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2023年三里塚団結旗開きを市東さんの畑で盛大に開く

三里塚反対同盟の2023年団結旗開きに集まった人々の前で、市東孝雄さんが、「この農地を守り続ける」と穏やかな口調で決意を述べた(1月8日 成田市天神峰)

昨年末の「4日間決戦」に勝利した三里塚芝山連合空港反対同盟は1月8日、決戦の地、天神峰で2023年の団結旗開きを意気高く盛大に開催した。全国から200人の労働者、農民、学生、市民が集まり、57年の不屈の闘いを誇る反対同盟とともに、今年も市東孝雄さんの農地を絶対に守り切ることを誓い合った。
旗開きに先立ち、反対同盟は東峰神社のしめ縄の付け替えを行った。
頭上40メートルをジェット機が轟音を立ててひんぱんに通過する中、手際よく作業を終えた上、市東さんの南台の耕作地に移動。雲一つない晴天のもとに、それぞれの旗・のぼりを立てて集まった人々が新年のあいさつを交わし合う。

反対同盟が東峰神社のしめ縄の付け替えを行い、闘いの2023年の幕を開いた。頭上ではひんぱんにジェット機が騒音を立てて飛ぶ

「市東さんの農地を守り抜くぞ!」「強制執行実力阻止!」。太郎良陽一決戦本部長のリードでのシュプレヒコールを上げて、直ちに新年初の敷地内デモに出発した。
大量に動員された警察機動隊の規制をはねのけ、この日の市東さんの天神峰耕作地までのデモを貫徹した。
旗開き会場は初の試みとして、旧小見川県道に面した畑の南部分にシートを敷いて整えられていた。午前から反対同盟と支援連絡会議、全学連現地行動隊などが用意したこの会場の開放的壮観に、参加者は例外なく目を見張った。とにかく空が広い!

最初に事務局員の伊藤信晴さんがマイクを握り、「農地強奪の強制執行攻撃に対し、1カ月の決戦を構え、『円滑かつ確実に強制執行を行う』とのNAA田村社長の宣言を粉砕した。だが岸田政権の戦争政策の急激な攻撃は、否応なく市東さんに襲いかかる。世の中を変えるような闘いが必要だ」と呼びかけた。続いて婦人行動隊の木内敦子さんが、「2022年強制執行を阻止して農地を守り、全国の連帯が強まり、豊かな闘いとなった。23年もともに闘います」と述べて、前半の司会を務めた。

反対同盟を先頭に、南台農地から新年初の敷地内デモに出発

最初に東峰の萩原富夫さんが登壇し、反対同盟の「闘争宣言2023」を朗読。4日間決戦の勝利を確認し、「この態勢を永続的に維持・発展させ、強制執行攻撃を粉砕しよう」と呼びかけた。そして岸田政権の戦争攻撃と連動して成田の機能強化、「新しい成田空港」構想が進められようとしていることを弾劾した。反戦・反基地闘争、反原発闘争、農業破壊・環境破壊との闘いを訴え、岸田政権打倒を呼びかけた。
マスコミも注目する中、市東孝雄さんがマイクを握った。「皆さんの団結の力でこの畑で旗開きができることを、うれしく思っております。いつ強制執行攻撃が来るかわかりませんが、こちらは『来るなら来い』という気持ちで皆さんとともに闘いたい。私がここに帰ってきて20年たちました。父の追悼集会の壇上で、『闘魂ますます盛んなりの言葉を大事にして闘う』と誓いました。今あらためて、皆さんの団結の力、労働運動、学生運動の力を借りて、一日でも長くこの農地を守り続けるという覚悟です。沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとしてこれからも闘います。そして私自身の農地を守ることが私の命であるということを常に頭におきながら、この1年を皆さんと明るく楽しく闘っていきたいと思います」と述べて、力強く乾杯の音頭を取った。

