動労総連合定期大会 新たな単組加え方針確立 JR産別労組への飛躍かけ
動労総連合は12月5、6日、DC会館で第30回定期全国大会を開いた。昨年12月の大会以降、今年2月に動労神奈川、7月に動労総連合・新潟、9月に動労福島が結成された。これら新たな単組から選出された代議員を加えての今回の大会は、動労総連合がJRの労働運動の主流派に躍り出る出発点を築く歴史的なものになった。
開会を宣言した石井真一副委員長(動労水戸)が、この大会でかちとるべき課題を次のように提起した。「第3次世界大戦に向かう情勢が始まった。これに『動労総連合を全国に』の方針で立ち向かおう。地に足をつけた闘いで総連合をさらに全国に拡大しよう」
●3けたの組織拡大必ず実現
あいさつに立った田中康宏委員長(動労千葉)はまず、「動労総連合30年の歴史の中でも、この大会は大きな節目、歴史的大会だ。神奈川、新潟、福島に新しい単組が結成された。新しい仲間の多くは、国労から結集した。その決断は簡単ではなかったが、労働者の未来のために決断した。ともに全力で闘っていきたい」と切り出した。そして、「ここにはJRのグループ会社で働く仲間もたくさんいる。まともに生活できない労働条件と低賃金という困難な状況の中から、身を切る決断で決起した。こうした熱い思いが集まって、皆でスタートラインについたのが今日の大会だ。現在の動労総連合はまだ過渡的な姿だ。JRに新しい産別労組を打ち立てよう」と提起した。
さらに、「生きさせろ、戦争絶対反対の怒りの声が渦巻いている。国鉄・JRで闘う労働組合をつくったら歴史は動く。次の大会までに3けたの組織拡大を実現しよう」と訴えた。
そして、戦争が現実に開始された情勢に労働者は全力で立ち向かわなければならないと強調し、安倍が戦争法とともに強行した労働者派遣法改悪を「国鉄分割・民営化以来の大転換」と喝破して、「派遣労働者を3年で全部クビにする。この3年が労働運動をつくり直す勝負だ。非正規と貧困の問題は爆発的に噴出する。この現実の中から闘う労働運動を取り戻そう」と力説した。さらに、韓国・民主労総も外注化攻撃との壮絶な闘いに立ち上がっていることを説き明かし、外注化・総非正規職化を軸とする第2の分割・民営化攻撃との対決を呼びかけた。
田中委員長は、来年の闘いは改憲阻止が焦点となること、16春闘を非正規職撤廃の決戦として構えることを訴え、「動労総連合が拡大した時、労働運動はよみがえる」と再度強調した。
経過を石井副委員長が報告し、JRをめぐる情勢を大竹哲治執行委員(動労千葉)が提起。川崎昌浩書記長(動労千葉)が運動方針を提案し、①1047名解雇撤回・JR復帰に向けて国鉄闘争全国運動を拡大する、②大量退職を逆手に取った組織破壊攻撃と対決し、定年延長・65歳まで働き続けることのできる労働条件を確立するとともに、ライフサイクル強制配転を打ち破る、③反合・運転保安確立、貨物大合理化粉砕、④ストライキの復権をかけて16春闘に立ち上がる、⑤戦争・民営化と闘う労働組合の全国ネットワークを発展させる、⑥組織強化・拡大に全組合員が総決起し、動労総連合を全国につくり出す――を軸とした闘いの基調を打ち出した。
●“ストで職場の雰囲気が一変した”
討論は青年組合員がリードした。総連合青年部の結成に向け、青年が組織拡大の先頭に立つこと、自身が組合の指導者となる決意が表明された。動労総連合・新潟は、外注先のNTS(新潟鉄道サービス)の非正規労働者への解雇攻撃に対し、組合員通告をし団交を要求をしたところ、会社は解雇を「保留」にしてきたと報告した。
動労連帯高崎の代議員は、ストライキの貫徹でTTS(高崎鉄道サービス)の清掃職場の雰囲気は一変したと発言した。動労水戸の代議員は、常磐線全線開通と會澤憲一組合員へのライフサイクル強制配転を絶対に阻止する決意を語った。
動労千葉の代議員は、千葉運転区廃止・運輸区新設に反対して闘われた指名ストについて報告し、「青年のほとんどが非正規職にされている現実に立ち向かうため、覚悟を持って職場に帰ろう」と訴えた。動労西日本の代議員は、来年7月の広島印刷事業所廃止攻撃を阻止する決意を述べ、動労神奈川の代議員は非正規雇用と低賃金を強いる資本と、その手先となったJR総連系御用労組への怒りをたぎらせた。動労福島の代議員は「新組合を結成し縦横無尽に闘えるようになった。郡山総合車両センターの外注化阻止へストを構え闘う」と表明した。
さらに、JR関連会社の代議員から動労総連合としての統一要求を掲げて春闘を闘うことを求める意見や、マイナンバー制度反対の具体的方針を求める意見が出された。
●青年部の結成へ規約を改正
総括答弁で田中委員長は「われわれは新しい歴史に勇気を持って踏み出した。非正規の現実を変える闘いはそう簡単ではなく、困難が山積している。だが、覚悟さえ持てば労働者には力がある。動労総連合が3けたの組織拡大を実現し、力ある存在として登場すれば、非正規労働者の国際的統一要求・統一闘争を展望できる」と提起した。
全員で運動方針を確認し、スト権を満場一致で確立した。「この組合に青年部を置くことができる」という項目を新設する規約改正も行われた。
動労総連合・新潟の星野文男委員長と動労連帯高崎の漆原芳郎副委員長が、新たに総連合の執行委員に加わり、万全の闘争体制を整えた。
動労総連合はJRと関連会社労働者を圧倒的に組織する産別労組へと飛躍する歴史的な一歩を踏み出した。
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