山東省で契約勤務の看護士が「同一労働、同一報酬」を求めストライキ
2月15日、中国山東省菏沢市の私立病院の契約勤務の看護士たちが、「同一労働、同一報酬」を訴えて、ストライキと街頭デモに立ち上がった。
この契約勤務の看護士たちは、非正規労働者であり、その賃金は、一月あたり521元(8857円)という驚くべき低賃金である。「白菜しか食べられない」と、訴えている。看護士の労働は極めてきつい上に、しかも連日残業が入り、休むこともできない。だが「病院看護士条例」には、明確に正規労働者との「同一労働、同一報酬」が書かれている。病院は、この条例を遵守しようとしていない。「もう我慢できない」。契約勤務の看護士はとうとう立ち上がった。
関連部門の指導部に協議を求めに行ったが、指導部は適当にあしらうだけであった。看護士たちは決断してストライキに決起し、街頭デモに立ち、市政府へと向かった。市政府は裁判所に助けを求め、警察隊を動員、看護士たちのデモを阻止しようとした。看護士たちは、警察の弾圧に抗議して、市政府を徹底弾劾した。
中国経済は今、本格的な金融恐慌とバブル崩壊の危機に直面している。1月に中誠信託(北京市)で30億元(520億円)の理財商品がデフォルトの危機に陥った。これは中国政府の意を受けたとされる「正体不明の投資家」が突然現れて、理財商品を買い取って破綻を逃れた。だが今月に入ってからさらに、山西省の聯盛能源(石炭会社)が吉林省の信託会社からシャドーバンキングとして借り入れた資金9億7300万元(165億4100万円)のうちの2億8900億元(49億1300万円)の返済ができなくなった。さらにこの聯盛能源は、別の6社の信託会社(シャドーバンキング)にも総額50億元(850億円)の借金があるということが明らかになり、この借金はすべて理財商品として販売されている。1月に続いてデフォルトの危機が、さらに拡大し、次々と爆発しているのである。
デフォルトが発生し金融恐慌となれば、それは米帝経済、日帝経済をも揺るがし、世界大恐慌を本格化させることは必至である。
こうした金融恐慌の切迫、バブル崩壊、中国経済の危機は、中国の労働者階級に対して激しい首切りや賃下げ、労働強化の攻撃として襲い掛かっている。また一方で、危機乗り切りのためのバブル経済の一層の継続は、物価高を生み出し、また一方で農地や宅地、住宅地の強制収用を連日のように強行し、労働者と農民の生活を根底から破壊している。この攻撃はとりわけ、非正規労働者に激しく襲い掛かっている。
「もはや生きられない!」。こうした怒りが、今回の山東省菏沢市の私立病院の契約看護士の闘いをはじめとして、全中国で連日のように労働者階級が決起している。動労千葉の掲げる「非正規職撤廃、外注化阻止」のスローガンは、中国の労働者階級の闘いと完全に一体である。中国の労働者階級と団結して、国鉄決戦を柱に、日本の労働者階級の組織化の闘いを徹底的に進めよう!(K)
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