全国で続々とストライキ 日本機械工業労組、SKさくら交通労組、日教組香川三観地区教職員組合
労働者の誇りかけ闘争決断 日本機械工業労組、組合史上初の秋闘スト
JAM日本機械工業労組は昨秋、十年ぶりに八王子反戦集会・デモに決起し、11・19労働者集会に新たな組合員の結集をかちとった。その力で翌20日、秋闘初のストライキに立った。
23秋闘は日本機械労組の転換をかけた闘いだった。赤字を理由に0・6カ月という過去最低の超低額一時金を強制された22春闘以降、一時金1カ月水準が続き、多くの人が希望を失い職場を去っていった。執行部は会社の経営状況を見て一時金を妥結してきたが、それが若者の離職を呼び寄せてしまった。これを痛苦の事態と捉え、低額回答打破の転換をかけて闘う決意を固めたのである。
23秋闘では執行部は要求大会の段階からストライキでの反撃を方針化。組合員もこの方針に応えるように89%の高率でストライキ権を確立した。これに対し、会社側の回答は一時金1カ月以下だったため、交渉は決裂。組合はただちに争議行為を通告した。それでも会社の考えが変わらなかったため、20日の午後3時10分から1時間の時限ストに突入した。
委員長のストライキ突入宣言で集会を開始した組合員は、役員室前で「要求貫徹」「闘争勝利」とコールをあげ、ジグザグデモに決起。デモ隊列は構内を一周した後、再び役員室前まで進み、怒りのシュプレヒコールを行った。そして各職場の職場委員が決意表明を行い、社長に対して怒りをたたきつけた。
交渉はストライキでようやく動き出した。しかし、会社の回答が不十分だったため、闘争は続いた。
22日の回答促進集会では、組合員が社長あての手書きのメッセージを短冊に書いて正門にくくりつけ、対外的にアピール。さらに最終局面では、「これ以上は出せない」という会社に対し、組合は第2波ストライキを配置した。金額的には1千円の上積みをめぐる攻防だったが、組合は1時間半もの議論を通してストの配置を決定。会社に上積みを認めさせ、1・4カ月で妥結した。決して高いとは言えないが、ストライキの力で「赤字だから1カ月」という社長の主張を吹き飛ばしたのである。
秋闘でのストライキは日機労組77年の歴史でも初の闘いだ。ストライキを行えば賃金をカットされるため、基本給を争う春闘の賃上げ交渉とは違って一時金を争う秋闘ではストライキは経済的には割が合わない、というのが戦後労働運動の「常識」だった。だが、23秋闘を通してわれわれはその限界を突破した。労働者の怒りと誇りをかけた闘いとしてストライキを取り戻した。
(三多摩労組交流センター・N)
「侵略を内乱へ」担う労組の登場を SKさくら交通労組、一時金切り下げ阻止へ
12月19日、自交総連SKさくら交通労組が24時間ストライキに立ち上がった。
さくら労組がストに決起するのは6月に続いて2度目。今回のストに参加した労働者は過去最大だ。ストに立ち上がるたびに組合員は士気を高め、怒りを新たにしている。まさに現場の怒りと自己解放性に依拠し闘いぬいているのがさくら労組だ。
そのような組合の前進をつくりあげた基盤には、一つには昨年の11月集会に組合員が結集し(22年から倍増)全国の闘う息吹を吸収したこと、そしていま一つには、「反戦闘争を基軸とする組合」への転換を着実にかちとってきたことがある。今回のスト集会にも長年にわたってパレスチナ連帯を闘ってきた仲間をはじめ多くの支援の仲間が結集した。階級闘争全体の中に自らを位置付けることで、組合員の階級性・戦闘性が高まり、拠点としての労組の闘いが、大衆運動・市民運動を労働運動(プロレタリアート)を柱とした階級闘争へと転化させていく。これこそが「侵略を内乱へ」の闘いに求められていることだ。
今回課題となったのは冬季一時金の切り下げ問題だった。それは6月に闘われたストの夏季一時金問題と全く同じ課題だ。
