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10・7三里塚全国集会、農地強奪攻撃との実力対決を宣言

s20121008b-1.jpg 10月7日、三里塚芝山連合空港反対同盟が主催する三里塚全国総決起集会が成田市東峰で開かれ、切迫する農地強奪攻撃との実力対決を意気高く宣言した。前夜からの雨が降りやまぬあいにくの天気だったが、会場の萩原進・反対同盟事務局次長の畑には、色とりどりの旗・のぼりを掲げ、全国から970人の労働者・農民・学生・市民が駆けつけた。目の前の成田空港暫定滑走路には、数分間隔でジェット機が着陸している。
 正午に萩原富夫さんの司会で集会が始まった。最初に森田恒一さんが開会宣言に立ち、「農地裁判が国策裁判である以上、どれほど理不尽でも裁判所は国を勝たせるだろう。機動隊を伴った執行官が市東さんの畑に押し寄せたとき、どうするのか。実力で阻止する以外ない!」と強烈に訴えた。 

s20121008b-2.jpg 続いて、萩原富夫さんから「基調報告を予定していた萩原進事務局次長は風邪がひどくこの場に参加できない」との報告があり、主催者あいさつと基調報告を兼ねて北原鉱治事務局長が登壇した。北原さんは、逮捕や流血を辞さず「農地死守」の正義と実力闘争を貫いてきた反対同盟の闘争史を踏まえ、今また市東孝雄さんの農地を守る大闘争に立ち上がることを決然と明らかにした。「家と畑を誘導路ではさみ、空港に囲い込んで、市東さんに“さあこれで生活するならしてみろ”と。一体この空港は何だ! だが市東さんは闘い続ける姿勢を明らかにしている。声ある者は声を、勇気ある者は勇気を出して立ち上がる時だ」と力強くアピールした。
 特別報告の最初に、10・1JR外注化阻止決戦を闘いぬいた動労千葉の田中康宏委員長が立った。検修部門の外注化を12年間ストップさせてきた非妥協の闘いの手応えを語り、10・1外注化強行が敵の破綻の表れであることを明らかにし、この外注化攻撃との決戦が全労働者の未来をかけたものであることを強調した。さらに鉄建公団訴訟で不当労働行為を認めさせた6・29東京地裁判決の画期的意義、韓国民主労総ソウル本部の日本大使館前での国際連帯行動を報告し、11・4全国労働者総決起集会への大結集を熱く訴えた。
s20121008b-3.jpg 特別報告として沖縄の知花昌一さん、関西実行委の永井満さん、山本善偉さんの発言に続き、大きな拍手に迎えられて天神峰の市東孝雄さんが登壇した。「第3誘導路工事がわが家の目の前で行われていますが、工事認可の取り方からしてデタラメです。農地を明け渡せという裁判にかけられているが、私は先祖が培ってきた土地・農業を受け継いできただけだ。どこに自分の非があるというのか! ふざけるんじゃないと言いたい。みなさんとともに闘います」と闘志をあらわにした。これに応えて、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会の会員の人びとが壇上にあふれ、代表があいさつした。群馬の青柳晃玄さんは9・9群馬集会の大成功を高らかに報告した。
 緑色ののぼりを林立させて全国農民会議が登壇し、福島、山梨、新潟、千葉の農民がアピールした。反原発、TPP阻止、市東さんの農地決戦を自らの課題として全力で闘う決意を表し、若手の事務局員もエネルギッシュな発言で会場を沸かせた。反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は、農地裁判の証人調べでテレビ会議方式を強行する多見谷裁判長を鋭く弾劾し、10月15日の裁判への結集を呼びかけた。さらに登壇した弁護団全員が裁判闘争の勝利へ決意を述べた。
s20121008b-4.jpg 婦人行動隊の木内敦子さん、鈴木加代子さんのカンパアピールに続き、司会を宮本麻子さんに交代して、住民団体・共闘団体の発言に移った。最初に、子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの椎名千恵子さんが立ち、「この地に立ち、これが国との闘いであると分かる」と共感を表し、「三里塚では土地が、沖縄では空が、福島では子どもたちの命が奪われようとしている」と理不尽な国策への心からの憤りを語った。続いて、福島診療所建設委員会事務局長の渡辺馨さんが、御用学者・山下俊一の安全デマを断罪し、診療所開設が急務となっていることをアピールした。婦人民主クラブ全国協議会のメンバーが大挙登壇して、新代表の三浦正子さんがマイクを握り、農地死守の闘いへの限りない連帯を表明した。徳島刑務所で無期投獄攻撃と闘う星野文昭さんのメッセージを妻・暁子さんが読み上げ、不屈の革命家魂を全参加者が共有した。
 野戦病院の再建への協力の呼びかけに続き、全学連の斎藤郁真委員長が決意表明に立った。「市東さんの農地を奪う攻撃を許さない。全学連は現地行動隊を先頭に実力をもって闘う!」との力強い宣言に、会場は拍手と歓声で沸いた。
 野平聰一さんによる集会宣言読み上げに続き、太郎良陽一さんがスローガン採択を行い、闘いの方針として農地死守決戦のただ中での来春3・24三里塚全国集会への大結集、そして当面する最も重要な行動として10・15農地裁判への傍聴とその開廷に先立つ千葉市内デモ(11時40分千葉中央公園集合)が確認された。雨がすっかり上がった壇上に反対同盟が勢ぞろいして、力強く団結ガンバローを三唱し、ただちにデモに出発した。
 頭上40メートルの真上を飛ぶジェット機の轟音、大量動員された機動隊と公安警察、訪れるたびに破壊・変形される地形、なによりも第3誘導路の周囲を威圧するたたずまいに接し、デモ隊の怒りは高まった。額に汗して働く一農民の生活と営農を、こんなもので否定しようというのか。本当に許せない。デモの到着地点である南台の畑では、最初に着いた市東さん自身がデモ参加者を次々とねぎらった。市東さんの笑顔と豊かな黒い土に接し、全参加者は「農地死守」をあらためて誓った。(TN) 

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