄総裁室に出向。現JR東海常勤監査役)、原告を名簿から排除した当事者の今村雅弘(当時、千葉鉄道管理局総務部長。現在、自民党所属の代議士)の3証人を採用して調べるよう強く求めた。そして「本件は、いまだ審理が尽くされていない」「真実を確かめることを怠るならば裁判所はその存在意義を失う」と難波裁判長に迫る内容だ。
対応した書記官は、要請団の迫力にあたふたしながらも「文書を渡しますから」と繰り返し難波への取り次ぎを拒んだ。
さらに原告の高石さんが、酷暑の中を全国の労働者・学生・市民が集めた6419筆(累計3万3613筆)の署名を提出し、山本さんが要請文を読み上げた。
隣接する弁護士会館で総括集会が開かれた。代理人弁護士が申立書の趣旨を解説し、「書記官室にあったキャビネットの向こうに難波裁判長の部屋がある。要請書を読み上げた声は難波に届いていたはずだ」と述べた。
山本さんは「残された時間は少ないが1筆でも10万筆に近づけたい。何よりも自らの職場で署名に取り組むことが、職場での課題と国鉄闘争を結びつけ、労働運動復権の種になっていくはずだ。まだまだ暑いが9・15総決起集会に向かって、もう一踏ん張りをお願いしたい」と力を込めて訴えた。
ス労自主の入江史郎委員長、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸さん、動労千葉貨物協議会の佐藤正和議長が、次々とともに闘い抜く決意を表明。動労水戸の石井委員長は、この間の被曝労働拒否の闘いや、JR水戸支社による被曝車両K544の「偽装交検」追及の闘いを報告し、10・1構内誘導業務外注化を絶対に阻止する決意を語った。
最後に動労千葉の田中委員長が「われわれの強い思いは間違いなく難波裁判長に届いたはずだ。国鉄分割・民営化による不当解雇と外注化をめぐるわれわれの闘いは、核心部分に迫る前進をかちとってきた。二十数年にわたる敵の攻撃のすべてが、あと一歩で崩れ落ちる、その寸前のところまで来ている。闘いの前進と敵の反動がせめぎ合っている。だからこそ、ここで一歩も引くわけにはいかない」と訴え、当面する最大の取り組みとして9・15集会への大結集を呼びかけた。(O)
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