学生は改憲阻止闘争の先頭に立つ 全学連大会で熱烈な討論 京大「無期停学」処分撤回へ団結
9月14〜15日、全学連第80回定期全国大会が東京都内で行われた。斎藤郁真・前委員長が京大弾圧で獄にとらわれる中、髙原恭平委員長体制下で初めて開催された本大会は、2日間の活発な討論を通して京大3学生への「無期停学」処分を粉砕する全国的な団結を生み出し、秋の臨時国会での改憲案発議を阻止する闘いの方針を確立した。
冒頭に、髙原委員長はじめ執行部が議案を提起した。「世界は米中貿易戦争を軸に大きく動いている」「米中の軍事衝突は現実的問題として、日々その危険性を高めている。こうした世界情勢の中で……安倍に代表される権力者の側は、……改憲=戦争に唯一の突破口を見いだしている。もはや日本社会がこのままで未来あるものと夢想する者はいない。若者は絶望している。改憲=戦争か、それとも破綻した資本主義にとどめをさして新たな社会を自分たち自身の手でつくり上げるのか――この二者択一が峻厳(しゅんげん)に問われている」と核心的な時代認識を語り、秋の最重要行動方針として10・4臨時国会開会日闘争―10・22「新天皇即位の礼」粉砕闘争―11・3全国労働者総決起集会を訴えた。
そして「すでに『改憲』は始まっている。大学は、戦後的あり方が破壊されつつあり、新自由主義大学――国策遂行・国益奉仕のための大学、『グローバル競争』のための大学へと変貌(へんぼう)させられている」と、「大学改革」攻撃との対決に提起を進めた。
最大の激突点は京都大学だ。京大当局は大会直前の9月10日付で3人の京大生に「無期停学」処分を下した。学生を逮捕させたり立て看板を勝手に撤去したりする職員に抗議したことそのものを処分「理由」としており、断じて許すことはできない。議案は、京大学生運動の未来をかけて処分・逮捕と闘っていくこと、団結の拡大をもって反撃すること、処分撤回闘争の大衆的・全学的な高揚をつくり出すことを提起した。さらには、9月24日の斎藤郁真さん初公判(午後2時、京都地裁)に総決起することを確認した。
議案提起に参加者が真剣に向き合い、京大闘争との連帯を通して自らの大学で学生運動を創成していく決意が口々に語られた。とりわけ、不当処分当該学生からのアピール(別掲)は大きな感銘を与えた。議事全体が、一人ひとりが自らの主体性を問い直しながら飛躍していく過程となった。熱烈な論議は宿舎でも深夜まで続いた。
来賓あいさつでは、4月の杉並区議会議員選挙で初当選した洞口朋子区議が議会内外での活動の手応えを語り、青年・学生・女性を獲得する闘いをともにつくり上げようと訴えた。
さらに、セブンイレブン資本との真正面からの対決で大きな社会的注目を集めるコンビニ関連ユニオン委員長の河野正史さんが、自らの学生時代も振り返りながら、改憲・戦争阻止決戦の先頭に学生が立つことへの期待、労働組合をよみがえらせる闘いへの確信を語った。
大会の最後に髙原委員長が討論のまとめを行い(別掲)、議案を全体の拍手で採択。多くの新しい中央執行委員を加えた上で、髙原委員長(東京大学)―加藤一樹書記長(京都大学)の執行体制を確立した。
改憲・戦争を狙う国家権力・公安警察は、学生の結集を妨害しようと会場前に大量に押しかけたが、参加者に一指も触れることはできなかった。学生の団結の前には、いかなる反動も無力だ。全国の学友は全学連とともに、この秋、不当処分撤回=京大闘争勝利、排外主義粉砕―改憲絶対阻止の歴史的な大闘争を巻き起こそう!
