被爆70周年8・6ヒロシマ・アピール集会・デモ
8月6日朝6時、原爆ドーム前に「戦争法阻止!再稼働反対!ヒロシマの怒りで安倍を倒せ!」の大横断幕が広げられた。7・15-16安保法案衆院強行採決への怒りが町中に充満している。「戦争反対!安倍倒せ!」が被爆70年の全広島のスローガンだ。
この安倍打倒情勢におびえた広島県警・市当局は、右翼をも公園内に引き入れ、集会破壊に躍起となった。激しい攻防の中、「戦争反対! 安倍を倒そう!」のシュプレヒコールが響きわたる。広島連帯ユニオンの宮原亮青年部長がマイクを握り、被爆者を始め平和公園に詰めかけた広島市民に訴える。「被爆70年、被爆者を先頭に二度と再び戦争をするな、広島・長崎をくりかえすなと闘い続けてきた。ヒロシマの怒りをたたきつぶして再び戦争に突き進もうというのが安倍であり、桜井よしこやJR東海の葛西らだ。8・6ヒロシマの団結した力で安倍政権の息の根を止めよう」
「福島の現実を見てください。放射能の汚染地帯に帰還せよ、補償も打ち切ると福島を見殺しにしている。70年前、原爆が投下され、一瞬にして14万人の命が奪われた。アジアの2千万人が殺され、200万人の若者が戦場で餓死を強制された。私も被爆者の孫ですが、今こそ怒りを解き放って一緒に声を上げよう」
午前7時、原爆ドーム前で被爆70周年8・6ヒロシマ・アピール集会(被爆70年8・6ヒロシマ大行動実行委主催)が宮原さんの司会で始まった。
冒頭、広島の被爆2世が発言に立った。大行動呼びかけ人の中島健さんは、広島市議会が戦争法案に反対する決議を否決し、松井市長は平和宣言で戦争法案に一切触れないことを弾劾し、「8・6ヒロシマ大行動の大きな目的は9月を待たずに安倍を打倒して戦争法案を粉砕することだ」と怒りを込めて宣言した。続いて全国被爆者青年同盟の壹貫田康博委員長(広島連帯ユニオン書記長)は、「いよいよ安倍を打倒する時が来た。昨日、国会で(自衛隊が)核兵器を運搬することも理論上あり得るなどと言い出した。世界の仲間と団結して安倍を打倒しよう」と怒りのアピール。
福島から駆け付けた椎名千恵子さんが「すべて戦争を前提にやりとりされる国会はおかしい。私たちの運動は助けてくれとお願いする運動ではない。この社会の真の主人公である労働者が自らの足場で行動し、戦争を止め、社会のあり方を変える陣形です。どうぞ、一緒にデモに参加してください」と呼びかけた。浪江町「希望の牧場」の吉沢正己さんからのメッセージが紹介された。「この夏、原発も戦争法案もいらない。安倍はやめろと頑張る時だ。実力闘争が決していく情勢だ。思っているだけではダメだ。行動しながらみんなでつながっていこう」。福島からの力強い訴えに大きな拍手が応えた。
沖縄大学学生自治会の赤嶺知晃委員長は、戦争法案阻止の7・15-16国会闘争後、沖大生から「よくやってくれた」「徴兵が始まるんじゃないかと夜も眠れない。戦争は絶対に許せない」「学生自治会が言っていることは正しい」などの声が届いていると語り、階級的な怒りの解体を狙うオール沖縄勢力の制動を突き破り、「沖縄の怒りをゼネラルストライキへ!」と決意を語り、斉藤郁真全学連委員長は「歴史選択のかかった日となった。広島の怒りを形にし、安倍首相をヒロシマからたたき出すデモをしよう!」と呼びかけた。
被曝労働拒否を闘う動労水戸の国分勝之副委員長が、「どこに逃げていいかわからず、電気も停まって真っ暗、命からがら逃げた。まるで戦争のようだった」との3・11被災者の体験を紹介し、「ヒロシマ、福島の怒りを体現し、労働組合でストライキを闘おう」と訴えた。元原発労働者の斉藤征二さんは、4歳半で戦争で父を亡くした経験から「マイナンバー制は徴兵制と一体の攻撃だ」と警鐘を鳴らすとともに「戦争、原発、オリンピック、責任を取らない政治なんかいらない。未来を守る力は若い青年労働者、学生だ」と、青年の決起に期待を込めた。
