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国労組合員資格訴訟、歴史的事実突きつけ国労本部を圧倒

s20120920a.jpg 国労組合員資格確認訴訟の第5回口頭弁論が9月19日、東京地裁民事第11部(白石哲裁判長)で開かれた。
 国労本部は2010年に1047名闘争の解体を狙って4・9政治和解を強行し、翌11年7月の定期全国大会で解雇撤回闘争の終結を宣言するとともに、闘争団員から組合員資格を奪った。これに対し、和解を拒否し解雇撤回闘争を継続する小玉忠憲さん(秋田闘争団)、成田昭雄さん(旭川闘争団)、羽廣憲さん(小倉闘争団)、石﨑義徳さん(鳥栖闘争団)の4人の闘争団員が、国労本部を相手に組合員資格の確認を求めてこの裁判を起こした。 

 国労本部はこの間、「国労は企業内組合だからJRとの雇用関係があることが組合員資格の大前提」「雇用関係が大前提であることは、国鉄時代以来の扱い」という主張を繰り返してきた。法廷では、原告代理人弁護団が本部の主張が虚偽であることを徹底的に暴き出した。
 1947年6月に国労が結成された時の規約は、「組合は、国有鉄道職員をもって組織する」となっていた。しかし、国鉄当局による不当解雇との闘いの中で、56年8月の全国大会で、規約は「組合は、組合員名簿に登録されたものをもって組織する」と改正された。当時、国鉄労働者に適用された公共企業体等労働関係法(公労法)は、「公共企業体の職員でなければ、その公共企業体の職員の組合の組合員又はその役員となることができない」と定め、これを口実に国鉄当局は、被解雇者を役員に据えた国労との団交を拒否するなど、不当な対応をとり続けていた。これに屈することなく、被解雇者を組合員・役員として守り抜く姿勢を示したのが、この規約改正だ。
 しかもそこには、当時の新潟地本が3年がかりで国労本部を突き上げ、規約改正を実現させた現場組合員の闘いの歴史が刻み込まれている。国労本部自身が作成した『国労20年史』も、この規約改正を「公労法の枠を破った」ものと評価しているのだ。90年4月の国鉄清算事業団からの1047名解雇を目前にした89年の大会でも、国労は被解雇者を組合員として守ることを確認している。
 こうした事実を突き出して、原告代理人は「これは被告代理人もよく知っている歴史的事実だ」「被告の主張は国労の歴史を偽造するものだ」と断定した。その迫力の前に、宮里邦雄弁護士ら国労弁護団は何の反論もできないところに追い込まれた。
 裁判に先立ち、和解を拒否した闘争団員と「共に闘う国労の会」は、国労本部にほど近い新橋駅前で早朝からの宣伝行動を貫徹した(写真)。国鉄1047名解雇撤回の不屈の意志を表明し、これに敵対する国労本部を弾劾するとともに、鉄道の安全を破壊するJRの検修外注化絶対反対を訴える宣伝に、通勤途上の労働者の熱い共感が寄せられた。(東京・K) 

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