髙原委員長のまとめ 京大闘争は全国学生の課題
今回の大会は、北村さんをはじめ3学生への「無期停学」処分を絶対に許さないことで一致することが核心だったと思います。北村さんを先頭に多くの京大生から処分の不当性について訴えられたし、この処分を打ち破っていく闘いの展望についても一定の方向性が見えたと思います。
この間、京大で処分・逮捕、特に起訴・長期勾留が相次いでいます。そういうなかで「弾圧慣れ」もあると思うんですが、改めて処分の本質を確認し、3学生への「無期停学」処分を絶対に粉砕する決意を固めないといけません。「職員の業務を妨害した」というだけで処分となれば、今日ここにいる京大生のほとんどが「無期停学」になってしまうと思います。この処分を粉砕しつくすことが、今後の京大学生運動だし、全国学生運動をやっていく上で絶対に避けては通れない課題です。
大会では「全国学生運動の中でも、とりわけ京大だ」「京大で勝利して展望をつかむんだ」と提起して、全国的一致をかちとったと思います。やはり、京大でいま起こっている問題は、京大だけの問題ではない。10年前の法大闘争が法大だけの問題ではなかったように、いま京大で起こっていることも京大だけの問題ではない。
京大学生運動は、場所的には京大で闘われるものであっても、本質的には日本全国の大学の行く末を決めるものとしてあるんだということで、これからの1年間は京大闘争に全力を投入して、そこで勝負していこうではありませんか。
議案では「政治闘争」「学生運動」と分けましたが、これらはすべて一体だということは言うまでもありません。内への階級戦争と外への侵略戦争は一体です。大学でモノ言う学生は処分する、労働組合でストライキをやるようなところは徹底的に弾圧する。そういう国内での階級戦争と、排外主義の扇動や改憲をして戦争していくという国外への侵略戦争――これは完全に一体です。そういう意味で、いま京大で起こっていること、特に連帯労組関西生コン支部への大弾圧、そして改憲=戦争への動きを理解する鍵が「階級対立」という観点だし、理論闘争だと思います。
議案では性差別問題について取り上げましたが、やはり主体の問題として捉えることが核心です。理論を云々(うんぬん)するより、まず自分自身の問題として捉え、自らの実践で変革していくことが一番重要です。そういう立場で私も全学連の先頭に立ってやっていきますので、不十分な点も含めて批判をいただければと思います。
最後に、斎藤郁真前委員長の獄中メッセージにもありましたが、こうして全国学生が結集して全学連大会を打ち抜くこと自体、当たり前のことと思ってはいけません。今日、多くの学生が様々な障壁をこえて参加してくれたことを本当にありがたく思っています。
この秋の過程は、京大の処分粉砕闘争を軸に京大学生運動と改憲阻止に取り組んでいくということで、私もみなさんと団結して頑張っていきます。
処分当該の京大生のアピール 団結生み出し処分はね返す
私、北村剛(京大工学部4回生)は9月10日に「無期停学」処分となりました。今回の処分の異常性と、処分撤回闘争の意義を訴えます。そして秋以降、みなさんに京大闘争に結集してほしい!
3人の学生はそれぞれ「無期停学」になった理由が違いますが、共通しているのは、京大当局が言うところの「学内にいる不審者(=闘う学生)」を職員が突然十数人で羽交い締めにして警察に逮捕させる、それに3人で「おかしい!」と抗議したことです。個別の処分理由には、オープンキャンパスで立て看板を勝手に撤去する職員に抗議したこと、同学会主催の集会を妨害する職員に抗議したことなどがあります。
ここでは、「職員の職務の正当性」が大前提とされています。それに私が反論したところ、「お前は反省していない」「自分の問題行為への認識が甘い」「だから無期停学なんだ」と結論づけられてしまう。何を言っても、全部こじつけられて「無期停学」の根拠にされてしまう。今の大学は役員会の決定に基づき職員が弾圧を行い、その職務は無条件で正当化されてしまいます。
京大でも法政大でも、これまでは学生の逮捕・処分については、それなりに「暴行」や「建造物侵入」などの「理由」があったのですが、今回は「抗議したこと」が主な処分理由になっています。
京大は、役員会の意向に逆らう学生はすべて容赦なく処分する独裁国家になりつつあります。今回は、これまでの処分ともまったく違う「異次元の処分基準緩和(山極バズーカ)」です。京大で盛り上がる学生運動を根絶させる攻撃です。同時にこれは全国学生運動をつぶすためのものでもあり、国家権力の全学連への挑戦です。絶対に僕らは負けることができません! 学生の自治活動を妨害する職員に抗議できなかったら、本当に何もできなくなる、本当に。だから処分に絶対反対で闘っていきます。
そして、処分撤回闘争を通して京大のあらゆる自治団体を一つに結集させていきたい。すべての自治会やサークルや寮が弾圧に対して連携して、一緒に闘っていくことを追求していきます。
10月には、同学会がキャンパス集会を呼びかけます。12月には、学内でありとあらゆる生き物が集まる集会を開催したいと考えています。そして、教授や地域の人たちだけでなく日本全国・全世界の人々とも広くつながっていきます。
空前絶後・超絶怒濤(どとう)の処分撤回闘争で、楽しく明るく闘っていきたいと思います。ともに頑張りましょう!!
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