斎藤前全学連委員長を奪還 京大弾圧初公判 本人が堂々の意見陳述
斎藤郁真前全学連委員長が京大でのビラまきを「建造物侵入」とするでっち上げで5月に不当逮捕されてから約5カ月。9月26日に保釈決定、27日に奪還を勝ち取りました!
9月24日、初公判が京都地裁第2刑事部(伊藤寿裁判長)で開かれました。これに先立って、京大生を中心にデモで京都地裁を包囲。ビラまきや学生自治を犯罪扱いし斎藤さんを権力に売り渡した京大・山極総長体制への怒りと、長期勾留を認めた裁判所への怒りの声がこだましました。
公判前の傍聴整理券の配布時から京都地裁には大量の裁判所職員が配置され、異様な警備法廷となっていましたが、40席の傍聴席に入りきらないほど多くの学生と労働者市民が集まりました。法廷に先に入っていた斎藤さん本人はとても元気そうで、集まった傍聴者に笑顔で応えていました。
公判で検察は、斎藤さんのビラまきを「正当な理由のない」建造物侵入だと主張。これに対して弁護人が直ちに追及し、大学でのビラまきを犯罪として扱うこと自体の不当性を全面的に争う姿勢を明確にしました。加えて、まかれたビラを職員が回収すること自体が不当で証拠として扱えないと追撃。傍聴席から、斎藤さんの自由を奪ってきた検察に対しては弾劾のやじが、弁護人の鋭い追及には拍手が送られました。
こうした応酬の後に行われた斎藤さん本人の意見陳述は、会場全体を獲得する圧倒的なものでした。
陳述では、まず「本件は学生自治の拡大を目指す学生運動への政治弾圧」とはっきりさせ、無罪放免と早期保釈が訴えられました。そこから「大学内でビラ配布が犯罪」とするまでに至った大学の状況、「大学を国家・財界の道具にしようとする」ものである大学改革の全体像と、それに立ち向かってきた全学連の闘いの意義が全面的に提起されていきます。
「大学改革が学生から奪う最も大事なものは主体性」「学生にとって大学を消費する場にしてしまう」「消費者は選択はしても責任はとりません」「学生自治の社会的意義は学生を消費者にさせないことを目指すところ、全ての学生を社会の主体にする営みであるところに、第一の意義がある」「京大当局は大学キャンパスを、学生がそこに夢を描く場所を、完全に自分の所有物だとみなす立場から私を刑事告訴したとしか考えられない」「本件で一番許せないことは、大学当局が、大学をまるで自分の家であるかのように建造物侵入を持ち出したこと」
そして陳述の結びは「歴史は私を無罪にする」です! このアジテーションに、会場は感動に包まれました。検察は弱々しくも図々しく、2度にわたって意見陳述を中断させようとしてきましたが、斎藤さんの気迫と傍聴席の熱気に押され、意見陳述は最後まで行われました。
検察側が証拠として出してきたのは、京大職員が作成した膨大な数の「撮影報告書」。ビラまきを犯罪とするためだけに相当な準備がなされていることからも、政治弾圧だということがはっきりわかります。
今回の裁判には初めての裁判傍聴だった学生が複数駆け付け、それぞれが意見陳述に感激し、斎藤さん奪還に向けて共に闘っていく決意を述べました。次回公判は10月29日。裁判官も感激したのか「みなさんまた来てください」と発言しています。奪還された斎藤さんを一刻も早く取り戻し、10・3京大開講日集会から、京大決戦勝利に向けて闘っていきましょう!(広島大・A)
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