動労水戸が被曝労働強制と外注化に怒りのストたたきつける!
動労水戸は3月23日、JR東日本による被曝労働強制と検修業務全面外注化に反対して春闘ストライキに立ち上がった。全勤務者が終日、ストに入った。
「危険な被曝労働を強制するな! ただちにやめろ!」。この日の闘いは青年労働者への許しがたい被曝労働強制に対する抗議行動から始まった。午前9時30分、いわき運輸区庁舎前に結集した組合員と支援は、怒りを込めてシュプレヒコールをくり返した。
マイクをとった石井真一委員長は、この間、いわき運輸区で起きた事態を参加者に報告し、門前に居並ぶ管理者たちを激しく弾劾した。今年2月、いわき運輸区で働く女性車掌Aさんが、常磐線広野駅までを往復する1回の乗務で積算15マイクロシーベルトもの被爆をしたことが明らかになったのだ。
Aさんは運輸区の区長に「将来、子どもを産むのにすごく不安です。広野に行く行路には乗りたくない」と訴えた。しかし区長は「Aさんだけ特別扱いできない。わがままは通らない」と一蹴したというのだ。“放射線被曝に不安の声をあげる者のほうがおかしい”と言わんばかりだ。Aさんは思わず「みんな不安に思ってます!」と声をあげたという。JR水戸支社は、動労水戸を先頭とする現場からの追及に押されて積算線量計を乗務員に持たせるようになったが、浴びた線量の個人管理もしない。今後どれだけ被曝するかの試算もしない。まさにアリバイ的に持たせているだけだ。本当に許せない。
続いて発言に立った辻川慎一副委員長も「JRは『国が安全と言っているから…』などと言っているが、国が安全だと言って安全だった試しがあるのか! あなた方は職場の先輩として未来ある若い人たちにどう責任をとるのか」と、すごい迫力で管理者たちに迫り「被曝労働強制をやめさせるまで徹底的に闘うぞ」と突きつけた。組合員の訴えに、地域の住民も圧倒的に注目し、涙しながら聞き入る女性もいた。
昼食をはさみ、昨年9月に提訴した損害賠償請求訴訟の第2回口頭弁論に全員が臨んだ。運転士不登用事件をめぐる最高裁勝利判決の完全履行と、分割・民営化以来の昇進差別・賃金差別による損害の賠償を求める裁判だ。
JR東日本の準備書面に対し、原告組合側が反論の準備書面を提出した。また、求釈明を妨害した裁判長に組合側代理人が抗議をすると、あわてた裁判長がいきなり「退廷させますよ」と高圧的訴訟指揮を行う一幕もあった。会社寄りの姿勢をあらわにする裁判長に対し、代理人弁護士は徹底追及を行い完全に圧倒した。
裁判終了後、水戸市内で総決起集会が開かれた。石井委員長が基調報告を行い、検修全面外注化4・1実施阻止の大きさを総括するとともに「会社はあきらめておらず予断を許さない。組織拡大こそ検修外注化を止める力だ」と闘いの方向性を示した。また、JR東日本による組合差別・不当労働行為を根絶する闘い、郡山総合車両センターや水郡線営業所の労働者とのつながりを強めて被曝労働拒否の闘いを強化・拡大していくことなど当面する方針を提起した。
討論では、平支部を拠点にした新たな闘いや、組織拡大に向けて組合員から意欲的な発言が続いた。早朝から行動をともにした全学連の斎藤郁真委員長、動労千葉の中村仁執行委員、県内の常南交通労組などから連帯あいさつを行った。最後に辻川副委員長が「カッコつけるだけの労働運動なんか通用しない時代だ。やるからには真剣勝負でやる。労働組合としてやるべきことをきっちりやることこそ組織拡大の土台だ」と訴え集会をまとめた。
動労水戸は“職場の仲間とりわけ青年の未来を守るのはわれわれだ”という気概に燃えてストに決起した。そして、本当に職場に責任を取りきるためにも本格的な組織強化・拡大闘争に立つことをがっちり意思統一した。(O)
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