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三里塚耕作権裁判―9・30最終弁論へ!

千葉地裁に向け反対同盟を先頭に力強くデモ(7月8日 千葉市)

千葉地裁民事第2部(齊藤顕裁判長)で7月8日、天神峰・市東孝雄さんの南台農地をめぐる耕作権裁判が開かれた。開廷に先立ち三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで、千葉市中央公園において太郎良陽一さんの司会で決起集会が開かれた。
最初に東峰の萩原富夫さんが発言に立った。前日の農楽まつりへの成功を確認した上で、現在進められようとしている「新しい成田空港」構想に強い怒りをたたきつけた。「4~5年前に出された空港機能強化策の上にまた、自然を破壊し、騒音をまき散らし、住民を犠牲にして、空港としての生き残りをかけて飛行機を年間50万回飛ばすのだという。この暑さを見てください! 地球温暖化を止めるにはCO2排出を削減し飛行機の発着を半減させる、それが世界的な基準じゃないか。こんなやり方に反対しなければ、私たちは生きていけない。そしてこの「新しい成田」構想で、成田を本物の軍事空港へと造り変えようとしている。絶対に許せない。空港廃港まで闘い抜く」
これを受けて動労千葉の中村仁副委員長が連帯発言に立ち、反対同盟とともに「戦争絶対反対」で闘って成田を廃港に追い込む決意を表した。さらに関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会の発言を受け、意気高くシュプレヒコールを上げて、千葉地裁へ向けて市内デモに出発した。
婦人行動隊の宮本麻子さんが宣伝カーから大音量で、NAAの農地強奪攻撃を打ち破って耕作権裁判に勝利する反対同盟の意気込みを訴えた。沿道からデモに拍手を送る人も現れた。
デモの勢いのまま、地裁法廷の60席を超える傍聴席をほぼ埋めて、開廷した。

市東さんの南台農地の関係土地図。市東家のもともとの賃借地はAとB。だがNAAは「E1とBが市東家のもともとの耕作地」との立場を強引に取り続け、破綻している。CとDは時効取得が成立し、現在市東さんはABCDを一体で耕し続けている

原告の成田空港会社(NAA)は、求釈明に応じる形で6月28日付の準備書面5通を提出した。しかしその内容は、書いた者の法律家としての資格が疑われるほどに、根拠のない憶測や決めつけだらけの最低最悪のものだ。
NAAは市東さんに対し、「NAAの土地を不法耕作している」として明け渡しを求めておきながら、その肝心の土地の位置特定が致命的に誤っている。
NAAは孝雄さんの父、市東東市さん(故人)が旧地主・藤﨑との間で交わしたとする「同意書」「境界確認書」を唯一の証拠としてきたが、これら二文書こそ出所不明の偽造文書であり、添付された図面がNAAの主張の誤りの発生源である。これが18年をかけて裁判を続けて出された結論だ。そして、反対同盟法対部だった元永修二さんによって書かれた、東市さんからの詳しい聞き取りをもとにした報告書(元永メモ)が、NAA側の主張を根本から崩壊させる決定打となった。
今回出されたNAAの準備書面は、それでも同意書、確認書にしがみつくしかない彼らの最後の悪あがきだ。その悪あがきの象徴が、この期に及んで「市東東市は旧地主藤﨑から同意書を預かって、元永に相談した。相談の結果、東市は署名した」という驚くべき珍説を出してきたことだ。
憶測を積み重ね、自らの脳内でキャラクターをつごうよく動かしてできたストーリーであり、現実世界では百パーセントありえない。もちろんなんの証拠もない。実際この法廷で「こんな文書に東市さんが署名するはずがない」と誠実に証言した元永氏をつかまえて、よくもこんな恥知らずなねつ造物語を思いついたものだ。
これらのNAAの準備書面が、今回「陳述」扱いとなった。NAAは口頭陳述はしないから、そうした内容は傍聴者には伝わらないまま手続きが淡々と進み、齊藤裁判長は次回期日として9月30日(午後1時45分開廷)を確認して閉廷した。

天神峰で農業を続ける市東さんの決意は揺るがず

千葉県弁護士会館で伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。最初に市東さんがあいさつに立った。「今日はNAA側の反論がちょっとでも聞けるかと思ったが、あっという間に終わってしまった。結審が近づき次回は最終弁論となりますが、弁護士の先生方とともに、私も一生懸命がんばります」
続いて反対同盟顧問弁護団がそれぞれ発言し、NAAのでたらめな主張をいくつかを紹介した。そして次回9月30日の最終弁論で、こうしたでたらめ一切を完膚なきまでに粉砕することを約束した。
会場からは「手続きが淡々と進められた」ことに対し、「退廷命令が乱発されてもNAAを徹底弾劾するくらいの闘いが必要だったのでは」などの意見が出され、その積極的姿勢を全体で共有した。
ちば合同労働組合の綿貫透さんが連帯発言に立ち、来年に幕張メッセで開かれる国際武器見本市(イスラエルから15社の武器製造メーカーが参加)を中止に追い込むべく今から取り組みを進める決意を表明した。

閉廷後に開かれた裁判報告会(7月8日 千葉県弁護士会館)

全学連の吉田耕君は、「三里塚実力闘争への共感が全学連の新たな仲間を作り出しています。沖縄、広島、三里塚の闘いで戦争情勢を打ち破ろう」と発言し大きな拍手を浴びた。
最後に萩原さんがまとめのあいさつに立ち、空港周辺住民の騒音激化への怒りを共有して立ち上がることを訴えた。そして7・16団結街道裁判(萩原さん証言)、9・13空港拡張差し止め裁判、9・30耕作権裁判(最終弁論)、10・13三里塚全国集会のスケジュールを確認し、一同の奮起を促した。(TN)

スケジュール
◎団結街道裁判 7月16日(火)午後1時30分開廷 萩原富夫さんの本人尋問 千葉地裁

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