深まる中国金融危機、日系上海住友化学電子が倒産、労働者が徹底抗議
中国での金融危機はまったく新しい段階に入った。今月に入ってから爆発した山西省の聯盛能源(石炭会社)が吉林省の信託会社など7社からシャドーバンキングとして借りた50億元(850億円)にのぼる借金の返済危機は、中国経済をデフォルトの危機にたたきこみ、金融不安を拡大している。
こうした中で26日午前、山東省、山西省、遼寧省、吉林省、浙江省の投資した人たち約40人が、太原市にある中国建設銀行山西支店の前に集まり、購入した理財商品の原資と利息の補償を求めての抗議行動を行った。金融不安の広がりが、とうとうこういう事態を引き起こしているのだ。理財商品の崩壊が本格的に始まろうとしている。
これをさかのぼる23日には、杭州市で数時間の間に不動産価格が暴落する事態が発生した。1平方メートルあたり6000元(10万2000円)にもなる下落であり、当日に1平方メートルあたり19300元(32万8100円)でマンションを購入したばかりの者たちが、50数万元(850万円以上)をたった数時間で失ってしまうという事態となった。ここでもマンション所有者たちが、不動産会社を取り巻いて抗議する事態となっている。
つまり今や中国の金融危機はあちこちで火を噴き、大爆発の一歩手前となり、同時にバブル経済も本格的な崩壊過程に突入したのである。そしてそれが、投資家から一般の労働者庶民までも、破産と生活破壊の危機に叩き込もうとしており、新たな激動が始まろうとしているのである。
世界大恐慌への突入と中国経済のこうした危機の深まりは、すさまじい形で資本も追い込んでいる。上海市外の高橋保税区にある日系住友化学電子工場は、23日に倒産を宣言した。それも卑劣なことに、事前に労働者に対して何の説明もなく、逆に日曜日も出勤するように行っておきながら、22日の夜に突然すべての設備を撤収し、23日に倒産を宣言したのである。23日の日曜日、労働者が休日出勤すると、保安員が工場に入ること阻もうとし、ここで初めて労働者たちは事態を知ることとなったのだ。
しかし工場の中には労働者個人の私物もある。倒産に伴う何の補償もされていない。労働者たち約200人は阻止を振り切って工場内に入り、占拠し、不当解雇を弾劾し、補償を求めて闘っている。この上海住友化学電子の労働者たちの闘いは、上海公安局、労働局、上海市政府をゆさぶり、追いつめている。
開始された金融危機の爆発、バブル経済の崩壊は、こうした労働者の決起をますます促進することは必至である。また中国経済が、今や世界経済のひとつの大きな柱となっている現実からも、この中国金融恐慌の爆発は、世界恐慌の本格的な爆発の引き金を引こうとしている。それは同時に、中国の労働者階級の闘いが全世界の労働者の闘いと合流し、アジア革命、世界革命に向けた闘いを切り開いていくものとなるだろう。
国鉄決戦は、こうした中国の労働者階級との団結をつくりだす核心的な闘いだ。6月までの過程を、全力で闘いぬこう!
写真1、2月26日、中国建設銀行山西支店の前で崩壊する理財商品の補償を求めて抗議する人々
2、2月23日、不動産価格の数時間での暴落に抗議して不動産会社に押しかけた不動産購入者と、突入を阻止しようとする警察
3、突然の倒産に抗議して工場を占拠して闘う上海住友化学電子の労働者たち
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