昨年に続き来日した韓国・民主労総大邱地域本部の城西(ソンソ)工団労組イムボンナム委員長が「今、安倍は集団的自衛権を発動しながら平和を語っています。暴力と武力でつくられるものが平和ですか? 平和とは工場から追われた労働者が現職復帰すること、民衆が命の基盤を奪われないこと、軍隊と戦争のない社会、君臨せず平等に生きる社会、それがすなわち平和です。全世界の労働者の団結した闘いで戦争に反対しよう」と呼びかけ、「戦争反対! 安倍打倒!」と叫んだ。
長崎の被爆者・城臺美彌子さんは「昨年、(長崎の)祈念式典で被爆者代表として立ち、真っ正面に安倍総理の姿を見たとたん、怒りに身が震えました。用意した原稿ではなく『憲法を踏みにじった暴挙だ』と出ていました。戦争放棄! 安倍政権放棄! 一緒にがんばりましょう」とアピールし、8・9長崎闘争への結集を呼びかけた。
最後は未来を担う青年労働者の発言だ。
川内(せんだい)原発再稼働阻止を先頭で闘うNAZEN福岡の田宮星さんが、再稼働絶対阻止の決意とともに九州での階級的労働運動・学生自治会運動再建を力強く宣言し、広島の教育労働者・倉澤憲司さんは、「教育労働者の決起を抑えるために『目の前の子どもをほっといて行くんか』と言われるが、福島の子どもたちを見て確信した。どこの世界の子どもたちも戦場に送ることはできない」と安倍打倒を訴えた。
NAZEN広島の渡子(とのこ)健さんが「この場で怒らなくていつどこで怒るのか! 広島・長崎、沖縄、福島、すべての怒りを共有しよう」と訴え、「被爆70年8・6ヒロシマ・アピール」を読み上げた。
「戦争・核戦争を阻止するのは、戦争法でも帝国主義の軍事同盟でも、核抑止力=核武装でもない。労働者民衆の戦争絶対反対の闘いだ。1%の資本家と対決する労働者の団結と国際連帯だ。……国境を越えた労働者の団結で、被爆労働拒否、戦争阻止のゼネストで世界戦争・核戦争を阻止しよう! このことを全世界の労働者に訴える。私たちは、被爆70年の8・6ヒロシマから、戦争法阻止・再稼働阻止・安倍打倒へ、歴史的大行動を開始することを宣言する」
原爆投下の8時15分、全被爆者と思いを一つに黙祷(もくとう)。真夏の太陽と蝉時雨、鐘の音の中、戦争絶対阻止・安倍打倒の思いが胸に満ちる。黙祷終了とともに「戦争絶対反対! 戦争法案を廃案にするぞ! ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな!」のシュプレヒコールが元安川を越えて安倍にたたきつけられる。「安倍を倒せ!」
原爆ドームを半周し、式典会場の安倍を直撃するデモに出発! 平和公園の中を祈念式典会場に迫る500人のデモは、ものすごい声援、拍手に迎えられ、共感の輪の中を進んだ。喪服の高齢者が笑顔で振り返り、母親が幼い子どもと一緒に手を振る。テレビカメラや写メール、続々とデモに合流する人びと、世界中から8・6に来日した外国人とも大合流だ。他方、行く手を阻む機動隊、その不当なデモ規制が抗議の声に包囲される。まさに安倍打倒は待ち望まれる時の声だ。今がその時だ!
デモの終着点、中国電力本社前でマイクを取った壹貫田さんは、式典会場内では安倍発言に参加者から「戦争法案反対!」「安倍帰れ!」の抗議の声が飛び、拍手が巻き起こったこと、さらにヒロシマ大行動デモのシュプレヒコールも届き、これにも拍手が起きたことを報告。さらに午後の集会・デモを闘いぬこうと呼びかけた。こうして歴史的な8・6闘争が始まった。(K)
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