全国から1510人が結集し「怒りの福島大行動」打ち抜く!
「福島を返せ! 田んぼを返せ、未来を返せ、人間を帰せ!」――張り裂けんばかりの怒りが福島県庁に設置された政府・東京電力の原子力災害現地対策本部にたたきつけられた。6月19日に開催された「怒りの福島大行動」に地元福島の労働者・農民・学生を先頭にして全国から1510人が結集し、3・11大震災と福島第一原発事故以来の決定的な大闘争を打ち抜いた!
30度を超える今年一番の日差しをつき、会場であるJR福島駅近くの「街なか広場」に全国から続々と参加者が結集し、開始時間の午後1時には会場が隅から隅まで埋めつくされた。
呼びかけ人を代表して主催者あいさつを行った清野和彦さん(元福島県教職員組合委員長)は「全国からここ福島に集まっていただき感無量です。誰がこの事態に責任を取るのか! 想定外などという言い方は絶対に許せない! 一番言いたいことは、子どもたちの未来を守ること。ここに力点をおいて全国で頑張っていただきたい」「この状況の中で、もっとも力を発揮して欲しいのは労働組合、そして若い学生のみなさんです。この福島から原発を無くす、それが全国・全世界での闘いの出発点になる」とあいさつした。
ふくしま合同労組の市川潤子委員長が「6・19フクシマアピール」を読み上げ、満場の拍手で採択。現地を代表して、呼びかけ人である本宮町の酪農家・鈴木光一郎さん、国労郡山工場支部の橋本光一さん、さらに福島県教職員組合の角田政志書記長、福島大学の一年生などの熱い訴えが続いた。
さらに動労千葉の田中康宏委員長や、沖縄から駆けつけた基地労働者、動労水戸の国分副委員長、秋田闘争団の小玉忠憲さん、教育労働者、福島出身の闘う弁護士などが、それぞれの思いを込めて渾身(こんしん)のアピールを行った。被爆2世の中島健さんが8・6ヒロシマ大行動への参加を呼びかけた。
午後3時、街なか広場を出発したデモ隊は、県庁脇の自治会館3階に設置された原子力災害現地対策本部に向かった。デモ出発にあわせて駆けつけた若い労働者、沿道から飛び入りする人も相次ぎ、デモ隊はどんどんふくれあがった。6・19デモに恐れをなした政府・東電はこの日、対策本部設置以来初めての「休業」措置を取って逃亡した。なんという卑劣な連中か! 絶対に許せない! 一連なりになった長蛇のデモ隊は繰り返し怒りのシュプレヒコールをたたきつけ、さらに東北電力福島営業所に対しても抗議をたたきつけた。
デモ解散地で呼びかけ人の渡辺馨さん(福島労組交流センター代表)は「今日は福島始まって以来のデモをやり抜いた」と勝利感あふれる総括を返し、7月に予定されている福島県いわき市での現地闘争、8・6広島―8・9長崎闘争への決起を呼びかけて、この日の闘いを締めくくった。(O)
●6・19フクシマアピール
本日は、3月11日の大震災、福島原発事故以降、福島現地で闘われる最初の全国闘争です。原発事故に悩み、悲しみ、苦しむフクシマの思いのすべてを心の底からの怒りに変えて、政府、東電と徹底的に闘うことを宣言する場です。
労働者、農民、漁民、母親、青年、学生が団結し、怒りを一つにしてフクシマから全世界の原発を止めよう! 原発も核も放射能もない社会を実現するために闘いを開始しよう!
