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三里塚団結街道裁判、「廃道は前例なき暴挙だ」

20140709a-1.JPG 7月8日、千葉地裁民事第3部(廣谷章雄裁判長)で、団結街道裁判の弁論が開かれた。
 2010年6月、成田市は、天神峰の市東孝雄さん宅と南台農地を直線で結ぶ団結街道を、夜陰に乗じて封鎖し廃道化した。そしてその土地を成田空港会社(NAA)に格安で売り飛ばした。この裁判では、市東さんを始め三里塚芝山連合空港反対同盟が、道路廃止決定の無効と、封鎖している妨害物の撤去を求めている。
 今回、被告・成田市は準備書面19を提出し、その中で「本件市道(団結街道)は空港敷地内にあって、一般交通には不適当な道路だから廃止が決まっていた。この道路を使用する者(市東さん)の不利益については、代替道路が整備されたことで回避され、廃止要件も整った」などと、ぬけぬけと言い放った。そして「安全と効率の向上のために西側誘導路(第3誘導路)の整備が必要と、NAAから説明された」、そういう“事情”で廃止を決定したというのである。

20140709a-2.JPG これまでの成田空港建設過程においても、現に耕作している土地に接して存在している道を反対の声を無視して封鎖し廃止するなど、前例のない暴挙である。反対同盟顧問弁護団はこのことを明らかにするために、被告側に対し文書提出命令を出すよう、裁判所に求めてきた。
 これについて裁判長は、「他の事例は関係ないだろう。本件について道路法に照らして廃止の要件を充たしていたかどうか考えれば十分ではないか」と言ってきた。つまり、市東さんにとって代替道路で不便なのか用が足りてるかだけを争えばいい、というのだ。
 冗談ではない! 第3誘導路建設と団結街道封鎖・廃道化は、それ自体が市東さんに対する地上げ屋まがいの凶暴な追い出し攻撃だ。その格段の悪質さ、行政の裁量を逸脱した前例のない暴挙であることをはっきりさせるためにも、これまでの具体例との比較は不可欠である。弁護団の猛然とした反論に押し返され、裁判長は「ではそれを補充書で主張を」と言わざるをえなかった。
 さらに弁護団は、第3誘導路建設が廃道決定の「事情」にすぎないと市が今回述べ始めたことに対し、「当初は〈要件〉と主張していたはず。主張を変えるのか」と鋭く迫った。市東さんの営農を妨害してまで造られる第3誘導路に、どんな意味や必要性があるというのか。このことを正面から問われるのを避けたいから、「要件」から背景「事情」に格下げした、ということだ。
 弁護団は、卑劣なごまかしを許さずより厳しく追及し続ける姿勢を示した。次回期日を10月17日(金)と確認し閉廷した。
 千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士を始め弁護団一人ひとりが、法廷の解説と今後の闘いへの展望を語り、熱心な質疑が交わされた。さらに動労千葉と「市東さんの農地取り上げに反対する会」が連帯発言を行った。動労千葉の滝口誠さんは、集団的自衛権の閣議決定を押し通した安倍政権に人民の怒りが沸騰していることを確認し、労農連帯を一層打ち固めて闘う決意を述べた。
 最後に司会の伊藤信晴さんが、「第3滑走路計画粉砕」を掲げた7・13三里塚緊急現地闘争の意義を強調し、全力での結集を訴えた。
 報告集会後に反対同盟と支援連は千葉駅に近い繁華街での街頭宣伝に立ち、農地強奪阻止の3万人署名を集めた。強い日差しのもとで多くの人びとが足をとめ、汗をぬぐいながら署名に応じた。(TN)

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