さくら労組の夏季冬季一時金は、多くのタクシー会社がそうであるように「ランク制」をとっている。端的に言えば、それぞれの労働者の半年間の売り上げを6つのランクに分け、そのランクに応じて一時金を支給する、というものだ。当然労働者は一つでも上のランクに入って、より高い一時金を得ることを目指して日々の仕事をすることになる。
しかし、今回会社側から提案されたのは、6月をも超える大幅な改悪だった。各ランクの足切り額(=ハードル)を50%引き上げるというものだ。過去に引き上げられた時でもせいぜい10%程度だったものを、会社側は一方的に大改悪したのだ。
しかも、団交の場でその具体的中身が通知されたのは一時金支給の10日前。会社は「これは決定です。計算の根拠は説明しません。これで支給します」と言い捨てて団交の場を去ったのだ。「目標」を突如として変更された労働者が怒るのはあまりにも当然だ。
だが、資本の側の反動は闘いさえあれば労働者のさらなる団結を生み出す。今回のスト集会には、SKグループ内の他労組の委員長が参加し、上部団体が違う全自交傘下の労組の委員長からも激励の連絡があった。
さくら労組は、今回の課題についての闘いを徹底的に推し進めるとともに、ライドシェア反対闘争において全国のタクシー労働者の旗頭になり、総反乱を組織しようとしている。ライドシェアは崩壊した新自由主義の絶望的政策であると同時に、「デジタル田園都市国家構想」=戦争国家化にむけた国家大改造攻撃の一環としても位置付けられている。
いよいよ本格的に「侵略を内乱へ」を担う労組を登場させなければならない。さくら労組と共に、全国のタクシー労働者は総決起しよう。
(北海道 S)
教員の怒りは限界を通り越している! 日教組香川三観地区教職員組合、違法な時間外労働を教員に強制するな
日教組香川三観地区教職員組合の会計年度任用職員の組合員が12月15日、勤務する中学校で29分の指名ストライキに決起した。違法な時間外勤務の強制を告発するストライキだ。
私たちの怒りは限界を通り越している。香川県人事委員会や教育委員会は給特法(教育職員給与特別措置法)によって労働基準法すべてを適用除外にできるという暴論を公式見解として主張し始めている。教員には「労働時間の上限」「休日」「休憩時間」など必要ないというのか! 教委は教員を病休や退職に追いやり、欠員状態をつくり教育を破壊しているのだ。ふざけるな! 私たちが生きている人間だとすら、教委は思っていない。職場の違法をただちになくせ! ストは人間として生きようとする当然の権利だ。
「休憩時間」を取らせる措置をとれと組合で要求して1年以上が経つ。教委は違法な時間外労働の実態を知りながら放置してきた。しかし、スト通告からわずか3日後には、自らの違法は棚に上げ「ストは違法。厳正な措置をとる」と脅してきた。
私たちはスト中、教委に抗議した。「ストに対して3日間で回答できるのだから、3日後の18日には休憩時間をとらせろ。休憩時間は給特法の適用除外とされていないぞ」。教委「急にはできない」。私たち「いつからできるのか? きちんと対処してこなかったからストに突入しているんだ。厳正な措置、やれるものならやってみろ!」。私たちは市役所前で抗議集会に入った。
今回のストは全労働者の怒りに通じる戦時下の闘いだ。戦争は人間を使い捨てにする。反戦を訴えなければ、戦争に動員され、殺し殺される。裏金作りしてきた連中が学校を戦争の道具にし、戦争教育を強いている。だからこそ「教え子を再び戦場に送らない」闘いに立つのだ。戦争で職場で殺されてたまるか! 24春闘勝利! 何よりも直ちに戦争をやめさせることだ。
(日教組香川三観地区教組執行委員長・片山元久)
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