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三里塚第148回一斉行動―貨物強化に住民の不安募る

一斉行動出発前の朝の打ち合わせ(11月16日 成田市天神峰)

三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は11月16日、148回目の空港周辺情宣一斉行動に立ち上がった。
午前8時半、反対同盟会議室前に集まった仲間は朝の打ち合わせを行った。反対同盟事務局の伊藤信晴さんが、芝山町で今話題となっている上水道問題について解説した。第3滑走路建設に伴う移転で空港会社と町が用意している地域に上水道の設置が計画されている。移転者だけでなく外から新しい住民を呼び込むためにも必要だというのだ。だが、すでに井戸を持っている住民にとっては不要であり、しかも一部の地域のみの事業に220億円とも言われる巨費を投じるのはおかしいと、当該地域の旧住民、さらに他の地域の住民からも反対の声が上がっている。空港一辺倒の芝山町政への不満がこのような形で吹きあがっている。すべては「国家プロジェクト」としての空港拡張が元凶だ。反対同盟の闘いが拡張阻止のくさびを深く打ち込んでいることは周辺住民を勇気づけている。
この日用意された反対同盟ニュース第143号は、10月26日から年間発着枠を34万回へと、現在の2本の滑走路で対応できる上限にまで引き上げた傍若無人なNAAを弾劾し、「第3滑走路建設阻止!」「工事を今すぐ止めろ!」と呼びかける内容だ。
2面では、10月20日に香港空港、11月4日に米ルイビル空港と立て続けに起きている貨物機の墜落事故を取り上げている。とりわけ後者の事故は世界最大級の荷物取り扱い施設でもあり、航空貨物業務の拠点での事故ということで、成田の未来を暗示している。成田では2009年、フェデックス・エクスプレスの貨物機が着陸に失敗し、炎上。乗員2人が亡くなる事故が起きたことも取り上げている。3面では、民間空港・港湾の軍事利用を進めつつ、高市が中国への宣戦布告にも等しい「台湾有事は存立危機事態」と自衛隊の武力行使に言及したことを弾劾。 4面の「住民の声」は芝山町の2人。一人は、34万回化でより過密となる運航で事故が起きるのではないかとの不安を語る。もう一人は、地球沸騰化で人類生存の危機が迫る中、空港拡張ではなく、空港をどう片付けるのかを考えるべきときだとの声だ。
打ち合わせを終えた仲間はそれぞれの担当地域へと飛び出した。
さわやかな青空の下、周辺の農家はサツマイモや人参の掘り取りや出荷作業に追われていた。
冬瓜の選別をしていたある農家は、「夏の暑さで作付けが遅れがちだ。今後も暑さは続くだろう。高市政権の登場で戦争の危機を実感する」と話した。
同盟ニュースの記事をめぐって様々な議論となった。「貨物機は深夜、早朝の離着陸が多い。運用時間の延長が問題になるだろう。事故の不安は他人事ではない。また、今でも空港周辺の道路は通勤で大渋滞。便数増加で働く人が増えたらパンクする」「私も貨物が主体の空港になるという話は以前から聞いていた。戦争のために使われるのは困る。自分はもうこの世にいないかもしれないが、子どもや孫にはそういう経験をさせたくない」「熊谷県知事になってから芝山をめぐる状況はどんどん悪くなっている。森田は何もしなかったが、その方がましだった。騒音訴訟を起こしてがんばっている人たちは芝山のためになっている。同盟ニュースは役立っている」
上水道の問題についても情報が寄せられた。
「地域集会がもたれている。芝山には3つの工業団地があるが、いずれも地下水をくみ上げている。上水道を整備するための水量があるのかも疑問だ」「井戸から少しだがヒ素が出たので飲料水を買っている。後の世代に負担を強いる考え方には反対だ」
次回一斉行動は、12月14日に行われる。(N)

スケジュール
◎第3滑走路建設阻止・フィールドワーク 12月10日(水)午前10時 成田市天神峰 市東さん宅前集合 呼びかけ/三里塚芝山連合空港反対同盟

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