ポルトガルでもついに歴史的なゼネストが爆発
世界大恐慌・欧州危機はついにポルトガル労働者の怒りにも火を付けた。11月24日、大規模行動は珍しいポルトガルで、ついに歴史に残る最大級の24時間ゼネストが打ちぬかれた。参加者は数十万とも数百万とも報道され(ポルトガルの人口は約1000万人)、政府すらも4万人以上の国家公務員が参加したと認めている。航空、鉄道、地下鉄、バス、フェリーなどの公共交通はほとんどが止まり、学校や病院もストライキ、市役所や郵便局なども多くが業務をストップし、リスボン周辺の道路は大渋滞になった。ストに決起した労働者は「GREVE GERAL(ゼネスト)」と大書きした赤い統一のゼッケンを付けて全国各地で自らの職場にピケットを張った(写真)。
首都リスボンでは数千人が国会議事堂を包囲した(写真左)。「GREVE GERAL」というスローガンをポルトガル労働者は、ついにやるぞという特別な思いを込めて、街中に張りめぐらした。
ポルトガルは今年5月に救済を要請して以来、ギリシャとアイルランドに続いてEUで三番目の救済国になっている。6月に政権についたペドロ・パソス・コエリョ首相は、780億ユーロの緊急融資を得るためにさらなる緊縮予算案を来週の国会で成立させようとしている。そこでは公務員のさらなる賃金カットや年金カット、民間も労働法制改悪による30分の無償の労働時間延長、医療・教育もカットし、おまけに大増税が掲げられた。失業率はすでに13%を超えており、政府方針はポルトガル労働者の許容範囲を完全に超えてしまった。このすさまじい政府案は、一定の犠牲は仕方がないと思っていた労働者をもストライキに決起させたのだ。
ストに決起した地下鉄の女性労働者は「私たちはすでに20%の賃下げ、何も買えない。沈没しそうだ」と語り、機械工の労働者は「わたしは81年から社会保障費を払ってきた。冬のボーナスもカットされてもなお払い続けろというのか?」と不満をぶちまけ、電気技術者は「銀行こそ責任をとるべきだ。俺の最大の関心は彼らがどう責任をとるのかだ」と階級的な怒りを爆発させた。
すさまじい経済危機の中で、ヨーロッパでは比較的穏健だと思われてきたポルトガルの労働者がゼネストに決起したことは、ヨーロッパの労働者階級に勇気を与え、資本家どもを青ざめさせている。評論家ですらポルトガルの抗議行動はさらに大きくなるだろうと言っている。重要なことは、このゼネストに火を付けたのが11月8日のリスボンとポルトでの、公務員と兵士と交通労働者のストライキであるということである。
さらにヨーロッパでは、11月30日にイギリス、12月1日にはギリシャで、大規模なゼネストが予定されている。資本主義の危機と革命情勢はますます激化している。
革命はやってくるものではなくたぐり寄せるものである。世界の労働者の決起と連帯し、日本でも闘って闘って闘おう!(SG)
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