初の試みとして市東さんの天神峰農地に整えられた旗開き会場。雲一つない晴天で、焼きそば、白菜汁を味わいながら参加者の歓談も弾む

この市東さんの23年の決意に応え、発言が続いた。最初に動労千葉の関道利委員長が、前日の旗開きで自ら三里塚決戦を呼びかけたことを報告した。そして、70~80年代のジェット燃料貨車輸送阻止闘争と同じ質の労農連帯を貫いて、岸田の戦争と農地取り上げ攻撃に立ち向かうことを約束した。
関西実行委に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋執行委員は、裁判闘争、反弾圧闘争、元旦の大阪府警に対する抗議行動を報告し、三里塚と連帯して春闘に勝利する決意を表した。
反対同盟顧問弁護団が並び発言した。事務局長の葉山岳夫弁護士は、「強制執行は中国侵略戦争の前哨戦。農民の命である農地を奪うことは過酷執行であり違法だ。確定判決といえども内容に違法があれば、判決そのものが違法とする学説・判例が出てきている」と説明し、実力闘争と連帯して強制執行を止める決意を表した。
群馬・市東さんの農地を守る会は、職場で闘う群馬合同労組の組合員が三里塚から勇気を得ていることを強調した。
市東さんの農地取り上げに反対する会に続き、全国農民会議共同代表の小川浩さんは、「市東さんの命は全国農民の命でもある」と述べ、大規模農家ほど経営危機に陥っている実態を報告し、労働者と農民の連帯の死活性を強調した。
芝山町で空港の騒音被害と闘う住民は、「市東さんの畑を奪ってまで広げる空港はいりません!」と力強く叫んだ。
さらに婦人民主クラブ全国協議会、2期目を目指して奮闘中の杉並区議会議員の洞口朋子さん、全国水平同盟、3・11反原発福島行動実行委員会、星野全国再審連絡会議、大坂正明さん救援会、関西新空港絶対反対泉州住民の会代表の中川育子さんなどが次々と発言に立ち、農地を守る闘いと結んでそれぞれの現場で勝利する決意を表した。

年末4日間決戦の勝利を引き継ぎ、強制執行実力阻止・農地死守を反戦闘争として闘い抜く決意を、全学連の赤嶺知晃委員長が表明した

白ヘルメット姿の全学連が並び、代表して赤嶺知晃委員長が決意表明を行った。昨年の強制執行を粉砕した勝利を確認した上、学生一人ひとりが三里塚闘争の正義性に確信を深めて現地に結集したことを報告した。そして、岸田政権による安保3文書の閣議決定などの中国との戦争へ向けた攻撃に対し、街頭・学園を貫く反戦闘争を実力で展開し、市東さんの農地を守り抜くことを誓った。
発言の間に、関西から駆けつけた「浪花のパギやん」こと趙博さん、12月の団結芋煮会にも登場したユニット「いなのとひら・のとこば」がそれぞれ、反権力の気骨に満ちた曲を披露し、会場を大いに沸かせた。
「警備」にあたる千葉県警は、旧県道をはさむ向かい側のNAA所有地で所在なく佇み、「強制執行対象地」での盛り上がりを見ていることしかできない。
旗開きも大詰めを迎え、反対同盟が前に並ぶ中、太郎良さんが「強制執行と実力で闘う決戦陣形が、この年末の闘いでできた。だがもっともっと増やしたい!」と熱烈に呼びかけ、毎月の天神峰への連続した結集を呼びかけた。当面するスケジュールとして、1月15日(日)天神峰カフェ、1月22日(日)空港周辺一斉行動、2月5日(日)天神峰現地闘争、3月26日(日)芝山町での集会(予定)を確認し、団結ガンバローを三唱。
最後に全員で反対同盟の歌を熱唱し、「誇りも高き農地死守」の歌声が天神峰の空に響きわたった。(TN)

スケジュール

◎天神峰カフェ 1月15日(日)正午 市東さん宅離れ集合

◎空港周辺一斉行動 1月22日(日)午前8時30分 市東さん宅離れ集合

◎2・5天神峰現地闘争 2月5日(日)午後1時 市東さん宅中庭集合 集会後、空港へ向けてデモ

◎空港拡張差し止め裁判(旧称、第3誘導路裁判)3月3日(金)午前10時30分開廷 千葉地裁

◎3月26日(日)芝山町での集会(予定)

締めくくりに「反対同盟の歌」を熱唱。市東さん自身がマイクを握り、会場全体が「農地死守」で一体に

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