東京・関西・広島で狭山集会、「再審・無罪の日まで闘う」
5月23日、無実の部落民・石川一雄さんの不当逮捕から53年を迎えた。これを徹底糾弾し、安倍政権の戦争・改憲を打ち破って第3次再審闘争に勝利するために、全国水平同盟を先頭に各地で5・23狭山闘争が取り組まれた。
東京集会は5月21日、渋谷区勤労福祉会館で開催された。主催は部落解放東日本共闘会議と全国水平同盟杉並支部。集会の成功に向けて各地域で情宣とビラ入れ、学習会に取り組んできた仲間を先頭に110人が結集、6~7月選挙決戦へ熱気あふれる集会となった。主催者あいさつを解放共闘の岩本正治事務局長、連帯あいさつを星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議の戸村裕実共同代表が行った。
5・23闘争参加者への石川さんのメッセージが読み上げられた。「事実調べの実現を通して、再審開始、無罪判決という勝利の日まで、文字通り『血の一滴』まで徹底的に闘い抜かんとする私の姿勢は不変である」。石川さんは殺人罪をデッチあげた国家権力に対し半世紀を超え不屈・非妥協で闘っている。参加者はその闘志に応えともに闘う決意を新たにした。
基調報告を満身の決意を込めて杉並支部の田中れい子支部長が行った。「狭山事件とは何か」から始めた田中さんは、死刑判決と対決して無実を叫び立ち上がった石川さんの闘いが労働者を獲得し、狭山闘争が労働者階級の団結の要となり新自由主義との攻防の最前線にあることを明らかにした。最後に「選挙決戦に総決起し大旋風を巻き起こそう」と呼びかけた。杉並支部の狩野正幸書記長は今国会に提出された部落差別解消推進法案は階級性を一掃する攻撃だと喝破し、これを推し安倍の改憲攻撃に屈服する部落解放同盟を厳しく批判。6・5国鉄集会の情宣活動に取り組もうと呼びかけた。
全関西狭山集会は5月21日、八尾市西郡第3集会所に105人が全関西から結集した。 集会は主催団体の関西労組交流センターの木下浩平事務局長の開会のあいさつで始まった。基調報告を行った全国水平同盟の久原正子委員長は「差別の元凶である国家権力・裁判所を倒そうと訴える石川一雄さんの高裁での最終意見陳述を共同綱領とし、新自由主義との最前線の闘いとして、国鉄闘争を軸に労働組合が狭山闘争の先頭に立って闘おう」と訴えた。
基調報告と石川さんのメッセージを受けて、全国水平同盟高槻支部・植木団地労働組合、京都の崇仁支部準備会と東三条の仲間、西郡支部が断固とした決意を述べた。
討論で八尾北医療センター労組の灰垣美佐子書記長は「新自由主義と対決する予防医療・糖尿病教室にかけきって生きるための団結をつくり出し、世の中を変えていく」、西郡支部の佃文弘青年部長は「この間、一つひとつの時代認識をみんなで考え、路線論議をみんなで進め、柔軟性をみんなで養うことで前進するのだとつかんだ。八尾北医療センター労働組合と一体で団結を拡大し世の中をひっくり返す」と表明した。奈良の自治体労働者は下水道の民間委託=解雇攻撃に対し「(嘱託労働者の)『首は覚悟している。組合はどういうけんかをしてくれるのか。当局のやり方は許せない。人間として扱え』という思いに応えストライキへ突き進む」と宣言した。
広島集会は5月22日、広島市西区福島町の西地域交流センター(旧隣保館)で開催され、広島解放共闘に結集する仲間30人が集まった。広島解放共闘の富村寛久議長(元広教組)が開会のあいさつ。石川さんの5・23メッセージが読み上げられた。事務局が、「権力の差別犯罪」「国家権力こそ部落差別の元凶」と断罪した石川さんの控訴審最終意見陳述こそ今日まで貫かれている狭山闘争の原点であり国家権力を打倒する「革命の共同綱領」と提起し、全体で確認した。
基調提起を広島連帯ユニオンの宮原亮青年部長が行った。狭山闘争は新自由主義との最前線の闘いであり、80年代以降の狭山闘争・部落解放闘争解体攻撃が国鉄分割・民営化と一体の攻撃であることを踏まえ、オバマの広島訪問に示される朝鮮侵略戦争切迫と体制内の総屈服状況下で、国鉄決戦を軸にゼネスト・革命への全戦線・全人民の決起をつくり出す決定的な闘いとして狭山闘争があることを明らかにした。
この記事へのコメントはありません。