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乗務員も乗客も被曝させるな 9・22水戸 常磐線全線開通阻止へ620人

JR水戸支社と東京電力茨城総支社前を通り水戸市内をデモ。東電前では幹部3人への無罪判決を弾劾(9月22日)

9月22日に水戸市で「高線量地帯に向かって列車を走らせるな!―常磐線の全線開通は安全か?―9・22水戸集会」が開催され620人が集まり、集会後は水戸市内をデモ行進した。
2011年3・11大震災と福島第一原発事故で、津波に流され放射能に汚染されて、今も高線量で人の住めない地域で、JR東日本は来年3月末までに常磐線を開通させ、列車を走らせると宣言している。これに対して、労働者と乗客を被曝させるなと、全線開通に反対する闘いが続けられてきた。9月22日の集会は全線開通阻止のための重要な闘いとしてかちとられた。
集会の冒頭に、今年の7月と9月に福島の帰還困難区域に入り、現地の線量を測った動画が上映された。JR東日本が不通区間の線路をまるごと入れ替えたところでは、線量計に毎時0・15マイクロシーベルトと表示されるが、線路の脇では0・74マイクロシーベルト。危険を知らせる「ピーピーピー」という警告音が鳴り続け、線量計が表示できる数値の上限(9・99)を超えたシーンもあった。あまりの高線量に「測っている側の感覚もマヒしてくる」「別の世界に入ったよう」と動画の中で語られた。
 討論通し被曝の危険が明らかに

集会第1部のパネルディスカッションで、高線量地帯に列車を走らせることの危険性が説得力を持って明らかにされた

主催者あいさつを水戸の教会牧師の菊池牧夫さんが行った。
集会の第1部はパネルディスカッション。パネリストとして動労水戸の石井真一委員長、ふくしま共同診療所院長の布施幸彦医師、「ふくしまの子供達とつながる茨城保養の会」の医師、福島県いわき市の畜産農家の斎藤栄一さんが壇上に並んだ。コーディネーターを茨城県地域連帯労組委員長の辻川あつ子さんが務めた。テーマは「原発事故から8年の現状にどういう思いでいるか」「常磐線の開通の現状と内部被曝について」の2点。
斎藤さんが「福島では今でもNHKのニュースは5本のうち3本が原発関連」「牛の餌は放射能に汚染されていない輸入した牧草を食べさせ、代金を損害賠償で東電に請求している」と語り、布施医師が「甲状腺がんは県の発表だけでも218人。県民健康調査検討委員会は『現状では放射能の影響は認められない』と言うが、ほかの病気も出ている。県民はみんな放射能の影響だと思っている」と福島の現状を述べた。
石井さんが、「常磐線の全線開通について、これまでは町の帰町宣言が先だったが、今回は逆。JRは社員を被曝から守ろうとしていない」と語り、「『線量を管理すれば健康は守れる』と言われるんですが、そうなんでしょうか?」と質問を投げかけた。
茨城保養の会の医師もそれに答えて、「体内に放射性物質がある限り内部被曝し続ける」と語り、布施医師も「少ない線量でも障害は確率論的に増えていく。それも数年単位ではなく、もっと長い期間にわたって続く」と答えた。
石井さんが「JRは『車両に放射性物質はつかない』と言っていたが、団交で追及したら、『つく可能性はある』に変わった。しかし、『測定はしない』と言い続けている」と、JRの対応を批判した。茨城保養の会の医師が「列車は粉塵で車体が真っ黒になるんだから、高線量のところで付着した粉塵で内部被曝をしないわけがない。列車を測定して放射性物質がつかないことが明らかにならない限り開通させてはいけない」と答えた。
斎藤さんが「農家は体中ほこりだらけになって作業している。日常的に吸い込んでいる。動労水戸が声を上げているが、農家も声を上げないといけないと思う」と語った。
コーディネーターの辻川さんが「常磐線の全線開通は絶対に許してはいけないとわかりました」と討論をまとめ、会場全体がその思いを共有した。
東海第二原発の再稼働とめよう

福島県浪江町の希望の牧場の吉沢正巳さんが、「原発の時代を終わりにしよう、原発汚染水を海に流すな」と訴えながら、牛の模型を宣伝カーで引っ張って水戸市内を回った

続いて、第2部の各界からのアピールが行われた。
茨城で原発反対の金曜行動に取り組む男性が東海第二原発の再稼働反対を訴え、続いて東海第二原発再稼働についての県民投票に向けた呼びかけが行われた。地元の議員からのメッセージが代読された。
福島県浪江町の希望の牧場の吉沢正巳さんが登壇し、「生きてる限り、残りの人生、闘い続けることを決意しよう! 3・11は終わっていない」と語気を強め、千葉の台風による停電被害について、「金もうけを優先して東京以外を切り捨ててきた結果だ」と東京電力を弾劾した。
常磐線の運転士である動労水戸の高野安雄副委員長が「全線開通に向けて、若い人に異動の強制発令が出された。若い人にそんな危険な場所を走らせるのは許さない」と訴えた。勝田車両センターの検修の現場から、動労水戸の照沼靖功執行委員が「職場で若い人と話をして、動労水戸が怒りを一つにまとめる力になりたい」と決意を語った。
集会のまとめを動労水戸の木村郁夫書記長が行った。「常磐線の全線開通に対して、12月の試運転、来年3月のダイ改をめぐって職場の大闘争をつくっていきたい。東海第二原発の再稼働を止める闘いも、全国の力を結集して前進させよう」と訴えた。
集会後は水戸市内のデモに出発。JR水戸支社と東京電力茨城総支社の前を通るデモコース。動労水戸の組合員と家族が先頭に立って、「常磐線の開通反対」「乗務員も乗客も被曝させるな」とコールを響かせた。東電茨城総支社前では「東電3幹部無罪判決弾劾」の声を張り上げた。

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