原発事故はすべてを変えた! 家を奪われ、仕事も生活の糧も奪われ、はぐくんできた農地や家畜を奪われ、そして子どもたちの未来まで奪われようとしています。地震、津波での犠牲のうえに、福島第一原発事故によって数万人が着の身着のままに避難を強制されました。原発事故や放射能汚染の状況はまったく知らされず、「ただちに人体に影響はない」がくり返されながら、「安全」なはずの地域が計画的避難地域へと拡大され、3カ月が過ぎた今でも避難が続いています。
県内外への避難民は10万人、県外への転校を余儀なくされた小中学生は1万人を超えています。家族も地域のつながりもバラバラにされ、仕事も金もないのに「自立」だけを求められる現実の中で、人間としての尊厳までもが奪われようとしています。
多くの避難民もいる福島市、郡山市など県内の3分の1の地域では、100万人を超える人々が年間20㍉シーベルトにせまる高放射線量のもとでの不安な日々を強いられ、原発で働く労動者には過酷なまでの被曝労働が毎日強制されています。
これほど甚大な被害を出し、私たちに言い尽くせぬような苦悩、絶望を強制しながら、国や東電は自分たちだけは安全な場所にいて、マスコミや御用学者を使って、自らの責任を隠蔽し続けています。何人もの農民を「原発さえなければ」と自殺に追い込み、子どもへの「年間20㍉シーベルト」を許容する、政府や東電がやっていることは人殺しそのものです。こんなことは絶対に許せません。
文科省の原子力関連予算だけで、今年度じつに2571億円。核開発のためには金に糸目をつけないくせに、「年間20㍉シーベルト」の撤廃はかたくなに拒み、校庭の削り取った汚染土も放置したまま、子どもたちの命を守るための最低限のことすらしていません。環境省は、放射能で汚染された瓦礫(がれき)の最終処分場は福島県以外にはありえないと言い放ちました。ふざけるな! 福島をなんだと思っているんだ! 私たちはモルモットではない!
政府の新成長戦略会議では、海江田経産相が「原発の再稼働に全力を上げる」と発言していたことが発覚しました。事故などおかまいなしに、あくまでも原発政策を推進しようというのです。この国は本当に腐っている!
このまま黙っていていいのか、これはフクシマに対する挑戦状です。「国家の成長」が原発推進なしにはできないというなら、そんな国などいりません。労働者人民の命、子どもたちや青年の未来よりも、核武装と一握りの資本家の儲けを選ぶ社会など断固拒否します! こんな連中を、これ以上のさばらせておくわけにはいきません。全ての財産を吐き出させ、全ての責任をとらせなければなりません。
労働者、農民、漁民、学生、市民、すべての怒りをひとつにして、国と東電にぶつけよう! 今日をその出発の日にしよう! 全国・全世界の原発を廃止する闘いをここフクシマの地から開始しよう! 資本主義のもとでは原発事故は収束できません。国の言う「復興」など欺瞞です。
歴史を動かしてきたのは、いつの時代も私たち労働者人民の大衆的実力行動です。世の中を動かしているのが誰なのかを資本家たちに、国に思い知らせてやりましょう!
労働組合が、被曝労働を前提としてしか成り立たない原発に反対していれば原発は作れなかったはずです。労働者は労働組合を軸に団結して、先頭に立って闘い、農民もともにすべての民衆が力をあわせて、全国、全世界とつながらり、実力で、奪われた一切を取り戻しましょう!
核と人類は共存できません。原発は廃炉以外ありません。大震災と原発事故を受けて、青年が、すべての人が、社会のあり方、生き方を自らに問いかけています。資本主義社会に労働者人民の未来はないことに気づき始めています。
6・11は全国で100万人が「原発止めろ、原発なくせ」の行動を起こしました。全世界で「フクシマをくり返すな」の数百万のデモが闘われています。福島県内でも郡山、いわきと闘いが始まっています。あくまでも原発を維持し、核武装しようとする連中を、やっつけるために立ち上がりましょう! この社会のすべての生産を担い動かしている、私たち労働者や農民が主人公となる社会を今こそ自らの手でつくり出しましょう!
子どもたちの未来をかけ、人類の生存をかけて、デモで、ストライキで闘おう! 労働者とすべての民衆の連帯と団結こそが未来を拓く力であり希望です。放射能に未来を奪われてたまるか! 今こそ怒りを声にして行動しよう!
すべての原発をすぐに止めよう! すべての原発を廃止しよう!
政府と東京電力は、福島第一原発事故の一切の責任をとれ!
すべての被害をただちに補償しろ!
政府と東京電力は、すべての情報を開示しろ!
原発で働く労働者に被曝を強制するな!
すべての放射能汚染を除去し、一切を元に戻せ!
文科省は「年間20㍉シーベルト」通達を撤回しろ!
震災解雇を許すな! すべての非正規職を撤廃せよ!
あらゆる職場にたたかう労働組合をつくり、ストライキで闘おう!
すべての核兵器を廃絶せよ!
8・6ヒロシマ、8・9ナガサキへ総結集しよう!
ヒロシマ・フクシマ発1000万署名を集めよう!
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