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市東さん農地裁判、空港会社がついに墓穴掘る!

s20101127a-1.jpg 11月26日、千葉地裁で三里塚反対同盟・市東孝雄さんの二つの農地裁判が連続して開かれた。成田空港会社(NAA)は市東家の耕作地を旧地主・藤崎から違法かつ秘密裏に買収した上、千葉県から賃貸借契約解除許可決定を取り付け、市東さんに「土地を明け渡せ」と迫っている。二つの裁判は、①原告・市東さんが千葉県を「許可は無効」と訴えた行政訴訟と、②原告・NAAが市東さんに土地明け渡しを求める訴訟である。
 午前10時半に①の行政訴訟が開廷。弁護団は、成田空港が危険きわまりない欠陥空港であり農民・住民の人格権を侵害する存在であることを明らかにし、最大の争点である南台41―9の土地を過去一度たりとも市東家が耕していないことについて、航空写真が証明していることを突きつけた。 

s20101127a-2.jpg これに対する被告・千葉県の主張は「実体的な権利の存否は争点ではない」、つまり、県は申請されたから許可決定を出しただけで、その内容が違法かどうかは知ったこっちゃないというものだ。この無責任と居直りに、傍聴席を埋めた反対同盟と支援の労働者・学生の怒りが爆発し、県の代理人を徹底弾劾した。
 11時10分に②の裁判が開廷。弁護団はこれまでNAAに対し、空港公団時代からの用地買収交渉の記録などをすべて明らかにし、求釈明に答えるよう迫ってきた。NAAは一向にそれに答えず、証拠隠しとだんまりの姿勢を通してきたのだ。だがそんな卑劣な態度を、今日こそは許さない。答えよ!
 このまったく当然の要求に圧倒され、多見谷寿郎裁判長は、原告NAAに対し南台41―9の土地についての現時点での見解を求めた。追いつめられたNAA代理人の弁護士は「現在その土地を被告人は占有していない。が、そこは賃借地である」と、決定的な言辞を吐いた。すかさず市東さんが被告席から、「うちはじいさんの代からその土地は使っていない!」と反論した。
 傍聴席は怒号の嵐となった。「占有してないと認めたな」「だったら何のために裁判やってるんだ」「取り下げろ!」
s20101127a-3.jpg そうだ、NAAは確かに3年前に、その土地を市東さんが占有=耕しているから「明け渡せ」と訴訟を起こしたのだ。だったらいつ市東さんは占有をやめたというのか。完全に墓穴を掘ったNAAは、これ以上何か口にするたびに傷口を広げることを恐れ、再び貝のように口を閉ざした。「裁判所は釈明を求めよ」との一歩も引かぬ弁護団のねばり強い要求で、裁判長はNAAに対し、次回までに「占有」問題の見解を書面で明らかにするよう申し渡した。次回は来年2月22日。
 弁護士会館で記者会見が開かれた。
 冒頭に市東さんがあいさつに立ち「私の逮捕など今年1年いろいろあったが、さらに来年に向けてがんばりましょう」と呼びかけ、12月12日の「市東さんの農地取り上げに反対する会」のトークイベントへの参加を訴えた。続いて葉山岳夫弁護士が「こちらがじりじりと押している中、敵は今になって矛盾が露呈してきた」と手応えを確認し、さらに弁護団それぞれが法廷での応酬の解説と決意を語った。北原鉱治事務局長は「藤崎を証人として法廷に引きずり出せば一目瞭然だ。今後もどんどん突き上げよう」と呼びかけた。
 最後に司会の鈴木謙太郎さんが、「次回NAAがどんな文書を出すか楽しみ。来年も全力で闘いましょう」と2010年最後の三里塚裁判闘争を締めくくった。(TN) 

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