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三里塚で第102回一斉行動―NAA「騒音健康調査」に住民の怒り

一斉行動出発前に市東さん宅離れで朝の打ち合わせ(12月19日 成田市天神峰)

12月19日、102回目の空港周辺情宣一斉行動が闘われた。三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議の仲間は成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れに集まり朝の打ち合わせを行った。
最初に伊藤信晴さんが、芝山町による集会会場貸し出し拒否の取り消しを求める審査請求について報告した。
「町の審理員が『処分は取り消されるべき』との意見書を出した。みんなの力で勝ち取った勝利だ。だが、新たに施設使用申請を行おうとしたところ、町はまだ答申を待っている段階なので受け付けられないと断られた。不当であり許せない。町が処分を撤回するまで断固闘う」と決意を述べた。
この日準備された反対同盟ニュース第97号は、2~3面見開きで、町の審理員が相川勝重前町長による処分の違法・不法を認める意見書を出した勝利を報じ、今こそ機能強化白紙撤回以外に芝山町の未来はないことを相川の後継・麻生孝之新町長に突きつけようと呼びかけている。4面の周辺住民の声は、深夜の航空機騒音で今ですら睡眠妨害による健康被害が出ているにもかかわらず、きちんとした調査もせずに第3滑走路建設・深夜早朝の運用を拡大しようというNAAへの怒りの声を取り上げている。
打ち合わせの最後に、萩原富夫さんが「今年最後となった一斉行動をしっかり取り組もう」と呼びかけ、参加者一同は同盟ニュースを手に担当地域へと向かった。

相川勝重前町長。かつては反対同盟の一員だったが転向して空港推進派となり、町長を6期24年続けこの12月に退任。2021年、反対同盟集会への芝山文化センター(右)の貸出を正当な理由なく拒否する言論弾圧、憲法違反に手を染めた。今後も空港機能強化推進に「かかわっていきたい」などと発言している

この冬一番の寒さだが爽やかな青空が広がる中、多くの農家が正月に向けて、垣根の剪定(せんてい)や里芋・八頭(やつがしら、正月の縁起物としてお節料理に使われる)の収穫に励んでいた。
成田空港会社(NAA)は少し前に騒音健康影響モニタリング調査を行い、結果を郵送している。睡眠に関する評価結果が「睡眠はとれています」「不眠の疑いが少しあります」「不眠の疑いがあります」の3段階で示し、「健康に大きな影響が出てくる前に、かかりつけ医や地域の保健師にご相談されることをお勧めします」など書かれている。
ある住民は、「『不眠の疑いがある』との答えとクオカード500円分が1枚送られてきた。眠れない原因は夜間の航空機騒音だとハッキリしているのに、そこには何も触れず病院に行けとしか書いていない。こんなアリバイ調査は許せない」と怒りの声が寄せた。
様々な地域の住民から騒音について声が寄せられた。
「深夜騒音で眠れなくなって入院していた」「自分は90歳だが若い人のためにも反対」「九十九里の方でも夜はうるさい」
さらに、審査請求の勝利的前進についても住民との共有が進んだ。
顔を見るなり「第3滑走路は造らせちゃいけない」と声をかける住民も。
「審理員意見書の内容は当たり前」「文化センターの使用申請をもう一度出した方がいい」「相川も最後にみそをつけたな」「反対同盟の闘いに注目している」
また、空港北部の騒音での移転地域では、自ら移転先を探さなければならず、移転費用なども見合うものになるのかわからない状況の中で、移転した人も出てきている。「出ていくべきなのは空港の方であって、このまま住み続けたいというのが多くの人の本音だ」と苦しい胸の内を語る住民もあった。
夕方、再び離れに集まった仲間は一日の集約を行った。市東さんが「同盟の地道な闘いが住民に響いている。来年も地道にがんばろう」とまとめ、更なる奮闘を誓い合った。(N)

スケジュール
◎2022年新年デモ&団結旗開き
1月9日(日)午後0時30分 市東さんの南台の畑集合→デモ行進
1時 団結旗開き(市東さん宅中庭)
2時 懇親会 3時半終了予定

◎新やぐら裁判控訴審
1月19日(水)
午前10時30分開廷 東京高裁
※この日は証人調べが行われ、夕方までの裁判になります

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