ドイツで16万人が反原発デモに決起!
5月28日、ドイツの21都市で原発反対の一斉デモがおこなわれ、全国で16万人が「原発やめよう」の声をあげた。ベルリンとミュンヘンで2万5000人、ハンブルグで2万人、ハノーバーで1万2000人などである。これは、福島原発大事故を契機にこのかんドイツで闘われている史上最大の反原発闘争の一環だ。
この闘いを受けて、ドイツ政府は「2022年までに原発を全廃」すると発表した。しかしこれには大きなまやかしがある。それは、今後原発を次々に停止していって2022年には原発がすべてなくなっていることを意味するものではまったくない。むしろ、2022年までは現在稼働中の10基の原発をすべて維持するというのだ。
ドイツの原発は17基だが、このかんの闘いで老朽化した7基を一時停止に追いこんでいる。ドイツ政府が狙っているのは、運動の沈静化である。そして運動が沈静化したら、また「まだまだ原発は使えるではないか」という議論に持ち込もうとしているのである。
しかし、まやかし的であっても、このようなところに追いこんだドイツの反原発闘争の意義はきわめて大きい。ドイツの動きは、全5基の廃止を決めたスイスをはじめ全ヨーロッパに波及し始めている。
これに対しては、ドイツの財界が「性急な原発停止は400ユーロの損失をドイツ経済にもたらす」などと激烈に反発している。この構図は、菅政権が浜岡原発の一時停止を決めたのに対して日本経団連が猛反発したのによく似ている。
他方で原発労働者たちは、「仕事がなくなる」と原発廃止に反対する行動を同28日に行った。ここでは資本に買収された労組幹部が暗躍していることは間違いない。原発の廃止と闘う労働運動の再生は、ドイツでも一体の問題なのだ。
また、旧東独の社会主義統一党の流れをくむ左翼党や「脱原発」を掲げて勢力を伸ばしてきた緑の党は、「原発がなくなると電気が足りなくなる」というドイツ財界の主張に完全屈服し、民衆が圧倒的に掲げる「全原発の即時停止」に反対し、それぞれ「2014年までの停止」「2017年までの原発撤退」へと後退している。
しかし、「全原発の即時停止」は日本でもドイツでも、そして世界で統一のスローガンだ。6月5日は、新自由主義と長年闘ってきた国鉄闘争と、急速に高揚する反原発闘争が一体となって大爆発を実現していく決定的な闘いとなった。6月5日は、午前の東電デモ(11時15分新橋・桜田公園集合)から国鉄全国運動大集会(午後1時、日比谷公会堂)に総決起しよう!(SG)
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