動労福島を結成 郡山に動労総連合の旗が立つ
動労総連合傘下の7番目の組合として、動労福島が9月10日、満を持して結成された。国鉄労働運動の伝統的拠点である郡山総合車両センターについに動労総連合の旗が立ったのだ。
この日、動労福島は地元福島の労働者を中心に全国から集まった仲間120人とともに、早朝と昼の郡山総合車両センター門前での宣伝行動、結成大会、郡山総合車両センター1周デモ、夕方からの郡山駅前街宣と結成集会の一連の行動を闘いぬいた。台風通過に伴う大雨をものともしない闘いは、激動の中で歴史的挑戦を開始した動労福島の船出を象徴するものになった。
結成大会で組合結成の発起人としてあいさつした橋本光一さんは、「動労福島の結成を決断したのは、獄中にとらわれながらすべてを奪還しようと積極的・主体的に生きる星野文昭さんの闘いを学んだからだ」と切り出し、「新自由主義と戦争の攻撃と対決し、職場と社会の主人公となるために動労福島を結成する」と宣言した。
動労総連合書記長で動労千葉執行委員の川崎昌浩さん、動労千葉青年部の木科雄作さん、動労水戸の国分勝之副委員長、動労総連合・新潟の星野文男委員長、動労連帯高崎の木村洋一さんが、連帯のあいさつ。結成に至る過程を自らの闘いとして貫いてきたふくしま合同労組の藤井千賀子書記長は、「動労福島とふくしま合同労組は福島、東北の階級的労働運動の結集軸になる」と鮮烈な決意を示した。
組合規約と運動方針を採択し、「福島の地に階級的な労働組合の旗を打ち立てる意義は計り知れない」「階級拠点の強化の闘いに直ちに入る」という結成宣言を全体の拍手で確認した。委員長に橋本さんが選出された。
大雨を突いて、郡山総合車両センターを1周するデモに出た。工場門前では、管理者の抑圧に屈することなく青年労働者がデモに注視した。闘う労組に結集しようという呼びかけは、労働者の心に確実に届いたのだ。
工場門前と郡山駅前での宣伝行動を終え、夕方から動労福島結成集会が開かれた。
主催者としてあいさつした橋本委員長が、動労福島結成の意義を、①戦争法案を強行する安倍に対する歴史的決起が始まっている中で、その闘いの先頭に立つ労働組合として動労福島を結成した、②全面外注化を軸とするJR大再編は青年の未来を奪う攻撃であり、これと真っ向から闘う労働組合が必要だ、③原発事故の福島にこそ闘う労働組合が必要だ、④動労千葉、動労水戸の闘いが切り開いた展望に断固続く――と4点にわたり提起した。
連帯のあいさつを動労総連合の川崎書記長が行い、動労福島の結成を力に動労総連合を拡大すると表明した。また、外注化から3年目の10・1と11・1千葉運転区廃止―運輸区化攻撃を前に、ストを構えて闘うと宣言。さらに、戦争法案阻止と11・1労働者集会への総決起を訴えた。
動労水戸の辻川慎一副委員長は、「日本共産党は戦争法案が決まったらもう闘えないと言い始めた。動労総連合はこうした屈服・裏切りを打ち破ってきた。戦争法、放射能汚染地域への帰還の強制、労働者派遣法改悪という労働者の命を奪う攻撃に絶対反対でぶれずに闘う。その総反撃ののろしが今日あがった」と動労福島結成の歴史的意義を強調した。
動労水戸の照沼靖功さんが、常磐線全線開通阻止の決意を語り、動労連帯高崎の木村さんは「動労総連合の先陣を切って12日、ストに立つ」と宣言した。青年組合員とともに登壇した動労神奈川の中村幸夫委員長は、清掃労働者の置かれている現実に怒りを表した。動労総連合・新潟の星野委員長が、国鉄新潟闘争以来の闘いの伝統を引き継ぎ、それを階級的に開花させるのは動労総連合だと表明した。同労組の青年は、職場での組織拡大を報告した。動労水戸支援共闘呼びかけ人の小玉忠憲さんが、「解雇も出向も認めた国労に未来はない。橋本さんはすごい格闘をして今日を迎えた。私も動労総連合建設の先頭に立つ」と断言した。
地域から、全金本山労組の長谷武志副委員長が発言し、本山闘争の教訓に基づき、体制内労組と決別して動労福島を結成したことの意義の大きさを説き明かした。みやぎ連帯ユニオンの金子哲夫委員長は、宮城での国鉄集会に向けての意気込みを語った。福島県内の自治体労働者がともに闘うと決意を述べた。福島・星野文昭さんを取り戻す会の藤井精二さんは、「郡山での星野集会が転換点となって橋本さんは動労福島の結成を決断した」と述べ、「星野闘争と国鉄闘争は一体だ」と強調した。徳島・救う会の元木美紀子代表も駆けつけて連帯の意思を熱く表明した。
3・11反原発福島行動委の椎名千恵子さんは、原発事故から4年の福島の現状を怒りを込めて告発し、「橋本さんは反原発闘争の代表的人格でもある」と述べ、ともに闘うことを呼びかけた。ふくしま共同診療所は、動労福島とともに診療所も労働組合建設の拠点になるという決意を示した。
動労福島の全組合員が登壇し、全体で団結ガンバローのこぶしを突き上げた。熱気と高揚とあふれる解放感の中で、動労福島は労働運動史を塗り替える闘いに出発した。(K)
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