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弁護士会館クレオ集会 「新捜査手法」廃案へ 司法改悪と対決し210人結集

20160519h-1.JPG 5月17日、東京・霞が関の弁護士会館2階クレオで「改憲・治安立法・裁判員制度に反対する5・17集会」が210人の参加で開かれた。おりしも国会で盗聴拡大・司法取引・証人隠しなどを狙う新捜査手法法案(刑事訴訟法改悪など)の採決が狙われており、これと真っ向から対決してかちとられた。
 初めに主催3団体を代表して、「憲法と人権の日弁連をめざす会」代表の高山俊吉弁護士があいさつした。高山弁護士は2月の日弁連会長選挙に立候補して反動的「司法改革」推進の日弁連執行部候補と対決して闘い、5千票の支持を獲得した。高山さんはこの闘いを振り返りつつ、「みなが支配者の『改革』の言葉にうそと欺瞞(ぎまん)を見抜き、闘いを始めている。時代が大きく変わる証しだ」と歴史的転換点を強調し、戦争・改憲、司法改悪阻止へ闘いを呼びかけた。

内田博文教授が治安法批判
 集会のメイン企画として、内田博文教授(神戸学院大学法学部・刑事法学)が「戦争と治安法」と題し40分間の講演を行った。内田教授は、戦前の残虐非道な治安弾圧と戦争が法令に基づいて進められたことを明らかにし、現在「平時の治安政策」から「戦時の治安政策」への転換が、まるで戦前に学んだ設計図が存在するかのように進められていることに強く警鐘を鳴らした。そして安倍政権の戦争・治安政策、「司法改革」を真正面から批判した。
 内田教授は講演の締めくくりに戦前の弁護士・布施辰治の座右の銘「生きべくんば民衆とともに、死すべくんば民衆のために」を紹介し、今の時代状況に法律家がなすべきことは何かを訴え、闘う者の連帯、信頼と連携を呼びかけた。重厚な内容と、情熱と気迫のこもった講演は参加者に深い感銘を与え、闘いの決意を呼び起こした。内田教授は昨年12月に『刑法と戦争』(みすず書房)を発刊し、今回の講演の内容を実証的に展開している。
 続いて西村正治弁護士(現代の治安維持法と闘う会)が、国会審議中の新捜査手法の批判を行った。とりわけ栃木・今市事件の裁判員裁判で、今年4月に宇都宮地裁が「取り調べ」録画を唯一の証拠にして無期懲役判決を行ったことを弾劾し、「取り調べ」録画が冤罪(えんざい)を防ぐどころかデッチあげの有力な手段として使われることを強く批判し、「新捜査手法」廃案へ全力で闘うことを呼びかけた。
「裁判員」廃止へ新たな決意
 さらに「裁判員制度はいらない!大運動」世話人の中島偉晴さんが発言し、裁判員制度がいまや裁判員候補者の8割が呼び出しにも応じず、崩壊局面に入っていることを明らかにした。そして、「さらに強力に闘って、現代の赤紙=裁判員制度を廃止に追い込もう」と呼びかけた。
 全学連の洞口朋子さんは京大反戦スト弾圧粉砕の勝利を報告し、立川駅街宣「傷害」デッチあげ弾圧に対しても「連戦連勝の全学連は絶対に勝利する」と決意を述べ支援を訴えた。
 動労千葉の川崎昌浩書記長は国鉄1047名解雇撤回・JR復帰へ、6・5国鉄闘争全国集会への結集を呼びかけた。
 最後に「許すな改憲!大行動」呼びかけ人の鈴木達夫弁護士が「新しい労働者の政党を」と題してアピールし、7月参院選に立候補して闘う決意を表明した。
 集会のまとめと行動方針を、武内更一弁護士(「憲法と人権の日弁連をめざす会」事務局長)が提起した。武内弁護士は、「内田教授の講演が戦争と治安弾圧の歴史を繰り返さないために法律家のなすべき役割を熱く訴えたことに深い感銘を受けた」と感想を述べ、新捜査手法法案の採決阻止へ、19日の国会行動と6・5国鉄集会、7月参院選に決起することを呼びかけて集会を締めくくった。
 弁護士と労働者・学生市民が団結した画期的な集会だった。

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