高山弁護士先頭に「裁判員制度はいらない!」の声が鳥取地裁前を制圧
9月25日、鳥取地裁前一帯は早朝から色とりどりののぼりや横断幕に埋め尽くされ、「裁判員制度はいらない」と訴えるアジテーションが響きわたった。
鳥取県内で起きた連続不審死事件の裁判員裁判が、この日から始まるのだ。直接証拠が何もなく、被告は黙秘を通し、弁護人が無罪を主張している中で、強引に有罪極刑判決に導くことを狙う国家権力の意図をむき出しに、この裁判員裁判は異例に長期(75日間)の公判日程が組まれている。裁判員は75日間もの拘束を受けた上に、極刑判決に加担させられようとしている。こんな不正義とデタラメが許せるか!
東京から駆けつけた高山俊吉弁護士やインコさんを先頭に、広島・岡山の仲間も結集して、傍聴券を求めて集まってきた人々に、破綻した裁判員制度を廃止に追い込もうと訴えるビラを配布した。傍聴希望者は1115人に達し、地裁構内は人波であふれかえった。最初はざわついていたこれらの人々が、抽選を待つ間、高山弁護士の演説に次第に引き寄せられ、一緒にじっと聞き入っていた姿は、この日の圧巻だった。わざわざ構内から出てきて「おっしゃる通りです」と声をかける人もいた。また、大きな拍手がわいた。
裁判員裁判の反動性・破綻性は、今回の場合、特に早くから知れ渡っていた。裁判所は、圧倒的多数の人々の反対・拒否の声に追い詰められて、当初予定した裁判員候補者600人に急きょ100人を水増しして700人にしたが、最後的にしぼった79人からも欠席・拒否が相次ぐ中で、「義務」だという脅しによってかろうじて6人の裁判員を選任することにこぎつけたに過ぎない。御用学者は「裁判への参加が義務だという意識がまだ浸透していない。辞退者を減らすため国は法教育をさらに推進するべきだ」とわめいているが、裁判員制度がもはや完全破綻している現実を覆すことはできない。
午後2時からは、市内の会場で「高山俊吉弁護士講演学習集会」が行われた。高山弁護士は「『破綻した裁判員制度』廃止を」と題して講演し、裁判員制度の仕組みの解説から「制度廃止への道」を明らかにし、共に闘いましょうと訴えた。活発な質疑応答を含め、闘いに確信を深めた全参加者は勝利まで闘いぬくことを誓い合った。(山陰T・K)
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