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ドイツ階級闘争を牽引する機関士労組(GDL)のスト

20141021e-1.jpg ドイツ機関士労組(GDL 3万4000人)が、再び10月15日午後2時(現地時間)から16日午前4時まで14時間の全国ストライキを闘った。このストは、組合員のスト権確立賛否投票で91%の支持を獲得して敢行されたもので、実際、全国で鉄道運行の70%が運休という重大な影響をもたらした(→写真①)。すでにこの間、ドイツ機関士労組は9月初めの警告ストに続き、10月9日付「前進速報版」にも掲載されたように10月7―8日にも9時間のストライキを闘っている(→写真②)。

20141021e-2.jpg ドイツ鉄道(DB)に対する機関士労組の要求は、賃金の5%引き上げと週39時間労働から週37時間労働への2時間短縮、1回の就業時間内における運転時間の1時間短縮などだ。さらに、このかんのストの争点にはもう一つ、「単一の協約交渉」(一職場・一交渉労組・一協約)を法制化して強制しようという政府・財界の攻撃がある。これは、一職場で多数を組織している労組に単一の交渉権を与え、その他の少数派労組は、多数派労組によって締結された協約に従うことを強制するものである。同時に、協約交渉中は、当該労組をはじめ、それ以外の労組のストライキも禁止するという条項を法律に紛れ込ませて、スト権そのものを抑圧しようとするものだ。ドイツの鉄道では、機関士労組よりも労資協調的な鉄道・交通労組(EVG 組合員24万人)が多数派組合だ。
 他方、ドイツ機関士労組内部でも、執行部と現場労働者の間にストの獲得目標において最初から大きな対立があり、それはこのかんますます明確なものとなっている。執行部が「単一の協約交渉」問題で当局・政府からの譲歩が引き出されば、その他の要求は基本的に取り下げてもいいと考えているのにたいして、現場組合員は賃金・労働時間などの要求も反合理化・運転保安闘争の立場から絶対に譲れないものと見ているからだ。これに対して、執行部は反対派の現場組合員を組合から締め出すなど「未曽有の粛清(しゅくせい)」(現場の声)に手を染めている。このようななか、ストの戦闘的な貫徹のためには組合権力の奪取が必要という認識が現場組合員の中で急速に広がっており、動労千葉と連帯して闘う「ベルリン都市鉄道の民営化に反対する行動委員会」の仲間は、その先頭に立っている。
 大恐慌の深まりの中、帝国主義間争闘戦はついに軍事化・戦争化の段階に突入し、ヨーロッパ正面ではウクライナ争奪戦としてぬきさしならない事態に発展している。しかし大恐慌は、戦争ばかりでなく革命的情勢をももたらす。このかんの機関士労組の連続ストライキに代表されるドイツの階級闘争の高揚はそのことを明確に示している。(か)

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