第3誘導路裁判、弁護団が国・NAAの恥知らずな主張を粉砕
11月29日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟が国と成田空港会社(NAA)を相手取り、暫定滑走路の第3誘導路の違法を暴き、許可処分取り消し、工事中止などを求める裁判だ。
被告の国・NAAは恥知らずにも、「第3誘導路をつくっても騒音・振動は大して増えないし、健康や生活環境に影響は出ない。だから市東さんや反対同盟に原告適格はない」と主張している。そして200億円もの巨費を投じて、第3誘導路建設工事を現に進めている。絶対に許してはならない。
反対同盟顧問弁護団は、国とNAAの主張をすみずみまで徹底的に粉砕する書面を提出し陳述した。
騒音・振動などの被害は「大して増えない」どころか、その被害拡大によって市東さんを天神峰から追い出そうとする攻撃そのものだ。しかも市東さん宅付近での騒音調査をやらずにそんなことを言う傲慢さ。そして暫定滑走路は、着陸帯が国際標準である300メートルの半分しかなく、国際民間航空条約(シカゴ条約)に違反している。国は「条約に従う義務はない」と居直っている! また、誘導路と滑走路の間の最小離隔距離が182メートル必要なのに、への字誘導路部分では120メートルしかないという、明白な航空法違反を犯している。このように違法・脱法と地域住民の生活破壊を繰り返す欠陥空港の現実が明らかにされ、傍聴席を埋めた労働者、支援者の怒りを一層かきたてた。国とNAAはただちに工事を中止せよ!
次回期日は2月7日として閉廷後、近くの会場で報告会が開かれた。
鈴木謙太郎さんの司会で、冒頭に北原鉱治事務局長があいさつした。「5月20日の東京高裁での50人不当逮捕に明らかなように、法を守るべき国家の側が法を破っている。この現実は彼らがいかに追いつめられているかを表している。46年間の闘いを振り返って今はっきりと言える。成田空港建設は根本から間違っていた! 一人ひとりが立ち上がって、今の間違った政治を根本から変えなくてはならない。TPPは日本の農業を破壊するものだ。日本の未来のために闘おう」。この渾身の訴えに参加者全員が惜しみない拍手を送った。
続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が、第3誘導路工事強行を怒りを込めて弾劾し、国とNAAを裁判で徹底的に追及し、現地闘争と一体で闘うことを明らかにした。そして、12月6日に開かれる市東さん農地裁判(行政訴訟と農地法裁判を併合)の傍聴へ全力結集するよう、弁護団と鈴木謙太郎さんから呼びかけられた。
同じ多見谷裁判長のもとで開かれているこの農地裁判は、大きな山場を迎えている。解約許可決定にかかわる千葉県の事実誤認、そしてNAAによる証拠文書の偽造問題である。決定的事実を前に千葉県とNAAは逃走を謀り、裁判所は弁論の打ち切りと人証制限で年内結審へと動き出した。反対同盟、弁護団、傍聴席の労働者人民の一体となった総反撃でいったんこれを押し返したが、12・6の法廷は、この真相追及と弁護団が申請した24人の証人の採否をめぐり、再び白熱の闘争の場になるのだ。反対同盟の呼びかけに応え、全力で結集して傍聴席を埋め、裁判所を包囲し、千葉地裁の早期結審策動を粉砕しよう。
農地強奪を絶対に許すな! 市東さんの農地を守りぬこう! 原発再稼働とTPPを推進する野田政権に怒りを燃やし、立ち上がろう。(TN)
★市東さん農地裁判
12月6日(火)午前10時30分開廷 千葉地裁/傍聴券抽選のため1時間前に集合を
この記事へのコメントはありません。