新潟市再任用解雇撤回裁判で雇い止め解雇の核心問題が焦点化
9月6日、新潟市再任用解雇撤回裁判の第3回口頭弁論が新潟地裁で開かれた。法廷には、労組交流センターや地域の労働者、新潟市職OBなど約30人が傍聴にきてくれた。今回、意見陳述がかちとれなかったのは残念であった。しかし、裁判序盤の重要局面の法廷となった。法廷で、裁判長から「被告に再任用の手続きの流れと、再任用採用通知の際の『更新3回の運用を予定している』について説明をお願いする」と、訴訟指揮をしたのである。「更新3回を予定」と書面に書いたにもかかわらず、更新しなかったのはどういうことなのか、裁判長が被告・新潟市に説明を求めたのだ。この点は裁判で決定的ポイントをなす問題である。
私は再任用の任期更新が行われず、1年で解雇・雇止めになった。新潟市当局は「任期1年であったのだから処分ではない」「任期更新される期待権はない」と主張。これに対して、再任用制度は定年後の労働者の生活を保障するためのものであり、65歳までの雇用を保障すべきこと、採用通知に「更新3回の運用を予定している」と書いてあることから、当然のこととして任期更新の期待権があったと争っている。裁判長が指摘したことは、私が任期更新されるべき理由のひとつである。
また、市側は答弁書で「新たな人事評価制度は一般職員には試行で、再任用職員には試行ではない」と矛盾した主張を行っている。一般職員は試行だから自己申告表提出の義務もないし、不提出でも処分はない。再任用職員は自己申告表の提出が義務付けられ、不提出で任用打ち切りだと言うのだ。同じ市役所で働く労働者に対する制度が身分の違いで試行であったり、本実施であったりするはずがない。でたらめそのものである。これを聞いた労働者は「再任用や非正規の人たちへの差別だ」と怒りを表している。
私の解雇撤回裁判は、これから争点を明らかにし、証人調べに入っていく。公務員の非正規労働者の雇止め解雇を粉砕する決定的闘いであると同時に、成果主義の人事評価制度を粉砕する闘いとしていきたい。
先日、新潟市職の職場に「新たな人事評価が試行段階を認めた市当局」のチラシをまいたら、現職の労組活動家から「よくやってくれた。試行がハッキリして元気をもらえた」と声をかけてもらった。この裁判を、現場から闘う労働組合を作っていく運動のひとつにしていきたいと改めて強く思った。
次回、第4回口頭弁論は11月15日、13時30分から新潟地裁で行われる。11月集会の大成功をかちとり、次回の法廷も元気に闘っていく決意である。(新潟市再任用被解雇者 斎藤実)
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