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ふくしま共同診療所医師杉井吉彦さんを招いてNAZENヒロシマ2周年の集会

20140222a-1.jpg 2月11日、広島市南区民文化センターにおいて、ふくしま共同診療所医師の杉井吉彦さんを招いてNAZENヒロシマ結成2周年の集会を開催し、広島県内から100人が参加しました。
 NAZENヒロシマ呼びかけ人である被爆者の吉原美玲子さんが開会のあいさつを行い、「福島の人々にこれからも寄り添っていきたい。共同診療所の募金を支えていきたい」と述べられました。続いて、都知事選を鈴木候補とともに先頭で闘い抜いたNAZENフクシマの椎名千恵子さん(3・11反原発福島行動実行委員長)の3・11福島への結集を呼びかける熱いメッセージが、広島大学の学生から紹介されました。

 杉井先生が1時間以上にわたって講演を行いました。杉井先生は冒頭、「福島の話は必ずヒロシマの話から始まる。一度広島で話したかった。原発は地上におかれた原爆であり、原爆の爆発過程と同じ原理で動いている。今も再爆発の恐怖と福島は向き合っている」と述べ、安倍首相の「アンダーコントロール」「健康について現在も将来も全く問題はない」というオリンピック招致演説について「福島の人はみんな怒っている」と怒りを表明。福島における健康被害の隠蔽、抹殺、安全キャンペーンと福島の人々に持ち込まれている分断。3・11から3年目を迎える福島の現実が、スライドなども通してリアルに報告されました。子どもの甲状腺がんが疑い含めて75人と発表されましたが、福島県立医大はなおも原発事故との因果関係を否定し続け、不安に思った保護者や住民が自主的に検査を受けることさえ抑圧しようとしているという事実には驚きと怒りが広がりました。
 杉井先生は共同診療所の避難・保養・医療の原則を以下のように明確に述べました。「被害がでないのが第一。医療はまず予防。放射線障害が出てから治すというのは間違っている。放射線障害を予防する。そのためにはまず避難を呼びかける。患者に避難をすすめたら経営が成り立たないという人もいるが、みんなが避難して健康被害も出ず、それで経営が破綻するならそれが一番良い。避難の次は保養。全国の人が真剣になって保養に取り組んでほしい。原則は避難・保養・医療だ」。医師として、医療に携わる者として、そして人間として、放射能の不安と原発事故と闘う福島の人々と心を共にする杉井先生の訴えに参加者は共感し、ふくしま共同診療所をみんなで支えようという気持ちを強くさせました。
 質疑応答の後、福島の母子保養に取り組むNPO法人よもぎのアトリエの室本けいこさんからカンパアピールが行われ7万円近くのカンパが集まりました。NAZENヒロシマ呼びかけ人である高陽第一診療所労働組合委員長・森末一義さんが基調提起を行いました。森末さんは都知事選が切り開いた地平に確信をもち、被曝労働拒否、新自由主義と闘う労働運動こそ全原発廃炉を実現する力であると提起。さらにふくしま共同診療所とともに高陽第一診療所を被曝と闘い、新自由主義と闘う拠点として固めていく決意を語りました。そして3・11福島行動を成功させ、8・6ヒロシマ世界大会へ全力で闘っていこうと訴えました。
 会場から広大原医研の大瀧慈教授、「黒い雨」原爆被爆者、広大学生自治会委員長の百武拓さん、島根原発廃炉を闘うNAZEN山陰からのアピールを受け、最後に被爆2世の中島健さんが閉会あいさつを行いました。中島さんは「広島も原爆投下後、プレスコードで医者がカルテに被爆のことを書くことも出来なかった。これに対して自分たちは帝国主義から医療を取り戻そうということで高陽第一診療所を作った。原点に帰って闘っていきたい」と決意を述べました。2・11NAZENヒロシマ集会は、3・11から3年目の福島の現実に向き合い、福島と広島の団結をさらに固める集会として大成功をかちとりました。(NAZENヒロシマ事務局長・宮原亮)

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