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三里塚・一坪共有地裁判、「千葉県の事業計画はとうに破綻している」

20140521b-1.JPG 5月15日、千葉地裁民事第5部(松並重雄裁判長)で、一坪共有地裁判の弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の労働者・学生は、顧問弁護団とともに「農地死守」の気概に燃えて闘った。
 この裁判は成田空港4千㍍滑走路北端近くある駒井野の一坪共有地を強奪するために、千葉県が2006年に提訴したものだ。県は千葉新産業三角構想の「成田国際物流複合基地計画」の一環として、この土地を造成して成田空港会社(NAA)に売り渡すというのだ。
 ところがそんな仰々しい名前を付けた「プロジェクト」は、世界大恐慌情勢と成田空港の地盤沈下によって、とうに破綻を突きつけられ、まったく進展していない。こんなもののどこに「緊急性」「公共性」があるというのか。

20140521b-2.JPG 原告・千葉県は、今回準備書面16を提出してきたが、これは反対同盟側の追及に追い詰められて動揺・混迷している姿を自らさらけ出すものだった。同書面は、「千葉新産業三角構想には公共性がある」「成田空港の地位低下、貨物取扱量の減少という反対同盟側の主張は事実と異なる」などと強弁するが、その根拠はというと、「以前に書面で出した通りだ」と言うだけだ。提訴からすでに8年もたとうとしている。08年リーマンショックがあり、3・11が起き、羽田の国際空港化との対比で成田が没落しているさまは、誰の目にも明らかだ。彼らの時代認識が8年たっても「前と同じ」では、いくらなんでも通用しない。
 この事業については、昨年の夏に産経新聞に「企業庁は2015年度末に清算を終え、500㌶の土地を不要財産として売却する。130億円が負債として残る」との記事が載った。この記事を認めるのかどうかについて、県の今回の書面での回答は「不知」というただ二文字!
 顧問弁護団が「不知とは、記事の存在を知らないということか」と問いただすと、県の代理人弁護士は「記事の存在自体は認める……」などと苦しげに述べた。傍聴席からは失笑が漏れる。
 またこの書面で県は、一坪共有地が「三里塚地区周辺に土地をもつ会」の組合財産であるとの明白な事実について、「会が民法上の組合とは到底認められない」と、繰り返している。許すことはできない。
 弁護団はこのインチキで空疎な県の主張に対し、今後徹底的に粉砕する姿勢を示した。
 次回期日を7月24日として閉廷。千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士を始め弁護団が法廷を解説し、「県側の社会認識はゼロ」と明快に批判した。
 また弁護団は、6・25市東孝雄さん農地裁判控訴審次回弁論に向けた東京高裁・貝阿彌誠裁判長との折衝について報告し、不当な制限を打ち破って控訴理由書陳述の続きをやりぬくことを確認した。
 最後に司会の伊藤信晴さんが、6・25へ農地強奪反対3万人署名への一層の取り組みを訴え、集会終了後に直ちに反対同盟と支援連は千葉駅頭に繰り出し、署名・情宣活動を行った。(TN)

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