三里塚現地は決戦態勢に ルポ 24時間座り込み現場
市東孝雄さんへの強制執行を阻止するため、現地では11月24日から三里塚反対同盟と支援の仲間が24時間の座り込み、泊まり込み決戦態勢を敷いている。27日の天神峰集会とデモを打ちぬいた後、反対同盟の呼びかけに応えて全国の労働者・学生などが大挙泊まり込みに決起した。本紙記者も同行させていただいた。
この日に決起した仲間は現地を含めて20人以上。泊まり込みを呼びかけた反対同盟の太郎良陽一さん自身が「こんなに集まるとは」とうれしい驚きを隠さなかった。特に全学連の学生は10人以上で市東さん宅の離れに入りきれず、ビニールハウスにコンテナを並べ布団を敷いて寝泊まりした。
学生に意気込みを聞いたら「なんでもやります」「市東さんと団結し、体を張って闘う」「実力で強制執行を打ち破り、戦争を止める」など、一様に戦闘精神をみなぎらせていた。国葬粉砕闘争など、この間の実力闘争の復権が学生たちに息づいている。
深夜も市東さん宅前で座り込みと周辺の見回りを行った。すぐ近くにある機動隊宿舎には深夜も警察車両の出入りがあった。特に朝は頻繁(ひんぱん)に出入りしていた。こちらもそうだが、向こうも緊張していることがうかがえる。
28日は早朝6時すぎに飛行機の爆音で目が覚めた。改めて生活破壊の空港であると実感する。この日は耕作権裁判があり、反対同盟がいない時を狙って強制執行の可能性があるとのことで、太郎良さんを先頭に現地闘争態勢を維持した。裁判闘争と連動する形で午前10時30分から市東さん宅離れの前で集会も行った。現地で闘う仲間や学生の決意表明のほか、三里塚闘争初期から闘っている歴戦の闘士や二期工事阻止決戦、成田用水決戦を闘った方など幅広い世代が三里塚闘争への思いと決意を語った。
この日は強制執行は来なかった。三里塚闘争56年の歴史は国家権力を追い詰め、簡単に強制執行できない力関係をつくっている。どんな反動も打ち破り勝利してきた三里塚闘争が、戦争情勢の今こそ全人民の結集軸になろうとしている。
「来るなら来い」と訴える市東さんの決意に応え、全国から現地に大結集し、市東さんの命の農地を守り抜こう。岸田政権を打倒し、成田軍事空港を粉砕しよう。(本紙・加賀慶次)
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