三里塚反対同盟が一斉行動で住民と対話・交流
10月19日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は、第18回の成田空港周辺地域での一斉行動に立ち上がった。
この日も午前8時30分に天神峰の市東さん宅離れに集合し、準備と打ち合わせを行った。今回配布する「反対同盟ニュース」第13号では、10・8農地裁判控訴審闘争、10・12全国集会を報告し、さらに「第3滑走路計画」推進のためのNAA元社長・黒野匡彦の成田市での講演会を弾劾した記事、空港や安倍政権への住民の怒りの声などが載っている。
市東孝雄さんと萩原富夫さんが、激闘の疲れも見せずに集合した一同を激励し、さっそく全員が担当地域へと散っていった。
北原鉱治事務局長は宣伝カーに乗り込み、第3滑走路計画によって立ち退きや騒音被害を強制される地域を回り、成田市の川上、西大須賀の2カ所でスポット演説を行った。「巨大滑走路が造られたら、みなさんの生活はとんでもない被害を受けるというのに、まともな説明一つも行われていない。48年前の閣議決定と同じ暴挙を許すことはできません。反対同盟とともに絶対反対の声を上げましょう」
さらに北原さんは現闘の同志とともに地域を歩いて一軒ずつ訪ねてあいさつし、交流を深めた。
元国鉄労働者のAさんのお宅では、庭で採れた柿とお茶で温かく歓迎された。「71年の強制代執行の時には組合動員で現地集会に参加した」と昔話に花が咲き、「空港ができる前は、ここは本当に静かなところだった。今、騒音などに怒りを感じながらなかなか声を上げられない人も多い」と語り、Aさんは反対同盟の奮闘に期待を寄せた。
自営業のBさんは、萩原進事務局次長の著書『農地収奪を阻む』を読後感想を語ってくれた。「学者が難しく書いた言葉ではなく、この方の体験に基づいて分かりやすく書かれていたので、私にも読めた。私も成田市営グランドの時(※)は催涙ガスにやられながら、学生に投石の石を渡していた。著者は亡くなられたとのことで残念。ご家族にはいつかごあいさつしたい」(※反対同盟に連帯して全学連が機動隊に対する実力闘争に立ち上がった成田市営グランドでの1968年2・26集会)
この日回った全員が、住民との真剣な対話を重ね、交流を深めた。
夕方に再度市東さん宅離れに集合し、報告・集約を行った。その中で、反対同盟がいち早く第3滑走路建設計画などを暴露し、批判を繰り返してきたことが、大きな影響を与えていることが実感された。住民の怒りと不安の増大を無視できず、「説明会」を開く地区が出始めたたことも分かった。まさに「われわれが空港を追いつめている」という手応えだ。
最後に萩原富夫さんが、3月の農地裁判控訴審第4回弁論に向け、農地取り上げ反対署名を3万人の目標に向けてさらに強力に推し進めることを訴えて、一日の闘いを締めくくった。(TN)
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