「生きさせろ! 化学工場建設反対!」寧波で数千人の暴動
中国・浙江省寧波市鎮海区にある寧波石化経済技術開発区に、韓国SK総合化学株式会社のゴム工場が建設されようとしていることに対して、10月26日、数千人の暴動が爆発し(写真)、武装警官と激しく激突している。この寧波石化経済技術開発区にはすでに多くの化学工場が乱立している。この地域の住民の死因の33・8%がガンであり、このガンによる死者の割合は全国平均を大きく上回り、化学工場が出す有害物質が原因ではないかと指摘されている。今回作られようとしているゴム工場は、有害物質のパラキシンを発生し、環境汚染による労働者住民への健康被害がいっそう深刻になろうとしている。また海に垂れ流される有害物質は、海を汚染して漁民の生業を破壊し、その命を脅かす。
「このままでは生きられない!」。寧波市鎮海区の労働者、漁民住民など数千人は、この工場建設を止めようと22日から連日のデモに立ち上がった。その横断幕には「私たちは生きていかなければならない、命をつながなければならない」と書かれている(写真)。
この連日のデモに対して、寧波政府は街に厳戒態勢を敷き、徹底的な弾圧を加えてきた。ついに26日にデモ隊と武装警官は全面激突し、大暴動へと発展した。あちこちで警察隊が撃破され、警察車両は次々と破壊された。深夜22時15分にデモ隊はとうとう鎮海交通警察大隊の大門を押し倒し、中に突入した。一方警察隊は労働者住民に対して催涙弾を発射し、激しい激突が続いている。現在この事件はネット規制が敷かれており、さらにこの地域との電話も不通になっているといわれている。
海南省三亜市楽東黎族自治県鶯歌海鎮での火力発電所建設に反対する暴動が21日に爆発しているが、それと一体で今回寧波市で化学工場建設反対の暴動が起きている。中国経済は今、欧州危機や対日関係の激化から経済危機を一挙に深め、バブル崩壊に一挙に突入しようとしている。中国スターリン主義と資本はこの危機の中で、逆に乱開発をさらに進め、バブルを再燃させることで経済にテコ入れし、この危機をなんとか乗り切ろうとしているのである。しかしその結果引き起こされる環境破壊は、労働者や農民・漁民など住民の命と健康を奪おうとしている。こうした意味でも労働者は、生きられなくなっているのだ。その怒りが各地で連続的に爆発し、政府と資本の支配と開発に真っ向から対決し、全国で次々と決起している。それはまさにフクシマの生きるための闘いと同じである。
中国スターリン主義は、11月8日から中国共産党第18回全国代表大会を開催し、新たな習近平体制を確立し、体制の延命をはかろうとしている。だが、これらの暴動は、労働者の全国でのストライキと一体で、この大会と中国スターリン主義の支配そのものを激しく揺るがしているのである。反日デモの過程をも通して、中国では労働者階級の階級的覚醒が進み、階級情勢は新たな大激動過程に突入している。「非正規職撤廃・原発再稼動阻止」のスローガンを高々と掲げて、中国の労働者との連帯をかけて11月労働者集会の成功をかちとろう!(G)
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