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三里塚で新年デモと旗開き― 「南台農地を守りぬく」

快晴のもと、市東さんの南台の農地から新年初の敷地内デモに出発(1月14日 成田市天神峰字南台)

三里塚芝山連合空港反対同盟の2024年初の敷地内デモと新年団結旗開きが1月14日、力強く行われた。全国から労働者、農民、学生、市民150人が参加した。
雲一つない晴天のもと、最初に恒例の東峰神社のしめ縄の付け替えが行われた。成田空港B滑走路の南端に位置する東峰神社は、空港の完成を阻み続けてきた場所。この日も轟音とともに頭上を飛ぶジェット機をものともせず、反対同盟は手際よくしめ縄を鳥居にくくりつけ、空港廃港への決意を表した。
その後、耕作権裁判の焦点である市東孝雄さんの南台の畑に集合。この場所はB滑走路の誘導路をへの字に曲げて存在している。

東峰神社の鳥居のしめ縄を新しいものに交換し、「2024年を闘うぞ!」と闘志を燃やす三里塚芝山連合空港反対同盟(1月14日 成田市東峰)

伊藤信晴さんが反対同盟の第一声を上げた。「この戦時下で帝国主義打倒が時の声となっている。南台農地をめぐる耕作権裁判が重要局面を迎えている。NAAは証拠に値しないずさんな資料で市東さんに明け渡しを求める訴訟を起こしたが、人間の誇りにかけてこの裁判に勝ち抜き、戦争情勢を覆そう」
太郎良陽一さんのリードで力強くシュプレヒコールを上げ、新年初の敷地内デモに出発した。宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんが岸田政権の戦争政策下で起きた羽田空港衝突事故を弾劾し、農地死守を訴えた。

千葉県警の規制をはねのけて南下したデモ隊は、第3誘導路下のトンネルをくぐって天神峰の市東さん自宅前の開拓組合道路に到着。目の前の天神峰農地だった場所は、今は高い頑丈な鉄製のフェンスで囲われ、土地は荒れるにまかせ放置されている。全参加者が農地強奪攻撃への怒りを、あらためて胸の奥から沸き立たせた。
午後、芝山町の福祉センター「やすらぎの里」で団結旗開きが開催された。
宮本さんが司会を務め、最初に伊藤さんが主催者あいさつに立った。帝国主義打倒、農地死守の決意を表した上で、芝山町の現状を語った。「機能強化、第3滑走路建設によって敷地内150軒、敷地外250軒が町から移転を強いられる。あと10年たてば現在7千人の人口が5千人に減少すると言われる。高齢化も進み部落は崩壊状況。何が地方創生か! 機能強化で騒音が激化し、飛ばない時間がわずか4時間。芝山は存続なるかどうかの正念場を迎えている。市東さんの農地を守る闘いは、北総住民全体の生活を守る闘いでもある。空港粉砕へ全力で闘おう」

2024年団結旗開き、市東さんの音頭で乾杯!(1月14日 芝山町福祉センター・やすらぎの里)

続いて東峰の萩原富夫さんが「闘争宣言2024」を読み上げた。能登半島地震、羽田空港事故、ウクライナ、パレスチナ、気候危機、食料危機という状況を見すえ、軍事空港反対を貫き、辺野古新基地建設、大軍拡の攻撃と闘い、南台農地を守り抜き耕作権裁判勝利するという反対同盟の簡潔で鮮明な方針が確認された。参加者全員が賛同の拍手で応えた。
市東さんが前に進み出てあいさつした。「去年の今頃は、執行がいつ来るかという中での闘いでした。畑の一部は取られましたが、本当にみなさんの力が一つになったいい闘いができたと思います。反対同盟58年の闘いはますます厳しくなるかもしれません。沖縄では軟弱地盤での工事が強行され、三里塚においても強制執行。国策の名で住民を完全に無視したやり方です。私たちは常に声を上げてあきらめずに闘いましょう。2024年、今年も元気に明るく楽しくという意気込みでやっていきます」
会場は盛大な拍手で満たされ、市東さんの音頭で乾杯した。
連帯あいさつの最初に、動労千葉の関道利委員長が立った。JR3月ダイヤ改定で京葉線通勤快速が廃止されることに各地域から反対の声が出ている状況を報告し、3・16春闘をダイ改粉砕を掲げてストライキを構え、反対同盟と共に車の両輪として闘う決意を表した。

