1. HOME
  2. ブログ
  3. 脱落日帝の領土略奪=戦争・改憲攻撃の激化と闘おう

脱落日帝の領土略奪=戦争・改憲攻撃の激化と闘おう

 9月11日、日帝・野田政権は釣魚台(尖閣諸島)の「国有化」を強行した。日帝の新たな領土略奪、戦争・排外主義攻撃そのものだ。これに対し中国各地で激しい反日デモが爆発している。また韓国でも独島(竹島)をめぐり、日帝の領有権主張に抗議行動が高まっている。日本国内ではこの領土問題を契機に、右翼やマスコミを先頭に「日本の領土を守れ」という排外主義・国家主義の扇動が巻き起こっている。労働者階級はこの問題をどうとらえ、どう闘うべきか。
 

●米日帝の対中対峙・対決政策貫く「国有化」
 まず第一に、日帝・野田政権の「尖閣諸島国有化」とその後の動きは、米帝の新軍事戦略に対応した対中対峙・対決と戦争・改憲の攻撃であり、日米安保同盟の強化、沖縄闘争圧殺の攻撃だ。
 日帝・野田は、米軍の新型輸送機オスプレイの配備に反対する9・9沖縄県民大会が10万人の大結集をもって闘いぬかれた直後の11日に、「尖閣諸島国有化」を強行した。断じて許せない。
 この問題を考える上で米帝の世界戦略を見ることが重要だ。大恐慌の激化のもとで、没落を深める米帝オバマ政権は、「アジア太平洋最優先」の新軍事戦略を確定し、とりわけ自らの安保=戦争政策の軸を対中国・対北朝鮮の侵略戦争・世界戦争政策にあらためて据えきろうとしている。
 日帝も日米安保同盟とこの米帝戦略に沿って中国への対決政策を強めている。今回の「尖閣諸島国有化」もその一環だ。米帝は「尖閣諸島は日米安保の適用範囲だ」と繰り返し公言してきた。
 それゆえ日帝による「尖閣諸島国有化」は、オスプレイの沖縄配備、辺野古新基地建設と一体の攻撃としてある。またこれは、自衛隊が実際に戦争するための「動的防衛力」構想の推進のテコであり、自衛隊の南西(沖縄)拠点化を推し進めるための大攻撃だ。そのために中国との軍事的緊張をあえてつくり出し、沖縄の闘いを圧殺しようとしているのだ。
 さらに今回の領土問題は、大恐慌と3・11情勢に直撃され、労働者階級人民の闘いの高揚で体制的な危機を深める脱落日帝の、排外主義と侵略・戦争・改憲の攻撃として噴出してきたものだ。
 民主党代表選と自民党総裁選は、いずれも中国への強硬姿勢、排外主義を競う選挙戦となり、そこでは改憲、集団的自衛権、「日本独自の海兵隊創設」などの反動的主張が渦巻いている。
●日清・日露戦争で略奪した「固有の領土」
 第二に、そもそも日帝が「尖閣諸島」や「竹島」を「わが国固有の領土」と主張していること自体が、過去の侵略戦争で領土に編入したことを論拠とするもので、歴史的正当性は何もない。
 まず「尖閣諸島」についての政府の主張は、「単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重確認の上」、1895年1月14日に閣議決定して領土に編入したというものだ。
 だが、19世紀末に帝国主義列強が相次いで中国侵略に乗り出し、植民地の奪い合いを行っている最中に、日本はこれに遅れまいと1894年8月から日清戦争を開始し、翌95年1月には中国大陸に次々と侵略軍を送り込んでいった。そのただ中で「尖閣諸島」の領有宣言を行ったのである。
 「竹島」についても同様だ。政府は1905年1月の閣議決定で独島を島根県に編入し、領有の意思を再確認したと言っている。だが、これも1904年2月に政府がロシアに宣戦布告した日露戦争の最中のことだった。日露戦争は、朝鮮半島の勢力圏化をめぐる帝国主義戦争であり、この戦争の最中の第1次日韓協約(04年8月)によって当時の大韓帝国の外交権を奪い、「竹島」を日本の領土とする閣議決定が行われた。そして1910年には朝鮮の植民地化を強行したのだ(韓国併合)。
 いずれも侵略戦争で相手に銃剣を突き付け、何も言えない状態にして、領有宣言を行った。この歴史的経緯からしても、とうてい「日本の固有の領土」などと言えるものでないことは明白だ。
●労働者階級には領土も国境も存在しない
 第三に、世界単一の革命的階級であるプロレタリアートには、もともと領土も国境も存在しないということである。
 そもそもブルジョア民族国家形成の歴史過程で生まれた国家・国境・領土などの概念は、労働者人民を分断し、団結を破壊し、外への排外主義的動員のために使われてきた。戦争になれば資本家階級の利益のために、労働者同士が殺し合いをさせられる。世界の労働者はこれをのりこえ、団結して闘わなければならない。だからこそ『共産党宣言』は、「万国のプロレタリア、団結せよ!」と呼びかけたのだ。
 日帝の「国有化」に抗議して反日デモが激しく巻き起こった中国は、新自由主義とグローバリズムのもとで帝国主義資本の最大の生産基地となってきた。ここ数年、日米欧など外国資本と中国スターリン主義の抑圧を突き破って、労働者と農民のスト・デモ、暴動が続発してきている。
 そして今回重要なことは、中国の労働者階級の中に民族排外主義の立場をのりこえて、階級的立場を明確にして領土問題に対応する勢力が登場していることである。「人権がなければ、国土面積が増えても、奴隷労働の土地が増えるにすぎない。公平がなければ、経済発展が進んでも搾取の苦難が増すだけだ」などと(ツィッターから)。
 韓国では、民主労総を先頭とする労働者階級が、首切りと賃下げ、非正規職化の新自由主義攻撃と真っ向から闘い抜き、イミョンバク政権を危機に追い込んでいる。
●外注化と闘う階級的労働運動の前進こそ
 第四に、「領土問題」と戦争・排外主義攻撃の激化との闘いは、階級的労働運動の前進と労働者階級の国際連帯の強化に一切がかかっているということだ。現在の激動的な大情勢の中に、最末期帝国主義の危機と新自由主義の破産、それゆえの絶望的凶暴化をみてとり、プロレタリア世界革命の時代が到来したことに圧倒的な確信をもって断固前進しよう。
 10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃の決戦に勝利し、11・4労働者集会をプロレタリアートの国際連帯の大集会としても大成功させよう。野田政権と安倍・橋下などの極右勢力の戦争・改憲への動きと対決し、国鉄決戦と反原発決戦を軸にして、労働者階級と労働組合の力で粉砕しよう。
 日本、韓国、中国の労働者階級人民は、世界のプロレタリアートとも固く団結し、「領土問題」で噴出する戦争・排外主義と闘い粉砕しよう。
 この闘いは、労働組合の革命論的意義の明確化の地平に立ち、革共同の戦略的総路線であった「連帯し侵略を内乱へ」の闘いを引き継ぎ、発展させ、労働組合と階級的労働運動を基礎に、プロレタリア世界革命の勝利を切り開く闘いである。 

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事

アーカイブ

月を選択