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中国で国有企業労働者の抗議行動相次ぐ

 金融恐慌の波及は中国において、今や輸出型の私営中小企業から大型国有企業に及び、労働者が次々と怒りの抗議行動に立ち上がっている。4月27日からは、河南省の安陽市の安彩ハイエク会社(国有)で、3日間続けて道路封鎖による抗議闘争が行われている(写真)。軍を除籍されてこの会社に配属された労働者が、長年にわたり臨時工扱いを受けたままでいることに怒りを爆発させ、賃金の差額を支払えという抗議の闘争を行っているものである。

 これに先立ち、4月13日には江蘇省徐州市で、中国石炭発電集団(国有)の大屯石炭火力発電所で2000名余の労働者が賃金引上げを要求し、会社の事務ビルを包囲して抗議の請願行動を行った。4月16日には陝西省で、去年7月に破産した国営紅旗セメント工場のリストラ労働者約400人が、移動配置費の未払いに抗議して省政府門前で請願抗議行動を行った。17日には陝西省西安市の西安農業機械工場(国有)の労働者が、企業の合併(併呑)案に抗議して道路封鎖の抗議行動を行った。
 4月22日からは新疆ウィグル自治区で、中国石油集団(国有)のカラマイ石油天然ガス会社の2万人の大リストラ攻撃に対し、リストラされた数百人の労働者が新疆石油管理局門前で抗議行動を連日行っている。労働者たちはリストラだけでなく、再雇用されても給料は下げられ、労働がきつくなって過労死になりかねないことにも抗議している。新疆ではまた、宝山鋼鉄(国有)の新疆八一鋼鉄会社で、ウィグル族労働者300人を含む1000人の労働者が、労働契約法直前に正規工から派遣工に身分を勝手に切り替えられ、会社が作った派遣会社に登録換えされ、賃金や福利面での権利が侵害されたことに対する粘り強い闘争と裁判が続いていることも報じられている。
 金融恐慌の影響が中国の生産の基幹部分をなす国有企業にも及び、生活の苦しさが強まっている中で、ここに来て、低賃金問題、さらにもう一段のリストラへの踏み込み、リストラ労働者への補償金の未払い、労働契約法回避のための非正規雇用化などに対する労働者の怒りが噴き上がってきているのだ。それにしても、企業が労働者に犠牲を転嫁する手口はスターリン主義支配の下でも、資本主義のあり方とほとんど変わらないことに気づく。中国の労働者階級の苦闘は世界の労働者階級の苦闘と同質であることを改めて確認できる。中国スターリン主義の景気刺激策は企業救済=労働者・農民への犠牲の集中を本質とするものであり、就業問題の危機の強まりとあいまって、中国の階級関係の激化が進む情勢が進行しているのである。(TN)
 写真は河南安彩ハイテク会社で抗議行動に立ち上がった労働者たち

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