市東さん耕作権裁判、署名の偽造に追いつめられるNAA
1月23日、市東孝雄さんの耕作権裁判の弁論が千葉地裁民事第2部(白石史子裁判長)で開かれた。市東さんを始め三里塚芝山連合空港反対同盟、顧問弁護団、そして支援・傍聴の労働者・農民・学生・市民が「農地死守」の決意で法廷を満たし闘った。
この裁判では、市東さんが耕作している土地の一部を「不法耕作」と決めつけて、成田空港会社(NAA)が明け渡しを求めている。だが行政訴訟・農地法裁判とともにこの裁判でも、NAAの主張のデタラメと違法性が大問題だ。そしてついに「同意書」「確認書」に書かれた市東東市さん(孝雄さんの父・故人)の署名が偽造されたものであるという決定的事実が筆跡鑑定の結果明らかになったのだ。
弁護団は鑑定書を提出し、NAAを追及した。「空港公団(NAAの前身)は事業認定の期限切れに迫られ、市東さんの署名の偽造にまで走った。こんな偽造文書で土地の明け渡しを求めることはできない。訴訟は棄却されなければならない」。また当時の用地交渉に関する報告書などの記録を洗いざらい提出するよう重ねて強く求めた。
これに対しNAAは、公団と旧地主との「覚書」なる文書を証拠提出した(一部墨塗り抹消した不鮮明なコピー)。また次回までに独自の筆跡鑑定を提出し、署名が当人のものであることを明らかにするという。弁護団はこれらに一層容赦ない反撃を加えて真実を明らかにする姿勢を表した。次回期日は4月9日(月)。
閉廷後に近くの会場で報告集会が開かれた。司会は伊藤信晴さん。
最初に市東さんが立ち、「争点がかなり煮詰まってきました。弁護士さんと傍聴のみなさんの力をお借りして、訴訟を却下に追い込むような闘いをこの1年やりたいと思います」と鮮明な決意を述べた。
続いて葉山岳夫弁護士を先頭に弁護団が、法廷の解説とNAAを追いつめた手応えを語った。さらに市東さんの農地取り上げに反対する会、動労千葉、関実が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは急逝した鈴木謙太郎さんへの追悼の言葉を述べ、反原発闘争での労働者・農民・漁民の結束した闘いを訴えた。
土地特定の唯一の根拠が偽造によって出されていたことに、参加者全員があらためて怒りをかき立てられた。そしてあわよくばだんまりを決め込んだまま土地を奪い取ろうとしていたNAAが、あせりにかられて具体的に「反論」せざるをえないところにとうとう引きずり出されてきたのだ。一層厳しい追及を加え、違法、不法がどちらの側かを徹底的にはっきりさせよう。裁判闘争と一体で現地攻防を闘いぬこう。3・25三里塚全国総決起集会へ大結集を!(TN)
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