裁判員制度も原発も廃止へ! 弁護士会館で集会
「裁判員制度はいらない!大運動」の主催で、「終わりへ!裁判員制度と原発・最高裁」を掲げた集会が3月30日、弁護士会館で開かれ、270人の労働者・市民が集まった。集会は、破綻しきっている裁判員制度を必ず廃止に追い込むことができるという確信を全参加者に与えた。
集会の第一部は、大運動呼びかけ人の一人の高山俊吉弁護士が、インタビュアーの質問に答える形で進んだ。「3・11以降、裁判員制度の意味も変わったのでは」という質問に答えて、高山弁護士は次のように強調した。
「国民が国を信用せず、権威を認めなくなったことが決定的だ。裁判員制度と原発は深くつながっている。ほとんどの国民から嫌われているのに、支配階級はこれらをやめようとしない。政治・経済の危機を裁判員制度や原発で突破しようとしているからだ」
また、この間の最高裁の動きについて、震災直後に東北各県で裁判員裁判を強行しようとしたことを「人間のすることではない」と怒りを込めて弾劾した。最高裁は、裁判員裁判による一審有罪判決を覆した高裁判決を、「裁判員裁判の結果を尊重すべきだ」という理由で再度逆転させている。また、小川法相は、裁判員裁判でも死刑は是認されているとして死刑執行を強行した。高山弁護士はこれらの事実を暴きつつ、「司法がなりふり構わなくなっているのは、今がすでに戦時に入っているからだ。戦時司法の特徴は“簡易・迅速・重罰”だ」と述べた。最後に、「裁判員に選ばれて出頭する人は15%程度で、制度は完全に破綻した。全原発が停止すれば空はさわやかになる。そこに裁判員制度廃止の旗を高く掲げよう」と力を込めて訴えた。
第二部は、先の日弁連会長選挙戦を闘った森川文人弁護士を司会に、大運動呼びかけ人の織田信夫弁護士、『週刊金曜日』編集局の成澤宗男さん、郵政非正規ユニオンの斎藤祐介委員長が壇上で熱く討論。
織田弁護士は「裁判員制度は『国民の司法参加』という外形をとりながら、内実はきわめて国家主義的だ。裁判員に動員される国民の負担は考えていない」と発言した。成澤さんは、「裁判員制度をいいものに描いてきたメディアの責任は大きい。80年代、土光臨調を持ち上げて新自由主義を真っ先に持ち込んだのもメディアだ。そのうそが全部ばれた」と述べ、「権力の策動が見事に破綻したのは、原発と裁判員制度。今が裁判員制度を覆せるかどうかの正念場だ」と訴えた。
斎藤委員長は、裁判員候補者に選ばれたという通知が来たことを報告し、「私にこんな通知が来たのはチャンス」と闘志をみなぎらせた。非正規労働者の現実に触れて、「青年は政府を信じていない。誰かがなんとかしてくれるとは思っていない。自分が行動しなければ変わらない」と述べ、「国は『原発は安全』とうそをついた。人の命を奪っている彼らを裁かないで、裁判員制度などナンセンス。こんなものに参加できない」と断言。
仙台弁護士会所属の織田弁護士が討論をまとめ、「原発事故で生活の一切を奪われた。私たちが本当の主権者なら、権力を持つ者を疑い、批判し監視して、必要な制裁を加えなければならない。市民の英知を結集して裁判員制度廃止を」と訴え、5月21日に日比谷公会堂で開かれる裁判員制度廃止集会の大成功を呼びかけた。(東京・K)
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