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広州で十数万人の大暴動が発生! 武装警察、中国軍との大激突に

s20110613g-1.jpgs20110613g-2.jpg 6月10日、露天商の妊婦が治安保安員によって暴行を受けたことから広州で暴動が発生、11日夜には十数万人の未曽有の大暴動に発展した。暴動は3昼夜にわたって続き、13日の深夜には広州軍区から大量の中国軍が武力制圧のために市内に入った。現在厳しいネット規制が敷かれ、外部への情報流出が事実上遮断されている。 

 6月10日夜、広東省広州市新塘鎮大敦村の市場で、ジーンズを売っていた露天商の夫婦(四川からの出稼ぎ人)に対し、村の治安保安員(政府によって民間で組織された治安員)が商売をやめて立ち退くように要求した。夫婦は立ち退きを拒否したため、治安保安員らは暴力的にs20110613g-3.jpg排除しようとして妊娠していた妻を突き飛ばしたのである。さらに駆けつけた警察隊は、加害者の治安保安員をこっそりと逃亡させてしまった。周りで見ていた人々は怒り、妊婦に暴行をふるった加害者を差し出せと要求したが、ひたすら「退去」のみをがなりたて、その上抗議する民衆に対して棍棒で襲いかかってきた。現場に急行し取材していた「南方都市報」(現体制に批判的な論調で知られている)の記者も棍棒で20カ所以上殴打される暴行を受けている。
 こうした状況に怒った数千人の労働者・民衆が現場に集まり、全面的に治安隊員および警察隊と全面激突した。そしてパトカー3台、および多数の乗用車を破壊して徹底的に闘った。
 事態はそれだけで終わらなかった。翌11日、前夜の闘いを引き継いで1000人が警察署の門前に集まり、警察の入り口を封鎖して闘い、中国スターリン主義の暴力的な治安政策への怒りをたたきつけた。新塘鎮政府の建物は放火されて炎上し、破壊された。夜に入ってから労働者の大規模な抗議デモが発生し、武装警官と激突。さらに国道では車が次々と燃やされたという。四川省の出稼ぎ労働者4万人が闘いの先頭に立っているが、地元の広東省の労働者も含めて10万人以上がこの暴動に参加しているといわれている。武装警察も打つ手がない状況に追い込まれた。
s20110613g-4.jpg 追いつめられた市当局は、12日には被害者の妊婦の夫を連れて一緒に記者会見にのぞみ、事件を一部の「不法者」の行為と決めつけ、事態の沈静化を図ろうとした。しかし暴動はやまず、市庁舎や警察はさらに攻撃され、車は次々と燃やされ破壊されていった。こうした中で政府は一方で、外省人である四川人への激しい排外主義宣伝を行い、広州人と四川人の労働者の分裂を図ることを策動した。そしてついに13日の夜、軍隊が現地に投入されたのである。
 この事態の背景にあるものは何か? それは何よりも、出稼ぎ労働者(農民工)をはじめとする広州の労働者の徹底した政府と権力への怒りである。事件の舞台となった広州市は広東省の省都であり、香港と直結しており、中国革命以前より経済先進地帯であり、労働者の街であった。1925年の英帝国主義など列強を震撼させた一年間にわたる香港大ストライキは、広州の労働者・学生の闘いと一体であった。また広州は1978年から始まる「改革・開放」政策政策の先進地帯であり、資本との関係でも政府権力との関係でも、階級的な矛盾が最も激しく吹き出す地域なのである。今回の事件が出稼ぎ労働者を先頭にした大暴動へと一挙に発展していった背景には、こうした日常的な政府と資本への労働者の積もりに積もった怒りがある。
 さらに中国では今、軍や警察以外に、民間で組織された治安保安員、さらに地方政府が直接統括する城管といわれる公務員など、数種類の治安体制が敷かれている。彼らは平気で殴る蹴るの暴行を振るい、しかもそれは「公務」だとして多くの場合何の処分もない。一方で腐敗を極め、権力をたてに公然と弱者から賄賂をとっている。今回の暴動は、こうした天安門事件以来の中国の大弾圧体制全体に対する労働者人民の怒りの大爆発である。そして軍隊の投入という事態にまで発展し、現在、警察・軍隊と労働者との全面的な大激突に発展しているのだ。
 7月1日は中国共産党創立90周年大会が予定されており、それを前に中国スターリン主義は治安政策に全力をあげているが、起きている事態は逆に治安の総破綻状態である。4月20日から上海でのコンテナトラック労働者の大規模ストライキが闘いとられ、中国経済そのものが大打撃を受けている。独立労組の結成も宣言されている。さらに5月25日からは内モンゴルで学生を先頭にした大デモが爆発し、内モンゴル自治区は戒厳体制に置かれている。6月6日にはやはり広東省で農民工の暴動が発生。6月9日には湖北省で2万人ともいわれる暴動が起きている。そして今回の広州市の事態である。さらに5月26日には江西省で政府機関3カ所への爆破事件、6月9日には湖南省で警察署、河南省で市政府と2カ所で爆破事件が発生。10日には天津市の市政府で爆破事件が起きている。こうした状況は、まさに末期的としか言いようがない。
 今や中国は、中国革命以来の大激動過程に入ったと言って過言ではない。まさに天安門事件以来の労働者人民と中国スターリン主義体制との大激突が始まっているのである。国鉄決戦、反原発、8月反戦反核闘争の爆発をかちとる中で、日本と中国の労働者階級の連帯をかちとり、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命へと突き進んでいこう!(G) 

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