団結街道廃止処分取り消し訴訟の第1回弁論開く
11月16日、千葉地裁民事3部で団結街道廃止処分取り消し訴訟の第1回弁論が開かれた。市東孝雄さんをはじめ反対同盟17人が原告となって、道路の廃止処分の取り消しと、道をふさいでいる障害物を撤去し通行させることを市と空港会社(NAA)に求める裁判だ。労働者・学生・市民が団結街道封鎖への怒りを新たに傍聴に駆けつけ、ともに闘った。
開廷後直ちに市東さんが原告席で立ち、意見表明を行った。「道を元に戻せ。一日に150台もの車が通っていた道をなぜ廃止にできるのか。しかも夜中の3時にこそこそと工事をした。住民を守るべき市がNAAと一体でこんな暴挙に手を染めた。とんでもないことだ。
うちから500メートル行けば畑にたどり着いたが、今は不自由な迂回を強いられている。そこに座っている代理人たちは自分が何をやっているか自覚しろ!」。市東さんの怒りが法廷を圧倒した。
続いて葉山岳夫弁護士を先頭に弁護団が次々と立って、現に営農と生活に使用されている道を一方的な決定で封鎖・廃止するとはまったくの違法であることを全面的に明らかにした。被告席は前列に成田市の、後列にNAAの代理人弁護士が座り、自治体が空港の手先として住民生活の破壊に率先して乗り出した構図をあからさまに示した。
ここで、市が訴えの却下を求めていることについて、弁護団がその内容を被告席の代理人に問うと「原告適格を争う」と答え、さらに「それは全員についてか」との問いには「全員だ」と答えた。市東孝雄さんをはじめ反対同盟に「原告適格がない」とは! この暴言に傍聴者の怒りが爆発し、徹底弾劾がたたきつけられ、法廷は騒然となった。
次回期日を来年3月1日、次々回期日を4月19日と決めて閉廷。
記者会見と総括集会が近くのビジネス支援センターで開かれた。最初に北原鉱治事務局長が「昨今の世情は65年前の戦争の時代を想起させる。有事の際に成田は米軍によって軍事使用される。三里塚のの闘いは日本の将来を決する」と反戦の決意を表した。続いて市東孝雄さんが立ち「“やってやろうじゃないか”という気持ちがまた湧いてきました。原告適格がないなどと平気でいうとは、まるっきり住民無視でふざけている。闘いましょう!」と呼びかけ、拍手と歓声を浴びた。葉山弁護士は「空港から上がる何十億という固定資産税を受け取る関係の中で、成田市はついに住民に対して襲いかかった」と述べ、道の廃止の違法性を強調し、続いて弁護団全員が発言し徹底追及の姿勢を示した。
記者との質疑応答の後、萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち「団結街道は便宜上市道という形であっても、天神峰の人たち自身がつくり日常的に管理してきた道だ。それを廃止するとは市東さん、また東峰部落の者を市民と認めず、たたき出すということであり言語道断だ! 第3誘導路という空港の無節操な拡大を許さない」と一同の決起を促した。司会の鈴木謙太郎さんが、「われわれに原告適格がないなどという向こうの言い分をじっくり聞いて粉砕してやりましょう」と呼びかけ、参加者の闘志を高めた。
11月18日の鈴木さん一坪裁判、26日の市東さんの農地裁判と、連続する三里塚裁判闘争へ反対同盟とともに立ち上がろう。(TN)
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