「いなのとひら・のとこば」による演奏に聞き入る。権力者には容赦せず鋭く切り込み、庶民・弱者への限りない愛情を注ぐ曲が並んだ

関西実行委に続き、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部執行委員の西山直洋さんが発言した。組合への7年に及ぶ過酷ででたらめな弾圧を振り返り、裁判闘争をも全力で闘い、三里塚と連帯しながら現場の力で弾圧を打ち砕く意気込みを表した。
3ピースバンド「いなのとひら・のとこば」が登場し、歯切れのいい演奏に乗せて、自民党と岸田政権を痛撃する歌を次々と披露し、会場を大いに沸かせた。
参加諸団体が次々と発言した。市東さんの農地とりあげに反対する会に続き、群馬・市東さんの農地を守る会が並んだ。代表して群馬合同労組の組合員が、三里塚と連帯して賃上げ、職場条件改善を求め、戦争絶対反対の立場で闘うことを表明した。
全国農民会議共同代表の小川浩さんは同じ農民として、昨年の市東さんへの農地強奪強制執行に激しい憤りを表した。そして現在「食料安全保障」を掲げて見直しが進めらる食料・農業・農村基本法について、「61年制定のこの法律そのものが農民切り捨て策だった」と指摘し、減反政策、畜産拡大政策とその破綻を解説した。そして、「社会そのものを変えなければ農民の生きる道はない」と訴えた。
さらに婦人民主クラブ全国協議会、大坂正明さん救援会、星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議、関西新空港絶対反対泉州住民の会代表の中川育子さん、全国水平同盟などの諸団体が三里塚と結んで、24年を闘い抜く決意を表明した。

デモ出発を前に、畑のチェックに余念がない市東さん(1月14日 成田市天神峰字南台)

全学連書記次長の亀井陽慧君は、パレスチナ人民の決死の10・7武装蜂起に応え、危機にあえぎつつ戦争へと突き進む岸田政権を実力で打倒することを呼びかけた。そして、帝国主義打倒を求めて新たな学生が全学連に結集しつつあることを報告し、反対同盟との血盟にかけて南台農地を死守し成田軍事空港を廃港へ追い込むことを約束した。
騒音訴訟の原告団の住民が発言に立ち、かつてガザを訪れた時の経験をも語りながら、反対同盟とともに国策である機能強化と闘う意気込みを語った。
革命的共産主義者同盟の秋月丈志書記長は、「帝国主義のもとでは人民は生きられない」と断言し、三里塚闘争を出発点として人民の大反乱状況をつくり、帝国主義戦争を内乱に転化する決意を表した。さらに大坂正明さんへのでっち上げ懲役20年判決の政治弾圧を、支配階級の革命への恐怖として弾劾し、10・7蜂起に連帯して、日帝・岸田政権を打倒することをを熱を込めて呼びかけた。

団結ガンバロー!で心を一つにし、旗開きを締めくくる

反対同盟の歌を「農地死守」の決意を込めて参加者全員で熱唱。
太郎良陽一さんが、まとめと行動提起を行った。この芝山町の会場使用も空港反対運動の力で行政からかちとった闘争成果であることを確認した上、耕作権裁判の重大局面にあたり傍聴を強力に訴えた。さらに3月31日の芝山現地闘争を告知し、最後に「南台農地を守るために2・15を倍する闘いを」と呼びかけ、団結ガンバローをリードした。全参加者が、24年を闘いぬく闘志を熱く清々しい気持ちで共有する一日となった。(TN)
 

 

スケジュール
◎耕作権裁判 1月22日(月) 正午、千葉市中央公園集合→市内デモ 午後1時45分開廷 千葉地裁(証人調べ第3回 反対同盟法対部で活動していた元永修二さん)
◎空港拡張差し止め裁判 1月26日(金)午前10時30分開廷 千葉地裁
◎耕作権裁判 2月19日(月)耕作権裁判午後1時45分開廷 千葉地裁
◎団結街道裁判3月1日(金)午前10時30分開廷 千葉地裁
◎耕作権裁判 3月18日(月)耕作権裁判午後1時45分開廷 千葉地裁
◎芝山現地闘争 3月31日(日)午後1時開場 芝山文化センター(千葉県山武郡芝山町小池973)

この場所、南台農地を絶対に守り抜く決意で、こぶしを固め全員でシュプレヒコール

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