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中国・広東省で相次ぐ労働者の暴動、ストライキ

s20120629a-1.jpg 6月25日、中国の広東省中山市沙渓鎮にある小学校前で、重慶(四川省)籍の15歳の子どもが13歳の現地の子どもにからかわれ、けんかになったことがきっかけとなって、普段から差別されている農民工(出稼ぎ労働者)の怒りが爆発し、暴動となった。しかも、リンゴを盗んだ四川省籍の子どもが保安員に殴り殺される事件も重なり、暴動は27日には1万人の規模になり、中山市の中心部に拡大した。車は壊され、商店は放火され、現場は「戦場のような状況」(香港紙)となった。農民工は動員された警察隊と全面的に激突し、数十人から百人以上の重傷者が出ているという。 

s20120629a-2.jpg 暴動は依然として継続しているといわれ、政府は警察に「事態が悪化するなら、発砲しても良い」との許可を出したともいわれている。ずでに一人の労働者が警察隊の発砲で殺害されたとの情報もある。幼稚園は封鎖され、商店は閉まったまま、公共交通は停止しているという。農民工の怒りと闘いは、死をも恐れずに続いているのだ。
 広東省中山市沙渓鎮は珠江の西岸に位置しており、ここ数年、衣料工場地域として急速に発展した工業地帯である。ここで働く農民工の労働者は約10万人といわれ、この数は地元の就業者数よりも6万人以上多い。しかし基本給は1250元(1万4250円)であり、中国でも物価の高いこの地域で生きていくには困難な状況に追いつめられている。さらに医療衛生や子どもの教育でも差別されており、そうした非正規労働者である農民工の怒りが今回の暴動として爆発したのである。
 広東省は、「改革開放」政策の最先端地域であり、経済先進地帯であり、その矛盾が最も噴出している地域である。しかも今日の欧州危機は中国経済を直撃しバブル崩壊を促しているが、そうした経済の破局はこの地域に最も鋭く現れ、農民工など非正規労働者の闘いを先頭に労働者の激しい闘いが爆発している。今回の事件は、その典型である。
 同じ25日には、広東省仏山市左灘でも農民の暴動が起きている。村の土地を不正に売買した村の共産党幹部の責任を追及して、数百人の農民が鎮政府を包囲し、幹部を取り押さえて徹底的に抗議した。やはり警察との激突で負傷者が出ているといわれているが、労働者とともに農民の怒りも広がっている。
s20120629a-3.jpg 6月18日には、広東省広州市花都区にある日系シチズンの工場で、賃上げを要求して3000人の労働者がストライキに決起した。また、6月22日から23日にかけて、広東省韶関市湞江区市鎮にある国有企業の火薬工場で、工場幹部の腐敗と汚職、そして工場の売却に伴う労働者への保証金が支払われないことに抗議し、労働者がストライキに決起している。彼らは大通りを封鎖し、工場の幹部が逃げられないように正門を封鎖し、さらに火薬庫を車で封鎖・占拠して徹底的に闘った。警察と激突し、警察は催涙弾を発射、数人が逮捕されながらも英雄的に闘ったという。
 欧州経済の崩壊と中国経済の破局の中で、中国の労働者は、連日のように激しい暴動やストライキを広東省はじめ中国全土で闘っている。それはヨーロッパの労働者の闘い、アメリカ労働者の決起などとともに、世界革命の時代の到来を告げ知らせている。この大激動の時代をともに闘い世界革命への道を切り開くために、原発再稼動阻止の闘いを爆発させ、7・16から8月広島・長崎闘争の高揚を切り開き、今秋10・1外注化阻止決戦へとのぼりつめていこう!(G)
 写真は上から①中山市で警察隊と対峙する労働者、②仏山市での暴動、③日系シチズン工場でストライキに入った労働者 

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