全米で民営化と対決する教育労働者の大反撃が始まった
カリフォルニアの3・4ビッグ・ストライキに続いて、新自由主義・教育の民営化に対する大反撃が、全米で始まっている。6月11日、シカゴ教員組合(CTU)の委員長選挙で、公教育を守ると宣言して教育の民営化に真正面から対決する「ランク&ファイル教育者派」(CORE)のカレン・ルイス氏が決戦投票を制し、委員長の座を獲得した。
写真は新たに選出された新執行部。ルイス氏は左から2人目。
シカゴ教組は長年、保守派のフラク「統一進歩派」(UPC)が執行部を握ってきたが、チャータースクール化、学校閉鎖・合併、学級サイズの拡大=教職員解雇に対して執行部が闘わないことに異議を唱え、2年前にランク&ファイルの教師たちがフラクCOREを結成した。今回、COREが12080票、UPCが8326票という獲得票数で、圧勝であった。
学級サイズを37人に増やし、3000人の教員を解雇するとしたシカゴの現教育長ヒューバーマンの教育改革政策に対し、5月25日、シカゴの街で5000人規模のデモが行われ、教育労働者と保護者・地域が一体となった草の根運動が展開された。ランク&ファイルのシカゴ教組の組合員や保護者たちは、現職の委員長マリリン・スチュアートは市長や教育長にべったりで、教育の民営化に対して起ち上がっていないと不満を抱いていたのである。
シカゴは、新自由主義イデオロギーの元祖といわれるミルトン・フリードマンがシカゴ大学で「シカゴ学派」を形成したところであり、教育改革を基軸政策に据えるオバマ大統領の出身地である。オバマはシカゴの教育長アーニー・ダンカンを連邦政府の教育長官に任命したが、ダンカンは「ルネッサンス2010」という教育改革計画による廃校化・チャータースクール化を徹底的に、企業のリストラと同じやり方で推進した人物である。現在、全米で吹き荒れているチャータースクール化攻撃は、シカゴ学区をモデルにしたものと言われている。(写真は廃校に反対して闘われた09年2月シカゴでのデモ)
しかし、このシカゴから、ついに教育の民営化に対して「NO!」を突きつけるランク&ファイルの大反乱が始まった。しかもシカゴ教組は、ニューヨーク、ロサンゼルスに次いで全米第3位の規模(約3万人)の市教組であり、これから全米で教育労働者の闘いが燎原の火のごとく広がっていくに違いない。(KJ)
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