市東さんの農地裁判勝利へ三里塚緊急現地集会
7月8日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で「市東さんの農地裁判勝利! 第3誘導路工事粉砕」を掲げた三里塚緊急現地集会が開かれた。前夜から朝まで降り続いた雨が上がり、強い日差しで気温が上がる中、成田市東峰の萩原進さんの畑に、反対同盟を先頭に245人の労働者・農民・学生・市民が続々と結集した。この畑も開拓組合道路とともに空港敷地に深く食い込んだ場所で、目の前ではジェット旅客機がひっきりなしに走行を繰り返している。
午後1時半、萩原富夫さんの司会で集会が始まった。
最初に北原鉱治事務局長が発言に立った。「市東さんの家と畑を空港の中に囲い込もうとしていることを、許してはならない。われわれは闘って自分たちの政治をつくる以外にない!」と語気を強め、決起を促した。
続いて萩原進事務局次長が基調報告を行った。「市東さん追い出しのため、第3誘導路の突貫工事が、今行われている。だが情勢はダイナミックに動いている。野田政権の原発再稼働、消費大増税、オスプレイ配備、TPP推進に対する人民の怒りは頂点に達している。週末の官邸前を始め、全国で10万、20万の人びとが立ち上がっている。沖縄・福島・三里塚が手を結び立ち上がれば日本は変わる!」。そして市東さんの農地裁判とそれと一体の千葉市での集会・デモ、さらに三里塚現地闘争の取り組みの圧倒的強化を熱を込めて呼びかけた。そして特に学生に向かって「街頭闘争を闘おう! 敵がもし市東さんの農地に手をかけたら巨万の人民が立ち上がる情勢をつくり出そう」と三里塚実力闘争の歴史を体現した檄を発し、10・7全国総決起集会への大結集を訴えた。
続いて天神峰の市東孝雄さんが発言に立った。「空港は、とにかく第3誘導路を造って私を追い出そうとあせっている。裁判での証人尋問はあまりにデタラメで腹が立った。大飯再稼働、消費税、オスプレイ、TPP、これらは絶対に許せない攻撃だ。全力で反撃します」と力強くあいさつし、大きな拍手を受けた。
反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が裁判闘争の報告を行い、成田市農業委員会事務局長だった山崎証人の、空港の悪行・違法をことごとく追認する屈服ぶりを「空港会社成田出張所だ!」と弾劾した。
動労千葉の滝口誠さんは、10・1外注化攻撃粉砕へ組合員全員が立ち上がっていることを報告し、7・16代々木公園反原発集会の空前の大結集を訴え、「首都を制圧しよう!」と叫んだ。関実の発言に続いて、市東さんの農地取り上げに反対する会の人びとが壇上に並び、その中から三里塚に連帯する農民2人が、農地死守・TPP粉砕の闘いの最先頭に立つ決意を表した。
婦人民主クラブ全国協議会は、首相官邸前での野田打倒へむけた人びとの熱気を報告した。
全学連の斎藤郁真委員長は、萩原事務局次長のアピールに応えて学生が先頭に立って農地を死守する決意を表し、「7・16はあらゆる怒りが一つになる集会。原発を廃炉に追い込み、空港も基地もTPPも粉砕する闘いへともに立ち上がろう」と訴えた。
集会の最後に、伊藤信晴さんのリードで団結ガンバローを三唱。反対同盟を先頭に直ちにデモに出発した。
取香2号線(旧小見川県道)に出て市東さん宅前を過ぎると、第3誘導路工事で急ピッチで造られた取香トンネルが眼前に現れた。宣伝カーでマイクを握る宮本麻子さんが怒りを込めて弾劾した。「わずか150㍍の距離に7㍍も掘り下げたトンネルは急勾配で危険な構造。急坂を猛スピードで上がってくる車によって、市東さんのトラクターが妨害される」
デモ隊はこのトンネルをくぐり、小見川県道から南台の市東さんの畑へ、さらに方向転換して出発点へと回帰する一周デモを、大量の機動隊による不当な規制を打ち破って貫徹した。
地形をずたずたに破壊し、無理を重ねて進められる工事の現状をつぶさに確認した参加者は、心からの怒りを抑えきれず、反対同盟とともに市東さんの畑を絶対に守り、空港廃港まで闘いぬくことを誓った。(TN)
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