埼玉 帰還強制反対で集会とデモ 4人の県外避難者から発言
9月3日浦和で、「帰還強制に反対する」NAZEN埼玉主催の集会が行われた。冒頭、高木美佐子代表が自らの長崎被ばくや被爆者運動の経験にふまえ、「朝鮮半島での核戦争が切迫している。絶対に阻止しなければならない。国境を越えた労働者の団結だけが、戦争を阻止する道だ」と渾身の訴えを行った。
甲状腺ガン多発を報じるDVD上映の後、3・11後福島から県外に避難する4人の避難者から発言があった。代表する形で、加須市に避難する元双葉町町長の井戸川克隆さんが「上映されたような現実になぜなっているのか。それは、当時の民主党政権が『国家を守るために』それまでの放射線被ばくの基準を勝手に変えて住民を犠牲にしたからだ。これは、終戦間際に関東軍がやったような棄民政策。あいまいにしてはいけない」と怒りを込めて弾劾された。
富岡町からの避難者、郡山からの避難者、山形県に避難している方が発言された。郡山からの避難者は「折れそうな気持ちになるが、子どもがこちらで就職するまでは頑張りたい。今日は励まされました」、山形県への避難者は「小児甲状腺がんが173人と報道されているが、実は福島県内では、173は消されてもっと小さい数字で報道されている」と報告された。質疑討論では、埼玉県内のホットスポットといわれる地域に居住する自治体労働者から「子どもにのう胞がある。エコー検査をさせてくれるNPOがあるが、そこでは、検査結果を裁判などで使用しないという誓約書を書かせられる。ふくしま共同診療所以外は福島県立医大とは闘えない」との報告があり、動労連帯高崎、さいたまユニオン、労組交流センターから、「労働組合の闘いが問われている。11月6日日比谷で闘おう」と訴えがあり、楢葉町からの避難者からも発言があった。
最後に、井戸川さんが「労働組合の人にはぜひ頑張ってほしい。現状には非常に歯がゆい思いをしている。現場を知っているのは労働者です。ぜひ、闘う労働者が会社を乗っ取ってほしい」と強く訴えられた。
この日の集会には計7人の避難者が参加された。井戸川さんは、交流会などで「それまでの年間1ミリシーベルトという基準が、福島県内だけ20ミリシーベルトに引き上げられたとき、労働組合はストライキで闘うべきだったんだ」と語っていたという。自治労、日教組、国労などが基準の緩和に闘わなかったことの重大さ、そして動労水戸・動労総連合の被ばく労働拒否の闘いの決定的意義、階級的労働運動を復権させることの不可欠性をあらためて痛感させられた集会だった。(埼玉・小川徹)
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